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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第3章 ランドサット・システム以降のデータの継続性に関する規定

目的及び定義

第301条
(a) この章の目的は次のとおりである。
(1) 通常の方法でかつ最小限の危険で、民事ランド・リモートセンシング・システムの商業上の運用を政府によるものから民間へ移行させる措置を執ること。
(2) ランドサット・システムの宇宙部分の実際的な譲渡の後6年間はデータの継続性の措置を講ずること。
(b) この章の適用上、「データの継続性」とは、次のような価値の付加されていないデータの継続的な提供をいう。
(1) データの利用者の観点からは次のものを含む。
(A) ランドサット衛星1及び2号によって作成された多重スペクトル感応性データに機能的に等しいデータ。
(B) このデータ及びこのデータを受信しかつ処理するために使用した設備への適合。
(2) 少なくとも1983会計年度中の連邦の使用量に等しい年間量のデータ。
(c) データの継続性の措置は利用できる技術のすべてを使って講ぜられる。


データの継続性及び利用可能性

第302条 長官は、6年間データの継続性の措置を講ずることができるリモートセンシング宇宙システムの開発及び運用並びに第601及び602条の規定に基づく価値の付加されていないデータの市場化のための契約についての(第202条の規定に基づき長官が定義するような)合衆国の民間部門の当事者からの提案を懇請するものとする。当該提案は、最小限、次のことを明記する。
(1) システムから期待される価値の付加されていないデータの質及び量。
(2) 運用を開始することができる予定日。
(3) 製造すべき衛星の数及びその予定寿命。
(4) システムの開発への連邦の融資の必要。
(5) 連邦政府に与えられる販売の収益率その他の利益率。
(6) ランド・リモートセンシング・データの市場を拡大するための計画。
(7) 第607条に基づく合衆国の国家の安全保障に係る事項及び国際的な義務に適合するための手続案。


契約の締結

第303条
(a)
(1) 長官は、この章の要件に従って、第302条に規定された提案を評価し、かつ、競争入札の手続によって、特別歳出法によって事前に定められた限度で、6年間データの継続性の措置を講じかつ価値の付加されていないデータを市場化することができるように合衆国の民間部門の当事者と契約を締結する。
(2) 契約者は、宇宙活動を始める以前に、第4章の規定に基づく免許を取得する。
(b) 長官は、(a)に規定する評価の一部として、次の条件に基づき各提案の期待される成果を分析する。
(1) 合衆国政府にとり勧告されたシステムを開発するための正価。
(2) 契約者の技術的な能力及び財政的な条件。
(3) ランドサット・システムの予定された終了の後の当該データの入手可能性。
(4) 勧告されたシステムによって作成されるデータの量及び質。
(5) 契約者の自己負担において、合衆国のリモートセンシングにおける指導的地位を維持するリモートセンシングの能力を追加することによってデータの継続性の要件を補足する契約者の能力。
(6) データの市場を拡大する可能性。
(7) 第305条の規定に基づいて連邦政府に対して提議されたデータの販売率その他の財政的考慮に基づく連邦政府への期待利益。
(8) 提案の商業上の実現可能性。
(9) 合衆国の国家安全保障に係る事項及び国際的な義務を履行するための手続案。
(10) 第2章の規定に基づき選定された契約者と順調な移転を行う契約者の能力。及び、
(11) 長官が適切かつ関連すると考えるその他の要素。
(c) この契約を締結する長官の決定又は決定案は、上院の商業、科学、及び運輸委員会並びに下院の科学及び技術委員会に再検討のために送付される。これらのいずれの決定又は決定案も次の場合にのみ実施される。
(1) 各委員会が送付された決定又は決定案を受理した後30日間が経過した場合。又は、
(2) 各委員会が、当該期間の終了以前に、決定又は決定案に異議がないという旨の通告書を長官に送付することに同意しかつ送付した場合。  長官は、送付する決定又は決定案の一部として、(a)に規定する情報を含める。 (d)長官は、本条によって必要とされる競争入札の手続の結果として、この章の規定に基づいて容認し得るいかなる提案も受理することがない場合には、このことを認証しかつこの認証を議会に十分報告する。長官は実行可能な限り迅速に、ただし、この認定又は報告の後30日以内に、競争入札の手続を再開する。二度目の競争入札の手続の期間は180日を越えることはない。長官は、この二度目の競争入札の手続の後に、この章の規定に基づき容認し得るいかなる提案も受理することがない場合には、このことを認証しかつ議会にこの認証を十分に報告する。長官は、この認証及び報告の後90日以内に、特別歳出法によって事前に規定された限度において、調達によるデータの継続性及び連邦政府による必要なシステムの運用を確保することができる。


