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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

目標及び原則

 合衆国の宇宙活動を導く基本的な目標は、宇宙における指導性を発揮することであり、今後ともそうである。ますます競合する国際環境下での指導性は、宇宙事業のすべての領域及び学問分野での合衆国の卓越性を要求するものではない。それは国家の安全保障上、科学上、技術上、経済上及び外交上の合衆国の政策目標の達成にとって決定的な影響を持ち得る最も重要な宇宙分野における合衆国の卓越性を要求するものである。

―合衆国の宇宙活動の全体的な目標は次のとおりである。
(1) 合衆国の国家安全保障を強化すること。
(2) 宇宙関係活動を通して、一般公衆のための科学的・技術的及び経済的便益を獲得し、又地上における生活の質を改善すること。
(3) 宇宙活動及びその関連活動への合衆国民間部門の継続的投資を奨励すること。
(4) 合衆国の国家安全保障、外交政策、科学的及び経済的利益を考慮して国際協力活動を促進すること。
(5) 人類の安全と福祉の向上を目指したあらゆる活動を行うために宇宙空間の自由を維持する上で他の国と協力すること。
(6) 長期的目標として、地球軌道を越えて太陽系へ人類の存在と活動を拡張すること。

合衆国の宇宙活動は、次の原則に従って実施する。
合衆国は、平和的目的及び全人類の利益のため、すべての国による宇宙空間の探査及び利用に取り組む。「平和的目的」には、国の安全保障上の目標を遂行するための活動を含む。
合衆国は、その自衛のための固有の権利及び同盟国への防衛公約の支援のために宇宙活動を遂行する。
合衆国は、宇宙空間又は天体若しくはそのいかなる部分に対するいかなる国によるいかなる主権の主張も拒否し、また宇宙からデータを取得するという主権国家の基本的権利に対するいかなる制限も拒否する。
合衆国は、いずれの国の宇宙システムも干渉なしに宇宙空間を通過し、かつ宇宙空間で運用する権利を有する国家の財産であるとみなす。宇宙システムに対する意図的干渉は、主権に対する侵害とみなす。
合衆国は、国の経済的利益のための宇宙技術及びシステムの商業的利用と開発を奨励し、それを妨げないものとする。これらの商業活動は、国家安全保障上の利益、並びに国際的及び国内的な法的義務に合致するものでなければならない。
合衆国は、政策の問題として、連邦政府の直接補助金を用いることなく、その商業宇宙目的を追及する。
合衆国は、商業宇宙製品及び業務に関して、自由かつ公平な貿易を行うよう他の国に奨励する。
合衆国は、国家にとって科学的、政治的、経済的又は国家安全保障上十分な利益の達成が期待される宇宙関連の国際的な協力活動を行う。合衆国は、相互に利益となる宇宙及び宇宙関連計画への国際的な参加を求める。

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