2.a |
このMOUの当事者は、宇宙基地の利用者及び運用者のために安全で効率的かつ効果的な方法で宇宙基地を運用することを目標とする。このため、MCBは、1.cに規定する長期計画レベルの運用活動及び運用計画立案活動を調整するSOPを設立した。 |
2.b |
SOPは、GOJ、NASA及び他の参加機関からの各1人の構成員から成る。構成員は、その指名に係る代理をSOPの会合に出席させることができる。更に、各参加機関は、SOPの活動を支援するために必要な関連の専門家の援助を得ることができる。SOPは、コンセンサス方式によって決定を行う。いずれかの問題についてコンセンサスに達することができない場合には、その問題は、解決のためにMCBに付託される。GOJ及びNASAは、効率的な運営のためには、SOPが、運用上の問題をMCBに付託することなく、すべての運用上の問題を事務的にかつできる限り速やかに解決する責任を引き受けるべきであることを認識する。 |
2.c |
SOPは、宇宙基地を運用し、保守し及び改修すること並びに宇宙基地のための補給を行うことに関する運用運営計画(OMP)を作成し、承認し、及び維持する。OMPには、長期計画レベル、詳細計画レベル及び実施レベルの運用運営の間の関係を定める。運用運営に当たっては、長期計画レベルはSOPが、詳細計画レベルは2.eに規定する詳細計画運用機関が、また、実施レベルは実施機関及びフィールド・センターが、それぞれ、調整する。OMPには、また、この条の他の規定に合致する範囲内で、宇宙基地の飛行要素及び宇宙基地専用の地上要素に関する運用上の要求を定める。OMPには、第6条の1.a 31及び2.a 26に規定する基本運用計画及び基本補給・保守計画、これらの基本計画の年次改訂並びに2.dに規定するCOPを準備するための手続(新たな情報に応じてこれらの計画を調整するための手続を含む。)を定める。 |
2.d |
GOJ及びNASAは、毎年、5年後についての各自の基本運用計画及び基本補給・保守計画の重要な改訂をSOPに提供する。SOPは、すべての参加機関が提供する基本運用計画及び基本補給・保守計画並びにこれらの基本計画の改訂(宇宙基地専用の地上要素の利用に対する要求を含む。)を用いて、3.g.2に規定する年間のCUPと整合性のある年間のCOPを作成し、及び承認する。COPには、宇宙基地を運用状態に維持するために必要な運用用の利用単位、運用用の資源、打上げ及び回収の輸送業務並びにデータ伝送能力を規定する。COPとCUPとの整合性は、これらの準備及び承認の過程におけるSOPと3.eに規定するUOPとの間の調整を通じて確保されなければならない。 |
2.e |
NASAは、GOJ及び他の参加機関の参加を得て、宇宙基地の運用のための統合された詳細計画レベルの活動を行う責任を有する。このため、NASAは、一の統合された詳細計画運用機関を設置するものとし、他の参加機関は、この機関によるその責務の遂行に参加する。詳細設計及び開発のための統合された詳細計画レベルの活動は、SSCBが管理する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、統合された詳細計画レベルの運用の任務を遂行させ統合された詳細計画レベルの全体的な運用活動に参加させるため、自己が提供する要素の専門家を任命する。GOJ及びNASAは、統合された詳細計画レベルの活動を支援するための手続、人員、人員の配置並びに合衆国に配置されるGOJの人員及び日本国に配置されるNASAの人員に関連するすべての事務的な条件について協議し、及び合意する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、それぞれ、自己が提供する要素及び役務に関連する詳細計画レベルの分配された活動(例えば、システム運用の分散された支援、利用者支援及び補給に関する計画立案、3.iに規定する搭載性評価)を、統合された活動と連携を保ちつつ行う。統合された詳細計画レベルの活動には、システム運用、すべての宇宙基地の要素に係る利用者支援活動、地上・軌道間輸送機の能力、データ伝送及び運用上の管制区域の内側における地上・軌道間輸送機の運用に関する計画立案を含む。宇宙基地から離れている地上・軌道間輸送機のための詳細計画レベルの活動は、これらの輸送機が宇宙基地の運用上の管制区域(前条に規定する計画文書で定める。)の外側にある時は、これらの地上・軌道間輸送機の提供者が行う。 |
2.f |
