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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第4章 宇宙活動の商業化及び商業宇宙活動の主たる目的―経済関係に係る特徴

第12条 宇宙活動の商業化及び商業宇宙活動の主たる目的

宇宙活動商業化の主たる目的は、次のとおりである。
国防及び連邦宇宙計画の利益のために使用されていない宇宙基盤施設の個別の部分を一定の条件の下に、非政府組織に賃貸する。
国有組織の参加した事業を含む商業宇宙プロジェクトを実施する。
国防の利益のために使用されていない個別の種類の宇宙製品を商業的に取引する。
ロシア連邦の安全を害することなく、国家経済部門における科学技術の成果及び技術を商業的な形で紹介する。
世界市場で、宇宙生産物についての活動を行う。


第13条 宇宙の探査及び利用の分野における対外経済商業活動の目的

1. 国際合意及び契約に基づいた宇宙の探査及び利用の分野における対外経済活動は、次のものを含む。
商業宇宙プロジェクトにより開発及び製造された非軍事的宇宙開発手段及び技術の販売。
ロシア連邦の防衛上及び国家安全保障上の利益のために使用されていない、ロケット及び宇宙産業に係るロシアの産業施設、地上実験施設、シミュレーション及び訓練施設の要素の賃貸を含む商業的利用。
国外からの注文に基づいた科学的研究及び開発活動の実施。
国外からの注文に基づいた商業宇宙施設の製造。
共同計画及び対外プロジェクトの枠組みの中で、商業的基礎に立つ、計画の立案、会合、調整その他の活動の実施。
外国宇宙機の準備、打上げ、及び飛行管制への商業的役務の提供。
ロシアの宇宙機及び軌道周回ステーションに搭乗する外国宇宙飛行士及び観光客の訓練及び飛行に関する商業的役務の提供。
安全保障に関する連邦政府機関が、当該機関が定める手続に従って合意した共同プロジェクトに関する国外での活動にロケット及び宇宙産業の専門家を商業的基礎に立って参加させる。
2. ロシアの法人及び自然人が、宇宙の探査及び利用の分野で対外経済商業活動をするためには、宇宙活動及び防衛に関する連邦政府の各機関の専門的な決定が必要である。
3. 宇宙活動及び防衛に関する連邦政府の各機関は、以下の形態で、宇宙の探査及び利用の分野での対外経済商業活動として、特別の国際宇宙組織及び企業の活動に参画することを認められる。
利潤を得る目的で、彼等のプロジェクトに資金を投資すること。
宇宙施設の開発と購入、その打上げ、及び運用に関し、当該組織及び企業に役務を提供すること。
 対外経済宇宙活動は、ロシア連邦の法律、ロシア連邦が締結した国際協定、及び外国貿易契約に従って実施される。
4. 宇宙の探査及び利用の分野での、対外経済活動を含むロシア連邦の商業活動に参加する外国法人及び自然人についての法制度は、ロシア連邦法により規律される。


第14条 財産権

ロシアの法人及び自然人の支出やこれらの者に財政資金による、国際的なものを含む商業的宇宙プロジェクトの実施期間中に開発された、宇宙施設、宇宙活動の成果、及び宇宙技術に対する財産権は、その配分率に応じ、当該ロシアの法人及び自然人に属する。
閣僚会議によって代表されるロシア連邦は、連邦の宇宙活動実施行政機関、防衛に関する連邦政府機関、関連するその他の連邦政府機関、及び商業的宇宙プロジェクトの実施に参画する(資金提供、資源の提供の点から)ロシア科学アカデミーに対し、商業宇宙プロジェクトの実施期間中に作り出された国家財産の所有、処分及び使用に関する権利をそれぞれの配分に応じ委託する。


第15条 宇宙開発手段についての財産権の実現

1. ロシア連邦は、連邦の宇宙活動実施行政機関が特定し、かつ国家財産管理に関する連邦行政機関が同意した条件の下で、非軍事的宇宙手段を契約の基礎に立って賃貸借し又は購入する権利をロシア及び国外の法人及び自然人に対し認める。ロシアの法人及び自然人が、軍・民両面で利用する宇宙開発手段を賃貸借したり、購入する手続は、防衛に関する連邦政府機関、国家財産管理に関する連邦政府機関、及び連邦の宇宙活動実施行政機関により特定される。宇宙開発手段の賃貸借に関する契約の署名に当って、外国の組織及び自然人がより好ましい契約条件を申し出る場合を除いて、ロシアの組織及び自然人に特恵が付与される。
2. 運用から外された国家所有の宇宙開発手段は、ロシア連邦の国家安全保障及びロシア連邦が締結した国際協定に反しない限り、ロシア及び外国の組織に、販売又は賃貸することができる。
 法人は、契約の基礎に立って、商業的な宇宙開発手段を利用する。
3. ロシアの法人及び自然人は、連邦宇宙計画の枠内で開発された商業的な宇宙開発手段を賃借したり購入する優先権を有する。
4. 国外で製造されかつ宇宙における打上げのために設計された、宇宙に関するハードウエア及びその要素は、一時的な輸入という基礎に立って、ロシア連邦領内へ移送される。


第16条 宇宙製品及び知的活動の成果の販売及び移転

1. 宇宙生産物は、ロシア連邦の安全保障を考慮し、また、ロシア連邦が締結した国際協定及び義務に合致するよう、販売されかつ移転される。
2. 国有組織による宇宙製品及び知的活動の成果は、商業プロジェクトの枠内で開発された宇宙製品と同様に、当該製品の所有者により、既存の法律に基づいた契約の基礎に立って、ロシアの他の組織に対し販売されかつ移転される。契約価格には、開発のための国家支出について合意された部分、及び、宇宙製品利用者の注文に直接関係する費用と同様に、宇宙開発手段及び宇宙基盤施設の減価及び消耗に対する償還が含まれる。
3. 宇宙技術及び知的活動の成果を含む、国有組織によって生み出された宇宙製品は、宇宙製品についてのロシア及び世界市場の状況を考慮して、交渉された価格により、いかなる差別もなく、商業上の組織及び人に販売されるものとする。
4. 法的に保護された宇宙技術の使用に関する条件は、ロシア連邦法及び一般的な法規に基づく。


第17条 商業宇宙活動の財源及び条件

1. 商業宇宙活動は、次の財源により行われる。
連邦の宇宙活動実施行政機関その他の連邦政府機関により定められる、科学的・社会的・経済的目的を持った宇宙技術の開発及び利用に係る非財政的資金。
ロシア宇宙基金。
ロシア及び共同の商業組織、及びロシア連邦の人民による投資。
外国による投資。
宇宙活動が国家的及び商業的基礎に立って行われる場合に、連邦宇宙計画についての割当額において特別に表示される支出予算。
2. 国家的及び商業的基礎に立って行われる商業宇宙活動についての支出予算額は、当該財政年度のための連邦財政法の、連邦の宇宙活動実施行政機関その他の連邦政府機関により定められる連邦目的の計画リストにおいて示される。
3. 商業宇宙プロジェクトは、連邦の必要のための製品の引き渡しに関する連邦法、並びに、協定及び契約において特定されるその他の一般法規及び文書に従って実行される。

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