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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第5条 財政原則

a) ユーテルサットは、ユーテルサット宇宙部分を所有し又は賃貸し、ユーテルサットが取得するその他のすべての財産を所有する。署名当事者は、ユーテルサットに資本を提供する責任を有する。
b) ユーテルサットは、一般的に認められた商業上の原則に考慮を払いつつ健全な経済的及び財政的な基礎に立って運営する。
c) 各署名当事者は、ユーテルサットにおいてその出資率に比例した持分を有し、かつ、この出資率は、運用協定に従って決定されるすべての署名当事者によるユーテルサット宇宙部分の使用量の合計に対する自己の使用量の割合に相当するものとする。ただし、いかなる署名当事者も、たとえユーテルサット宇宙部分を使用しなかったとしても、運用協定に定める最小限度の出資率以上の出資率を有する。
d) 各署名当事者は、運用協定に従い、資本の必要額を分担し、資本の償還及び資本の使用に対する補償を受ける。
e) ユーテルサット宇宙部分のすべての使用者は、この条約及び運用協定の規定に従って定められる使用料を支払う。
i) 各種類の使用についての使用料率は、当該種類の使用のため宇宙部分容量の割当を申請する締約国の管轄下にある領域にあるすべての公共及び民間の電気通信事業体について同一とする。
ii) 運用協定第16条の規定に基づき締約国の管轄下にない領域に対して、ユーテルサット宇宙部分を使用する許可を得た公共又は民間の通信事業体に対して、署名当事者理事会は、i)に定める率とは別の使用料率を決定することができる。ただし、同一種類の利用については同一の率がこれらの事業体に適用されるものとする。
f) 条約の第3条f)に規定する衛星及び関連施設は、署名当事者理事会の全会一致の決定により、ユーテルサットが出資することができる。その他の場合、当該衛星及び関連施設は、少なくともユーテルサットが負担するすべての関連費用を含めるために署名当事者理事会が定める条件に基づき、これらを要請する者が費用を負担する。この費用は、運用協定第4条b)に定めるユーテルサットの資本の必要額の一部とはみなされない。これらの衛星及び関連施設は、この条約の第1条h)にいうユーテルサット宇宙部分の一部をなすものではない。

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