a. |
既存の宇宙打上げ能力
(1) |
スペースシャトル及び既存の使い捨て型打上げ機からなる混合編隊は、この10年間を通じて、人及び貨物を宇宙空間へ及び宇宙空間から輸送するための主要な合衆国政府の手段であり、21世紀の最初の10年間にかけての国の打上げ能力の重要な構成部分である。 |
(2) |
政府機関は、合衆国の政府の必要に適合するために、スペースシャトル、既存の合衆国の使い捨て型打上げ機編隊、及び打上げ場支援施設並びに射場能力を体系的に維持し、改良するための計画を実施する。当該計画は、既存のかつ計画中のミッションの必要及び新しい打上げ能力への投資に関して費用効果的であるものとする。 |
(3) |
この考えは、新しい宇宙打上げシステムの開発、追加のスペースシャトル・オービターの製造に向けて動いている。スペア部品の製造は、既存のシャトル編隊を支援し、かつ、オービターの滅失その他の実証可能な必要性がある場合に補充のオービターを得るという選択肢を維持するために短期的には継続すべきである。シャトルを温存して引き続き運用することによって、既存のオービターの信頼性及び寿命を増大するための措置を講ずることによって、及び、新しい打上げシステムを開発することによって、既存のオービター編隊の運用上の寿命が伸びる。スペースシャトルは、人の滞在その他の固有のシャトルの能力を必要とする、若しくは、シャトルの利用が国家の安全保障、外交政策、その他の不可避な目的のために重要であると決定される重要なミッションについてのみ利用される。 |
(4) |
合衆国政府は、合衆国の国家安全保障及び国家宇宙政策に従い、国防省の必要の余剰部分である、又は、その後、余剰部分となる弾道ミサイルの残余価値を回収するように努めることができる。宇宙打上げ機としての利用のために既に承認されたもの以外に、構成部分を含む、このミサイルの放出に先立って、国防省は、当該ミサイルについての代替措置の選択肢の評価を行い、国家宇宙会議及び国家安全保障会議は当該評価を再検討する。
措置の選択肢は、商業宇宙部門への経済的影響、競争促進、及び長期的な公益に妥当な考慮を払って、これらの合衆国の国家安全保障上及び外交政策上の利益、利用可能な機関の資金、国防産業ベースの考慮への適合性によって評価される。 |
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b. |
新しい宇宙打上げシステム
(1) |
国防省及び国家航空宇宙局は、民事上及び国家安全保障上の必要性に適合する新しい宇宙打上げシステムの共同開発を約束する。この打上げ計画の目標は、運用経費の削減及び打上げシステムの信頼性、即応性及びミッションの性能の改良により国の打上げ能力を大幅に改良することである。 |
(2) |
製造過程、及び製造並びに打上げ施設を含む、新しい打上げシステムは、中量級から重量級の範囲の打上げ性能の要件を支援し、かつ、諸要件が発展するのに伴い漸進的な変更を容易にするものとする。設計は、当初の性能を促進し、かつ、開発経費を削減するために、スペースシャトル及び既存の使い捨て型ロケットの双方の既存の構成部分を利用することができる。新しい打上げシステムは、当初は無人であるのに対して、将来は「有人飛行の安全性」を保障し得るものとする。 |
(3) |
新しい打上げシステムは、国防省及び国家航空宇宙局により共同で管理され、資金調達され、及び開発される。開発計画は、1999年の最初の飛行の目標に向けて短期的に組織化される。ただし、当該計画は、最初の飛行についていくつかの予定の選択肢を用意し、かつ、主要な中間の里程標を確認すべきである。新しい打上げシステムは、商業宇宙打上げ産業に著しい長期的な利益の機会を与えるので、政府機関は、合衆国の民間部門の参加の可能性を積極的に調査すべきである。最初の飛行の日付を含む、計画予定に関する最終的な決定は、当該時点での最新の要件及び技術的並びに予算的な検討に基づき、1993会計年度の期間中に行われる。共同計画のプランは、国防省及び国家航空宇宙局により準備され、かつ、国家宇宙会議により再検討される。 |
(4) |
国防省及び国家航空宇宙局は、ミッションの継続を保証し、かつ、衛星経費その他の移行経費を最小限にするために、選定された宇宙計画に関して、適切な里程標において既存の打上げシステムから新しい打上げシステムへの移行を立案する。 |
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c. |
宇宙打上げ技術
(1) |
新しい打上げシステムに焦点を絞った開発計画の実施に加えて、合衆国政府関係機関は、幅広い基礎に立った研究及び国家の宇宙打上げ能力の長期的改良を支援するために焦点を絞った技術計画を引き続き実施する。この技術上の作業は、打上げシステムの構成部分(例えば、エンジン、装備、構造、エビオニクス等)、上段部分、改良打上げプロセスの概念、先端打上げシステムの概念(例えば、国の航空宇宙機を含む単段での軌道投入の概念等)、及び実験的な飛行体計画を扱うものである。 |
(2) |
国防省、エネルギー省及び国家航空宇宙局は、宇宙打上げ技術の作業、及び、1991年12月1日までに10カ年宇宙打上げ技術プランを共同で準備する。 |
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d. |
商業宇宙打上げの検討
(1) |
政府の必要に取り組むのに加えて、宇宙打上げ能力を改良することで、合衆国の商業打上げ産業の競争力を促進することができる。合衆国の政府機関は、合衆国の宇宙政策に従い、商業宇宙打上げの必要を積極的に考慮し、かつ、これらを、次の方法で、既存の宇宙打上げ能力、新しい宇宙打上げシステムの開発、及び宇宙打上げ技術計画の実施に関する決定の要素の一つとする。
(a) |
合衆国政府が資金を供給した投資は、承認された予算及び合衆国政府の要件に合致しなければならない。 |
(b) |
合衆国政府機関は、宇宙打上げ関連能力を得るにあたって、次のことを行うべきである。
1) |
政府の必要に適合する打上げ機及び基盤施設を開発するにあたって、契約者に対し、実行可能な最大限度で、商業上の必要を適応させる柔軟性を許容すること。 |
2) |
低価格よりむしろ「最良の価値」、性能に基づく機能上の要件、商業的な生産、品質保証の基準及び技術、並びに商業的に提供される宇宙製品及び業務の利用に基づく調達戦略を重視すること。 |
3) |
合衆国打上げシステム及び施設の開発及び改良への商業的な、州及び地方政府の投資並びに参加を奨励すること。 |
4) |
政府の必要に適合する又は法令に基づく責任に適合するために必要な権利を除いて、技術データに係る権利の民間部門による保持の措置を講ずること。 |
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(c) |
合衆国政府機関は、適当な場合には、合衆国政府の必要及び経済的な競争に利益となり得る、産業チーム、コンソーシアム、経費分担、及び共同生産協定のような民間部門の取り決めの法律的な又は行政的な障害を取り除くように努めるべきである。当該政府機関はまた、宇宙輸送業務を購入する安定した長期的な誓約についての法律上の権限を求めるべきである。 |
(d) |
合衆国政府機関は、関係法令の枠内で、商業宇宙打上げの必要の確認及び商業宇宙打上げ活動を不必要に妨げる障害の除去を容易にするために産業界の諮問部会を利用するように奨励される。合衆国機関はまた、州及び地方政府との協議を奨励される。
(2)合衆国政府機関は、商業宇宙打上げの必要を積極的に検討するために、これらの指針を実施するための明示の規定を作成すべきである。当該政府機関は、適当な場合には、これらの規定に関する公式な見解を懇請すべきである。 |
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