契約条件

第304条
(a) この章の規定に基づいて効力を生ずる契約は、
(1) この章の規定によって必要とされる競争入札による調達手続を勘案して、実行可能な限り迅速に効力を生ずる。
(2) 長官によって決定され、公表された基準に基づき、データの利用可能性が断続することを最小限にとどめるために実行可能な限り迅速に開始する6年の期間中データの継続性を確保するものとする。
(3) 契約者が非差別的な基礎に基づきすべての潜在的な購入者に対して価値の付加されていないデータを販売し、及び、引き渡すよう提議することを規定する。
(4) 連邦政府による契約者からのデータの購入に係る保証を与えない。
(5) 契約者が、次の場合に、宇宙での利用可能性に基づき、民事ランド・リモートセンシング宇宙システムのプラットフォームとして合衆国の民事衛星又は宇宙機を利用することを規定することができる。
(A) 契約者が、固定経費、プラットフォームに係る経費、データの伝送経費及び打上げ経費の合理的かつ均衡の取れた割当を含む、当該使用に関して負担されたすべての関連経費を政府に迅速に償還することに同意する。
(B) 当該使用は、民事プラットフォームについて責任を有する機関が決定する政府の予定された民事ミッションを妨げ又は他の方法でこれに支障を及ぼしてはならない。
(6) 1949年の連邦財産及び行政役務法(41U.S.C.255)の第305条の規定に基づき、貸付、貸付保証又は払込の形で、6年間データの継続性の措置を講ずるために必要な資本経費の一部分について、合衆国政府による財政的な支援を与えることができる。
(b)
(1) 長官は、この章の規定に基づき締結される契約が第2章の規定に基づく契約と組み合わされるかどうかにかかわらず、この章の規定に基づき締結される契約が第2章の目的及び政策を合理的に達成するかどうかを迅速に決定する。この決定は、決定のための基礎に関する十分な陳述書と共に、大統領及び議会に提出される。
(2) 長官は、当該契約が第2章の規定の要件を合理的に実現しないことを決定する場合に、特別歳出法において事前に定められた限度で第2章の規定を迅速に実施するものとする。


市場化

第305条
(a) ランド・リモートセンシング・データの意欲的な市場化を促進するために、この章の規定に基づき締結された契約は、契約者が連邦政府に支払う販売率が規定された販売水準の増大に伴って減少する旨を定めることができる。
(b) 契約者は、第304条(a)(2)に定める6年の期間の後に、データを継続して販売することができる。契約者は、第4章の規定に基づき許可された場合には、民事用ランド・リモートセンシング宇宙システムを継続して運用することができる。


報告

第306条 長官は、第304条(a)(2)に規定する6年の期間の開始の日から2年後に、リモートセンシング宇宙システムの完全な民間による出資、所有、及び運用への移行の進展、並びに、宇宙からの民事ランド・リモートセンシングにおける合衆国の指導的地位を確保するために必要な措置を含む措置の勧告に関して大統領及び議会に対して報告する。


権限の終了

第307条 この章に基き長官に与えられる権限はこの法律の制定の日の後10年で終了するものとする。

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