1.1. |
参加国は、アリアン協定の第1条及び第5条に規定するアリアン打上げ機の生産段階の実施をアリアンスペースという産業組織に委託することを決定する。 |
1.2. |
参加国は、この生産段階が次の条件のみに従って、世界市場の打上げ需要全体を満たす目的を有することに同意する。
a) |
条約に基づく義務から生ずる平和目的のためにかつ1967年の月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用を律する原則に関する条約の諸規定に適合して行われること。 |
b) |
3.6の規定。 |
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1.3. |
参加国は、フランス法上の株式会社であるアリアンスペースにL.11型からアリアン打上げ機の製造、商業化及び打上げを委託することに同意する。 |
1.4. |
a) |
参加国は、欧州宇宙機関の活動のためのアリアン打上げ機の利用が、同機関の条約の第8条1の規定に基づいて行われることを宣言する。 |
b) |
参加国は、その国家計画の定義及び実施にあたって、アリアン打上げ機を考慮し、その利用がこの考慮の際に入手することができる他の打上げ機又は宇宙輸送手段に比べて価格、信頼性又はミッションへの整合性の点で不当に不利な条件にある場合を除いて、その利用に優先権を与えることに同意する。 |
c) |
参加国は、自国が参加する国際計画の枠内でアリアン打上げ機の利用を支援するよう努力し、かつ、その目的のために協議する。 |
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1.5. |
a) |
1983年7月1日から締結される1986年7月1日以降に計画される打上げを予定する契約については、国際競争を考慮に入れる価格方針が打上げ機のすべての利用者に適用される。参加国は、この目的を達成する手段を1983年7月1日以前に定義し及び採択するために1982年からアリアンスペースと協議することに同意する。 |
b) |
1983年7月1日以前に締結される契約又は1986年7月1日以前に予定される打上げについて適用することができる価格は、この宣言の附属書1に含まれる価格表に定められる。価格は、経済的な条件及び金融的な条件に照らして調整される。 |
c) |
上記に定める価格表に示される価格は、アリアンスペースにとって1.4.a)及び1.4.b)の規定に含まれない打上げに関して勧告された価格となる。たとえ送り状が付された価格が勧告された価格と異なっていても、アリアンスペースのみがその財政的な結果を負担する。 |
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1.6. |
欧州宇宙機関の非加盟国又は機関の加盟国の管轄下にない顧客への売却に関し、
a) |
参加国は、打上げの販売計画が1.2.a)の規定に反する利用に関係しているかどうかを決定する責任を有する委員会を設置することに同意する。
この委員会は各参加国の代表1人からなる。委員会の委員は、欧州宇宙機関の事務局長により、機関に加盟していない第三国及びこれらの国の管轄下にある顧客へのアリアンスペースによる打上げの販売計画について通知を受ける。
委員会は次の条件において会合する。委員の2/3によって、打上げ機の利用が1.2.a)の規定に反するという理由で、会合を要請することができる。
この要請は、当該契約案が委員会の委員へ通知された後4週間以内に行われなければならない。委員会は2週間以内に会合しなければならない。委員会は、開発計画への拠出の少くとも15%を占める国の委員の2/3の多数の議決によって、1.2.a)の規定を尊重していないという理由で禁止の決定を行うことができる。
この禁止の決定はアリアンスペースに対して執行力を有する。フランス政府は、1967年1月27日の宇宙空間の探査及び利用に関する国家活動を律する原則に関する条約によって保持する権限の行使にあたって、委員会が行う禁止の決定の誠実な実施を確保するために必要な措置をとることを約束する。 |
b) |
すべての参加国は、この宣言により課せられる義務を損なうことなく、自国に固有の理由で、特定の打上げに参加しないことを宣言する権利を留保する。 |
c) |
参加国は、打上げの販売がこの宣言への加入と両立しないと考える場合には、必要と考える協議の後に、欧州宇宙機関の事務局長に当該事項を通知しなければならない。
欧州宇宙機関の事務局長によるアリアンスペースに関する通知の後に販売が行われる場合には、参加国は、欧州宇宙機関並びに他の参加国に1カ月以内に公式に通知すること及び他の販売について当該国が行う誓約を尊重することを条件として、直ちに当該販売についてこの宣言への自国の加入を停止することができる。
当該国は、この停止の後に、打上げ機の生産のために利用された自国の産業施設を利用可能なままに維持し、かつ、その利用を妨げてはならない。当該国が問題の打上げについて、自国の産業によって製造された設備及び構成部分の提供に反対する場合には、その権限の枠内で、他の参加国の企業への関連する必要品の製造の移転を許可し及び容易にしなければならず、かついかなる場合にも、他の参加国の企業による必要品の製造に反対することはできない。 |
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1.7. |
参加国は、アリアン打上げ機の製造及び打上げに必要な場合には、アリアンスペースに対して次のものを提供することを約束する。
― |
無料で、アリアンの開発段階及び昇級段階の枠内で得られた施設、設備及び工具で、欧州宇宙機関が参加国のために所有権者であるもの。 |
― |
利用に必要な費用に限定される財政的な条件で、1.9の特別な規定の対象となるCSGを除いて、若干の参加国が所有権者であり、かつ、アリアンの開発計画のために使用された施設。 |
― |
無料で、自国に属するアリアン計画の開発段階及び昇級段階から生ずる知的所有権。アリアンスペースは、無料で、これらの国が所有する開発段階及び昇級段階から生ずる技術情報を入手することができる。 |
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1.8. |
参加国は、アリアンスペースに対して、産業上の質の監督及び価格の調査に関して必要な援助を与えるために可能な限りのことを行う。 |
1.9. |
参加国は、これらのことに関して、定められるべき手続に従ってCSGへの出資に参加すること及びこの問題に関する特別な協定を欧州宇宙機関加盟国の間で締結すべきことに留意する旨約束する。 |
1.10. |
参加国は、輸出販売の際に、特別な輸出保証及び融資の方式を見出すことが望ましいと考えられる場合には、生産への参加に応じた危険及び出資の衡平な配分の原則に従って、当該要請に応ずることができるかどうかを決定するために協議する。 |
1.11. |
参加国は、アリアンスペースの将来又はアリアンの生産の将来に問題となる技術的かつ財政的困難が生ずる場合には、講ずべき措置を相互に協議することに同意する。 |