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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第10条 安全

1. NASAは、安全を確保するため、宇宙基地の詳細設計及び開発の活動並びにその本格的な運用及び利用における宇宙基地の全体的な安全要求及び安全計画を、GOJ及び他の参加機関との作業を通じて設定する責任を有する。追加の安全要求及び安全計画の設定並びに安全要求及び安全計画に対する変更は、第7条及び第8条に定める手続に従って行う。
2. 各参加機関は、自己の独自の安全要求を用いて、宇宙基地の自己のハードウエア及びソフトウエアのための詳細な安全要求及び安全計画を設定する。これらの要求及び計画は、NASAがGOJ及び他の参加機関との作業を通じて共に設定する宇宙基地の全体的な安全要求及び安全計画に適合し又はこれを上回らなければならない。各参加機関は、適用のある宇宙基地の全体的及び詳細な安全要求及び安全計画を、宇宙基地計画が存続する間を通じて満たし又は実施する責任を有するものとし、また、自己が提供する要素及び搭載物に関し、そのような安全要求及び安全計画が満たされ又は実施されていることを認証する責任を有する。NASAは、宇宙基地全体並びに宇宙基地の要素及び搭載物が安全であることを認証する全体的な責任を有する。
3. NASAは、宇宙基地の要素及び搭載物並びにこれらの打上げ段階についての統合された全体的なシステム安全審査を実施し、GOJは、これを支援する。GOJは、NASAの要請により、安全に対する障害の処理に関連して自己がとった措置に関する情報を提供する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、また、自己が提供する要素及び搭載物の安全審査を実施するものとし、NASAは、他の参加機関によるこれらの審査に参加し及びこれを支援する。各参加機関も、適当な場合には、各参加機関が提供する要素及び搭載物に関連する他の参加機関による安団審査に参加し及びこれを支援する。これらの安全審査に対する各参加機関の支援には、他の参加機関がそれぞれの審査を実施することを可能にするために必要な安全関連の情報の提供を含む。参加機関は、適当な場合には、NASAが運営する宇宙基地の安全審査会に参加する。
4. GOJ、NASA及び他の参加機関は、宇宙基地及びその搭乗員の安全を保護するため、軌道上の緊急事態のための不測事態対応手続を作成する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、また、不測事態対応手続が存在しない軌道上の緊急事態の場合における協議手続も作成する。この協議手続が緊急事態の性質により必要な時間内にとれない場合又はコンセンサスが必要な時間内に得られない場合には、NASAは、事前に合意された手続に従い、宇宙基地及びその搭乗員の安全を保護するために必要な決定を行う責任を有する。NASAは、影響を受ける参加機関の要請に応じて、この責任を果たすためにとった措置に関する情報を提供する。

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