1. |
「商業宇宙打上げ業務」とは、国際的な顧客のために、宇宙機又は、少なくとも通信衛星を含む、衛星を宇宙空間に打上げるための業務を商業的に提供することをいう。中国の宇宙打上げ業務供給者が商業宇宙打上げ業務を提供するために利用することができるすべての種類又は等級の打上げ機はこの合意に従う。 |
2. |
「中国の宇宙打上げ業務供給者」とは、商業宇宙打上げ業務の提供又は当該業務のための宇宙打上げ機の提供を中国政府により許可された中国の団体、又はこれらの者のために行動する代理人若しくは機関をいう。 |
3. |
「国際的な顧客」とは、宇宙機又は衛星の最終の所有者又は運用者であるか若しくはこの最終の所有者又は運用者のために宇宙機又は衛星を軌道に投入する次の者をいう。
(a) |
営利目的のために組織されているかどうか、民間により又は政府により所有され又は管理されているかどうかにかかわらず、中国の国民により所有され又は管理され、主として中国の国内市場に電気通信業務を提供している組織又は団体以外の、いずれかの人、いずれかの種類の社団法人、会社、組合、ベンチャー、パートナーシップその他の団体。 |
(b) |
アメリカ合衆国政府及び中華人民共和国を除く、いずれかの政府機関、 |
(c) |
少なくともインテルサット、インマルサット、又はこれらの法律上の後継機関を含む、いずれかの国際組織又は準政府コンソーシアム、 |
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4. |
「誓約」とは、打上げを国際的な商業上の競争から実際上外してしまう、国際的な顧客による商業打上げ業務供給者との主たる搭載物を打ち上げるいずれかの合意をいう。「誓約」とは、留保合意を含まない。 |
5. |
「比較可能な商業宇宙打上げ業務」とは、少なくとも予定軌道、危険管理、資金調達、軌道上での衛星寿命及び統合経費のような要因を含む、当該業務の価格及び条件を見積もる際に考慮することができる関連要因を勘案して、打上げに係る競争、単一の出所からの調達又は指示された調達の対象となる重量級の宇宙機を打ち上げるために提供される商業宇宙打上げ業務をいう。 |
6. |
特定の打上げ業務貿易に関する「政府による誘因」とは、少なくとも、不当な政治的な圧力、打上げ業務に係る競争に無関係な商業的な価値を有するいずれかの資源の提供、及び防衛又は国家の安全保障政策又は計画、開発援助政策又は計画、並びに一般的な経済政策又は計画(例えば、貿易、投資、債務、又は対外為替政策等)の下での優遇又はこれらの政策及び計画への有利なアクセスの申出をいう。 |
7. |
「不正な商慣習」とは、支払のすべて又は一部が、取引を獲得し又は保持するために、直接的又は間接的に、いずれかの公務員、個人その他の団体に提供され、与えられ又は約束されることを承知で、いずれの者に対する支払を行うことを含む、いずれかの者のための又はいずれかの者との取引を獲得し又は保持し、若しくはいずれかの者に取引を仕向けるために、いずれかの公務員、個人その他の団体に対して、何らかの申出を行うこと、支払を行うこと、支払を約束すること、価値を有するいずれかの物を約束すること又は提供すること若しくは価値を有するいずれかの物の支払を許可すること又は支払を行う約束をすることをいう。 |
8. |
「静止地球軌道」とは、搭載物が、地球に対して定位置を保持しながら、24時間で地球軌道を一周する、赤道地表面上空の約19,400マイル(35,900km)の軌道をいう。 |
9. |
「静止遷移軌道」とは、宇宙機又は衛星を静止地球軌道に移すために利用される一時的な軌道をいう。 |
10. |
「低地球軌道」とは、この合意の目的上、静止地球軌道より下にある軌道をいう。 |
11. |
「主たる搭載物」とは、電気通信衛星、又は当該衛星がない場合には、その他の宇宙機又は宇宙機を組み合わせたものをいう。 |
12. |
「単一の出所からの調達又は指示された調達」とは、打上げ業務の顧客が競争を行わずに、打上げ業務協定を交渉する供給者を選定する場合の合意をいう。 |
13. |
「新しい種類の打上げ機」は、「試験飛行」価格の設定に適格とされるためには、最初の打上げについて、既製のその他の打上げ機以上に著しく高度な危険を持たなければならない。著しく高度な危険とは、推進システム又は航空電子工学上のシステムのような高度に危険なシステムの主たる変更からのみ生ずる。従って、「新しい種類の打上げ機」とは、主要なシステムの大部分(例えば、推進、端末航空電子工学機器、主要な構造等)及び構成部分の大部分(例えば、外部取り付け式ブースター、誘導パッケージ、各段の間のアダプター等)が再設計され又は著しく変更された、以前に当該打上げ機では提供できなかった、試験されていない、新しい能力を生じさせるものをいう。拡張された点火、性能を向上させたソフトウエア、増量された推進薬タンク、変更された電気系統のような重要でない機体の性能向上はそれら自体では新しい機体を決定するための再設計又は著しい変更を意味するものではない。
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