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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第2章 宇宙活動の組織

第5条 国家立法及び行政諸機関の権限

1. ロシア連邦において、宇宙活動は連邦の国家立法及び行政諸機関の権限に属する。
2. ロシア連邦最高会議は次のものを含むロシア連邦の宇宙政策を策定する。
宇宙活動を規定する法令の採択。
ロシアの連邦宇宙計画の採択。
ロシアの連邦宇宙計画の履行に対する管理権の行使、及び宇宙活動に割り当てられる国家の手段の使用。
宇宙活動の問題に関するロシア連邦の国際条約の批准。
自己の権限内で、宇宙活動の遂行にあたって生ずるその他の問題の決定。
3. ロシア連邦大統領は次のものを含むロシア連邦の宇宙政策の実施について責任を有する。
宇宙活動を実施するために必要な政令及び施行令の公布。
ロシアの連邦宇宙計画を実施するための並びに宇宙活動の実施に関連するその他の問題に関する閣僚会議―ロシア連邦政府の活動を監督すること。
自己の権限の範囲内で、宇宙活動の遂行にあたって生ずるその他の問題を解決すること。
4. 閣僚会議―ロシア連邦政府は次のものを含む宇宙活動の監督を確保するものとする。
宇宙活動を実施するのに必要な政令及び施行令の公布。
ロシア宇宙庁、ロシア連邦国防省、ロシア科学アカデミー、宇宙技術を開発し及び使用するための作業の利用者であるその他の国家機関により企図されたロシアの連邦宇宙計画案の審議。
ロシア連邦最高会議にロシアの連邦宇宙計画案並びに宇宙活動の資金調達案を提出すること。
ロシア宇宙庁に関する規則を承認すること。
宇宙活動の分野でロシア連邦並びにロシアの組織及び市民の利益を保護するための措置を講ずること。
自己の権限の範囲内で宇宙活動の遂行にあたって生ずるその他の問題を解決すること。
5. ロシア連邦内の共和国、自治地域、自治区、領域、地域及びモスクワ市並びにサン・ペテルブルグ市は、この法律により定められる宇宙活動を規律するための権限の行使に参加するものとする。


第6条 ロシア宇宙庁(RSA)

1. ロシア宇宙庁は、ロシア連邦の宇宙政策に従い、ロシア連邦の管轄権に基づく科学的かつ国家経済的な目的での宇宙活動の実施につき責任を有する連邦の行政権限を有する機関である。
2. ロシア宇宙庁は、自己の権限の範囲内で、次のことを行う。
ロシア連邦国防省、ロシア科学アカデミー、宇宙技術を開発し及び使用する作業の顧客たるその他の国家機関と協力して、ロシアの連邦宇宙計画案を作成すること。
国際宇宙プロジェクトに基づく作業を含む、科学的かつ国家経済的な目的で宇宙技術を開発し及び使用する作業の国家による購入予定を作成し及び発注すること。
ロシア連邦国防省と協力して、科学的、国家経済的な目的及びロシア連邦の国家安全保障上の目的の両方で応用される宇宙技術を開発し及び使用する作業の国家による発注に参加すること。
科学的かつ国家経済的な目的で、ロシア連邦の国防省その他の省庁と協力して、地上の物体及び宇宙基盤施設のその他の物体の活用、保持、及び開発を確保すること。
宇宙活動の種類の免許の交付。
宇宙技術の証明書交付の組織化。
宇宙活動に所要の規格技術の資料を与えること。
対応する国家の役務と協力して、宇宙活動の安全性を確保すること。
外国の組織及び機関、並びに宇宙活動の問題に関する国際組織と相互に関係を保持し、適当な国際協定を締結すること。
閣僚会議―ロシア連邦政府により定められるその他の任務の遂行。
3. ロシア宇宙庁は、宇宙活動の成果の使用にあたって、ロシア連邦の主体の利益を考慮して、その任務を遂行するために地方機関を設けることができる。


第7条 ロシア連邦の国家安全保障の目的での宇宙活動

1. ロシア連邦の国家安全保障の目的での宇宙活動は、ロシア連邦の他の省庁と協力して軍事宇宙技術を開発し及び使用するための作業の長期プログラム及び年次計画の履行につき責任を有するロシア連邦国防省が実施するものとする。
2. ロシア連邦国防省は、その権限の範囲内で、次のことを行う。
軍事宇宙技術、及び、ロシア宇宙庁と協力して、科学的、国家経済的及びロシア連邦の国家安全保障上の両方の目的で応用される宇宙技術を開発し及び使用する作業のプログラム及び年次計画案を作成すること。
軍事宇宙技術、及び、ロシア宇宙庁と協力して、科学的かつ国家経済的及びロシア連邦の国家安全保障上の両方の目的で応用される宇宙技術を開発し及び使用する作業の国家による購入予定を作成し及び発注すること。
ロシア連邦の国家安全保障上の目的で宇宙技術を使用すること。
契約に基づき科学的かつ国家経済的な目的で宇宙技術を活用すること。
ロシア宇宙庁及びロシア連邦のその他の省庁と協力して、宇宙基盤施設の地上物体その他の物体の保持及び開発を確保すること。
宇宙活動に所要の規格技術の資料を与えること。
契約に基づき宇宙技術の証明書交付に参加すること。
対応する国家機関と協力して、宇宙活動の安全性を確保すること。
閣僚会議―ロシア連邦政府により定められるその他の任務を遂行すること。
3. ロシア連邦国防省はロシア連邦の法律により明示的に定められる場合において、宇宙技術を含む宇宙基盤施設のいずれの物体をも動員する権利を有するものとする。
4. ロシア連邦国防省は、その管轄権の下にある宇宙基盤施設の未使用の物体を、契約に基づき、科学的かつ国家経済的な目的での宇宙活動に利用するためにロシア宇宙庁に一時的に移転する権利を有する。


