1.a |
NASAは、宇宙基地の運用(第4条1及び第12条の規定による地上・軌道間輸送機の発着を含む。)に関し、この条に定める運営の仕組みを通じて全体的な運営及び調整を行う責任を有する。GOJ及びNASAは、このMOUに従い、それぞれの運用及び利用の活動並びに宇宙基地の全体的な運用及び利用の活動を運営する責任を有する。運用及び利用の活動は、長期計画の立案並びに最上位の運営及び調整(長期計画レベルの組織が行う。)、詳細計画の立案及び長期計画レベルの組織に対する支援(詳細計画レベルの機関が行う。)並びにこれらの計画の実施(実施レベルの機関が行う。)から成る。 |
1.b |
多数者間調整委員会(MCB)は、宇宙基地の運用及び利用に関連する参加機関の活動の調整を確保するため、宇宙基地計画が存続する間を通じて定期的に、又はいずれかの参加機関の要請により速やかに、会合する。このMOUの当事者及び他の参加機関は、このMOUに別段の定めがある場合を除くほか、MCBを通じて、安全で効率的かつ効果的な宇宙基地の運用及び利用に影響を与える活動を計画し、及び調整する。MCBは、NASA、GOJ、ESA、CSA及びRSAの指名された代表によって構成する。MCBは、NASAの代表が議長を務める。当事者は、MCBのすべての決定をコンセンサス方式によって行うべきことに合意する。所定の時間内にMCBの権限内のいずれかの問題についてコンセンサスに達することができない場合には、議長は、決定を行うことができる。もっとも、この1.bの規定は、協議及び紛争解決に関する第18条の規定に基づく参加機関の権利に影響を与えるものではない。第18条に定める仕組みに従い協議を通じて問題の解決が得られるまでの間、参加機関は、自己の要素に関する決定を実施しない権利を有する。主として技術上又は計画上の問題ではない問題(政治的な側面を有する問題を含む。)についてコンセンサスに達することができない場合には、協議及び紛争解決に関する第18条の規定のみが適用される。当事者は、宇宙基地の運用及び利用が最も成功裡に行われるのは、コンセンサスに達する結果又は影響を受ける参加機関の利益が考慮に入れられる結果、宇宙基地計画のすべての参加機関の利益が保護されるときであることに合意する。MCBの決定は、このMOUに定める参加機関の権利を修正するものではない。 |
1.c |
MCBは、宇宙基地の運用及び利用(輸送、通信等支援業務を含む。)の長期計画レベルの調整を行う責任を有するパネルとして、この条に詳細を定めるシステム運用パネル(SOP)及び利用者運用パネル(UOP)を設立した。MCBは、これらのパネルの組織上の関係及び責任並びにこれらのパネルとこの条に規定する詳細計画レベル及び実施レベルの機関との間の組織上の関係について定めるSOP-UOP設立規則を作成した。SOP-UOP設立規則のいかなる修正(これらのパネルの統合を含む。)も、MCBが承認する。MCBは、毎年、この条に規定する年間複合運用計画(COP)及び年間複合利用計画(CUP)(これらのパネルにおいて作成される。)に基づく宇宙基地のための統合運用・利用計画(COUP)を承認する。この場合において、MCBは、これらのパネルが解決することのできないCOPとCUPとの間の抵触を解決する責任を有する。SOP及びUOPは、SOP-UOP設立規則に定めるところにより、COUPを準備するため共に作業する。SOP-UOP設立規則は、COUPの調整に関する責任であってパネルに委任されたものについても定める。COUPは、適当な詳細計画レベル及び実施レベルの機関が実施する。MCBは、また、搭乗員に関連する問題を調整するためのパネルとして、第11条に詳細を定める多数者間搭乗員運用パネル(MCOP)を設立する。 |
1.d |
- 宇宙基地の飛行要素
宇宙基地の飛行要素は、次の3種類とする。
- 利用要素
基盤要素
その他の飛行要素
利用要素は、NASA提供の実験棟、NASA提供の人工重力発生装置搭載棟、ESA提供の欧州与圧実験室(搭載物の外部装着設備を含む。)、GOJ提供のJEM(曝露部及び補給部を含む。)、RSA提供の汎用連結棟の搭載物装着設備及びRSA提供の実験棟(以下「宇宙基地実験棟」という)並びにRSA提供の搭載物の外部装着場所及びNASA提供の搭載物の外部装着場所とする。基盤要素は、移動型サービス施設等役務提供要素及び他の要素であって、すべての飛行要素の運用及び利用を可能にする資源を生み出すものからなる。その他の飛行要素には、軌道上移動機、補給運搬容器等宇宙基地に再供給を行うための要素及びCSA提供のSPDMを含む。
-
1.d.1 |
運用
利用要素、基盤要素、CSA提供のSPDM及び宇宙基地の資源は、これらが宇宙基地の組立て、その検証及び宇宙基地を運用状態に維持することに使用され又は要素の予備品及び搭乗員用物資の貯蔵(搭乗員用物資の二次的貯蔵は、宇宙基地実験棟の間で分担される。)のために使用される場合には、次のように称する。
運用用の利用単位
運用用の資源
- 宇宙基地の詳細設計及び開発の間は、これらの運用用の利用単位及び運用用の資源は、前条に規定する適当な計画文書で管理する。宇宙基地の本格的な運用及び利用の間は、これらの運用用の利用単位及び運用用の資源は、2.dに規定する仕組みに従って管理する。
|
1.d.2 |
利用
宇宙基地を運用状態に維持するために必要とされない利用単位及び資源は、宇宙基地の利用に関連して使用可能となる。利用単位及び資源は、このように使用される場合には、それぞれ、次のように称する。
利用用の利用単位
利用用の資源
宇宙基地の利用用の利用単位及び利用用の資源の配分に関する詳細は、3に定める。GOJ、NASA及び他の参加機関は、利用用の利用単位及び資源を最大にするため、運用用の利用単位及び資源に対する需要を最小限にとどめることに合意する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、要素と利用者提供のハードウエア及びソフトウエアとの間の標準インタフェースを設定するよう作業する。
|
|