2.eに規定する統合された詳細計画運用機関は、COUPを実施するため、宇宙基地のための複数単位期間目録を作成する。この目録は、COUPに規定する打上げ及び回収の輸送に関する取決めを実施するためのものとし、輸送機の発着、組立て活動、補給及び搭乗員の交替について記載する。単位期間定義・要求文書(IDRD)は、COUPに加え、複数単位期間目録、宇宙基地の組立て及び運用に関する要求並びに搭載物の統合に関する文書を用いて作成する。IDRDには、各単位期間の計画及び要求を定める。IDRDは、統合された詳細計画運用機関が管理し、及び単位期間開始の2年前のものを基準として作成する。組立て及び初期の運用上の検証が完了するまでの期間においては、IDRDは、前条1.dに規定するSSCBが管理する。各IDRDには、単位期間における支援を行うために必要な利用者搭載物、システム支援装置及び供給品に関する詳細な積荷目録を定める。各IDRDには、また、当該単位期間中に打上げられるハードウエア及びソフトウエアの変更並びにCOUPで承認された活動を実施するために必要な搭載物・システム支援活動を定める。各IDRDには、当該単位期間における支援を行うため、搭乗員を記載し、並びに補給に対する要求(地上・軌道間輸送機のインタフェース要求を含む。)、運用用の資源及び運用用の利用単位に対する要求の変更並びに通信に対する要求(通信システムの利用及びデータの配布に対する要求を含む。)を定める。地上・軌道間輸送機の統合に関する詳細(宇宙基地のための貨物輸送についての計画立案(与圧され又は与圧されていない運搬容器に関するものを含む。)のためのインタフェース要求及び搭乗員の輸送に関するもの)は、前条2の文書に規定する統合に関する標準文書において、統合された詳細計画運用機関が定める。 |
2.g.1 |
NASAは、GOJ及び他の参加機関の参加を得て、統合された指令及び管制のための実施レベルの計画立案及び運営を行う責任を有する。NASAは、宇宙基地全体の統合された運用の実施を調整する。宇宙基地全体に対する統合された実施レベルの活動は、宇宙基地の統合された指令及び管制の概念(無人及び有人の運用(搭乗員の救助活動並びに宇宙基地の軌道、慣性、高度及び姿勢の管理を含む。)の期間における宇宙基地の統合された指令及び管制をいう。)の範囲内で、SSCC及びMCC-Mによって実施される。各参加機関は、統合された実施レベルの活動に参加させ及び、自己が提供する要素に重点を置きつつ、実時間で行われる軌道上の活動を支援させるため、自己が提供する要素の専門家を任命する。GOJ及びNASAは、統合された実施レベルの活動を支援するための手続、人員、人員の配置及びこれらの人員に関連する事務的な条件について協議し、及び合意する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、統合された計画に従って日常の運用を行う責任を有する。NASAが設置し及び運営するSSCCは、宇宙基地の統合された指令及び管制を行い、並びにRSAが設置し及び運営するMCC-Mと連携して活動する。MCC-Mも、また、指令及び管制の機能(宇宙基地全体の統合された指令及び管制の機能であってNASAとRSAとの間で合意されるものを含む。)を提供する。 |
2.g.2 |
2.g.1に規定する統合された運用を支援すること(参加機関が提供する要素のシステム運用のためのもの)に加え、NASAはSSCC内に及びRSAはMCC-M内に並びに他の参加機関は、自己の要素専用の実施レベルの運用機能を設定する。GOJ、NASA及び他の参加機関は、要素専用の実施レベルの運用機能(統合された実施レベルの機能と連携を保ちつつ各参加機関が提供する。)について協議し、及び合意する。 |
2.g.3 |
SSCC及びMCC-Mの統合された機能と要素専用の実施レベルの運用機能との間の関係は、OMPに定める。GOJ、NASA及び他の参加機関は、詳細なエンジニアリング評価を実施するためのエンジニアリング支援及び自己が提供する宇宙基地の要素の運用上の管制のために必要な実時間での運用支援を提供する。宇宙基地の飛行要素から離れている地上・軌道間輸送機のための実施レベルの活動は、これらの輸送機が宇宙基地の飛行要素の運用上の管制区域(前条に規定する計画文書で定める。)の外側にある時は、これらの地上・軌道間輸送機の提供者の責任とする。運用上の管制区域の内側にある輸送機のための実施レベルの活動は、2.g.1に規定する統合された実施レベルの計画立案活動を通じて行うものとする。 |