注釈
この法案は、1995年2月23日の地政学委員会が開催した公聴会の後採択された、「ロシアの地政学的利益における宇宙及び宇宙産業の利用について」と題された連邦議会決議により設立された作業部会によって準備されたものである。関係する連邦政府機関、科学機関、及び企画開発組織の専門家が、この作業部会の活動に携わった。
世界中の多数の国の活発な宇宙活動を背景として発展してきたロシアの宇宙飛行部門の危機は、ロシアの国家安全保障に対する現実の脅威となっている。もし緊急の対策が執られなければ、ロシア連邦は、近い将来、宇宙についての潜在的な能力全体を失い、宇宙活動を実際かつ完全に縮小し、その結果、宇宙大国としての地位を失うであろう。
この危機の主たる原因は、宇宙活動に対する財政的援助の不十分さにある。ロシアの宇宙活動に対する現実の財政支出は、1989年から1995年の期間、ほとんど10回にわたり削減された。通信、テレビ放送、地球のリモートセンシング、及び基礎科学研究の分野の活動における容認し難い沈滞により、宇宙機と打上げ機の生産量及び打上げは減少し、国際的な義務を果たせなくなっている。宇宙産業は、その低賃金により、専門家の45%を失っている。今日では、宇宙に関するロシアの潜在能力の半分だけが、利用されている。通信とリモートセンシングに関しては、潜在能力の20%も利用されていない。
国の財政的援助が不十分な状態では、商業組織の投資と資本を誘引しなければ、国家宇宙計画の継続及び将来の発展は不可能である。
この新法は、宇宙活動の商業化、及び、様々な法人及び自然人の商業活動、並びに商業宇宙活動の組織化及び支援を目指した国家の政策体系の発展、宇宙活動への投資のための自己の資金の利用について私企業が有する関心に関連する諸問題を法的に規制するための仕組が必要であることに起因して立案された。この法案は、1996年から97年の国家代議員会の立法日程に含まれて、準備された。
次の必須条件が、法案準備のために用いられた。
―宇宙活動は、ロシア連邦の管轄権に属する。国際宇宙法によれば、法人―その法的及び組織的形態に関わりなく―、及び自然人による商業宇宙活動の結果に対し、国家は責任を負わなければならない。
―国家宇宙政策の実現に参画するに際し、国家は、商業宇宙活動の支援を含む宇宙計画及びプロジェクトの実現のために有効な手段を執らなければならない。
この商業宇宙活動法案は、商業宇宙開発手段、技術、活動成果の開発、製造、及び利用に関する問題の包括的解決、及び国の支援を含めて様々な役務を提供することを目指したものである。この法律により、宇宙活動及び防衛に関する連邦政府機関は、法人・自然人(外国のものを含む。)との規律された関係を確立することができるようになる。
連邦商業宇宙活動法の成立は、ロシアのロケットや宇宙産業の発展、宇宙に関する基盤施設の進展、及び宇宙基盤産業労働者の社会保障の改善に役立つであろう。
この法案の実現のために、連邦予算からの追加的支出は必要としない。
連邦商業宇宙活動法成立のために、既存の法律の廃棄、変更、又は改正は必要としない。
A.ミトロファノフ(署名)
国家代議員会 地政学委員会 委員長 |
この連邦法は、宇宙活動の商業化、商業宇宙活動、及びロシア連邦内において当該活動に参加する者の相互関係を法的に規律しようとするものである。
|