第8条 ロシアの連邦宇宙計画

1. ロシアの連邦宇宙計画は、これに基づき科学的かつ国家経済的な目的での宇宙技術の開発と使用についての国家の購入予定が作成される文書である。
ロシアの連邦宇宙計画及び軍事宇宙技術を開発し及び使用するための作業の長期計画及び年次計画の作成及び承認にあたってのロシア宇宙庁及びロシア連邦国防省の相互関係の手続はロシア連邦の法律により定められる。
2. ロシアの連邦宇宙計画は次の事項を考慮して作成される。
宇宙活動の定められた目標、任務及び諸原則。
ロシア連邦の主体の利益。
地域における経済状態。
宇宙科学及び産業の条件。
宇宙基盤施設の宇宙部分及び地上部分の包括的な開発の必要性。
宇宙工業技術の利用者及び製造者の利益。
宇宙航行学の発展の状態及び動向。
世界の宇宙市場における条件。
ロシア連邦の国際的な義務及び国際協力を拡大する任務。
3. ロシアの連邦宇宙計画は、ロシア連邦の省庁、関係組織及び市民により提出された宇宙プロジェクトの競争の成果に従い、作成するものとする。
科学的かつ国家経済的な目的での宇宙プロジェクトの競争を保持するための手続及び条件は、ロシア科学アカデミー及び宇宙技術を開発し及び使用するための作業のその他の顧客の参加によりロシア宇宙庁が定めるものとする。
4. ロシアの連邦宇宙計画及びその履行に関する年次報告書に関する一般的な情報は新聞に公表するものとする。


第9条 宇宙活動の免許

1. この法律は、科学的かつ国家経済的な目的での宇宙活動の実施についての免許交付(許可)の手続を定める。
2. ロシア連邦の組織及び市民の宇宙活動又はロシア連邦の管轄権の下にある外国の組織及び市民の宇宙活動は、これらの活動が宇宙物体の試験、製造、保管、打上げ準備及び打上げ並びに宇宙飛行に対する管理を含む場合には、免許の交付を必要とする。
3. 免許の種類、形式、条件、その交付、延期、停止又は終了の条件及び手続、並びに免許交付のその他の問題についてはロシア連邦の法律により規定される。
4. 組織又は市民が、免許なしに又は免許の条件に故意に違反して宇宙活動を実施する場合には、ロシア連邦の法律により罰せられる。
5. 宇宙活動に免許を交付する国家機関の行為に対しては、司法裁判所又は仲裁裁判所の下で請求を行うことができる。


第10条 宇宙技術の証明書交付

1. 宇宙物体、科学的かつ国家経済的な目的で作られた宇宙基盤施設の地上物体その他の物体を含む宇宙技術は、(証明書交付に関する)ロシア連邦の法律により定められる要件に従っていることを検査される。
宇宙技術の開発及び使用にあたって使用された装備もまた、証明書交付を必要とする場合がある。
2. 証明書交付の手続の達成により、証明書は、宇宙技術の各サンプルにつき発行される。
証明書の種類、形式及び条件、その発行、延期、停止又は終了の条件及び手続、並びに証明書交付のその他の問題はロシア連邦の法律により規定される。
3. 宇宙技術の証明書交付の規則に違反する、証明書交付を行う機関、宇宙技術の製造者及びそれに対応する公務員は、ロシア連邦の法律により責任を有するものとする。


第11条 宇宙活動の諸問題に関する専門的見解

1. 宇宙活動の実施に関連する次の問題に関する決定は専門的見解に基づいて行われる。
プロジェクトをロシアの連邦宇宙プログラムに含めること。
ロシアの連邦宇宙プログラムの採択。
宇宙活動のための免許の交付。
宇宙技術のサンプル並びに宇宙技術の開発及び使用のために利用された装備についての証明書交付。
宇宙技術をその輸出が禁止又は制限される製品として分類すること。
宇宙プロジェクトの競争の再検討。
宇宙活動の実施における事故の原因の確認。
閣僚会議―ロシア連邦政府により決定されるその他の問題。
2. 専門的見解聴取のために、ロシア連邦最高会議、閣僚会議―ロシア連邦政府、ロシア宇宙庁又は宇宙活動に関連する問題に関する決定を行うその他の機関は、専門的見解の結果についての利害に無関係な専門家の中から専門家委員会を創設する。
3. 専門家委員会の創設及び作業の手続はロシア連邦の法律により定められる。
4. 専門家委員会の結論は、宇宙活動に関連する問題に関する決定を行う機関を拘束するものではない。
専門家委員会の結論に従わない決定についての責任は当該決定を行う機関の長官にある。
専門家委員会の委員は、自己の認定の正確さ及び妥当性につき責任を有する。

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