宇宙法 TOP
目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第2章 民間リモートセンシング・システムの免許交付

第201条 一般的な免許交付機関

(a) 省長官の免許交付の権限
(1) 省長官は、他の合衆国政府の関係機関との協議の上で、自ら定める期間、この章の規定に適合して、民間リモートセンシング宇宙システムを運用する免許を民間部門の当事者に交付する権限を有する。
(2) リモートセンシング、その他の目的のために利用される民間宇宙システムの場合に、省長官の権限は、この章に基づき、当該宇宙システムのリモートセンシングの運用のみに限定されるものとする。
(b) 法令、国際的な義務及び国家の安全保障への適合―申請者がこの法律、この法律に基づき制定される規則、及び合衆国の関連する国際的な義務並びに国家安全保障上の関心事の要件に従っていることを省長官が文書により決定しない限り、いかなる免許も省長官により交付されることはない。
(c) 申請に関する措置の期限―省長官は、申請を検討し、当該申請の受領の後120日以内にこれに係る決定を行う。最終的な措置がこの期間内に講じられない場合には、省長官は、係争中の事項及びこれらを解決するために必要な措置を通知するものとする。
(d) 拒否の不当な基礎―省長官は、既存の免許人を競争から保護するために、当該免許を拒否することはできない。
(e) 未処理のデータを提供する必要
(1) 省長官は、他の合衆国の関係機関と協議の上で、かつ、(2)に基づき、この章に基づき交付される免許の中で、第202条(b)(3)に基づき免許人が提供しなければならない未処理のデータを指定する。
(2) 省長官は、以下のことを決定した後、(1)に基づき、この指定を行うものとする。
(A) 当該データが、開発、製造、打上げ、又は運用に係る経費のすべての若しくは実質的な部分が合衆国政府により直接的に出資されてきた又は出資されるであろうシステムにより作成されること。
(B) 免許人に対する影響及び合衆国並びに外国のシステムからのリモートセンシング・データへの幅広いアクセスを促進する重要性を考慮した後に、第202条(b)(3)に従って免許人により提供されるデータを要求することが合衆国の利益であること。
(3) (1)に基づいて省長官により行われる指定は、合衆国政府機関及び免許人の間で締結される契約その他の取極に矛盾してはならないものとする。


第202条 運用条件

(a) 運用のために必要な免許
合衆国の管轄権及び管理権に従う何人も、直接に又は関連会社若しくは子会社を通じて、第201条に基づく免許なしに、民間リモートセンシング宇宙システムを運用することはできない。
(b) 免許交付の要件
この章に基づき交付される免許は、免許人がこの法律の要件に適合し、次のことを行う旨明記するものとする。
(1) 合衆国の国家の安全を保持し、第506条に従い、合衆国の国際的な義務を遵守するようにシステムを運用すること。
(2) 当該システムにより収集される、いずれかの国の政府(合衆国政府を含む。)の管轄権の下にある領域に関する未処理のデータが入手可能となる時において直ちに、かつ、合理的な条件で、このデータを当該政府に提供すること。
(3) 第201条(e)に基づき免許の中で省長官により指定される未処理のデータを第501条に従い提供すること。
(4) 免許に基づく運用の終了の際に、宇宙空間にある衛星を大統領が納得のいく方法で処理すること。
(5) 省長官にシステムの完全な軌道及びデータ収集の特性を提示し、かつ、その変更を直ちに通知すること。
(6) 省長官に免許人が外国、外国の団体、又は外国若しくは外国の団体を含むコンソーシアムと締結しようとしている協定を通知すること。
(c) ランドサット6号の契約者の免許交付の追加要件
(b)の要件に加えて、この章に基づきランドサット6号の契約者に交付される免許は、ランドサット6号の契約者が次のことを行う旨明記するものとする。
(1) 省長官に、ランドサット6号の契約者又は子会社若しくは関連会社により行われる(規則によって省長官が定義する。)付加価値活動を通知すること。
(2) 当該活動が行われる場合、省長官にこの法律の第501条に従うための計画を提示すること。


第203条 省長官の行政権限

(a) 任務
省長官は、この章に定める責任を履行するために、
(1) この法律に基づく免許を交付し、条件を付し、又は譲渡する。
(2) 免許人がこの法律のいずれかの規定、当該免許の条件又は制限、若しくは合衆国の国際的な義務又は国家の安全保障上の関心事に実質的に従っていない旨決定する場合には、この章に基づく免許を終了させ、修正し、又は停止し、かつ、免許を交付された活動を直ちに終了させるために免許人に対する対人管轄権を有する合衆国地方裁判所の強制命令又は類似の司法上の決定を求める。
(3) この章に基づいて交付される免許又は制定される規則の要件に従っていないことについて(それぞれ別個の違反を構成する当該免許又は規則に違反する各運用日につき)10,000ドルを越えない民事罰を含む刑罰を与える。
(4) 当該民事罰を示談にし、修正し、又は軽減する。
(5) この章に基づく聴聞を行うために資料、文書、又は記録のため、若しくは証人の出席及び証言のための召喚礼状を発する。
(6) 物品、記録、又は報告書が、この法律又は免許の要件若しくはそれらに基づき制定された規則に違反して、利用された、利用されている、若しくは利用される可能性があると信ずる相当な理由を提示することにより、治安判事の令状に従って、当該物品、記録又は報告書を押収する。
(7) この法律の執行に関する事項に関して、いずれかの者の調査、審理を行い、かつ宣誓させ、無宣誓証言させ、又は宣誓供述をとる。
(b) 機関の措置の再検討
申請者又は免許人は、(a)(1)、(a)(5)、(a)(7)、又は(a)(6)に基づく有害行為の再検討について適時に要請を行う場合には、当該有害行為に関する機関の聴聞の機会が与えられた後に公表される省長官による裁決についての権利を有する。この章に基づく省長官による最終措置は、合衆国法第5編第7章に基づく司法上の再審理に服する。


第204条 省長官の規則に係る権限

省長官は、この章を実施するための規則を制定する。当該規則は、合衆国法第5編第553条の規定に従って公式に表示され及び注解された後にのみ公布される。


第205条 機関の活動

(a) 免許の申請及び交付
民間部門の当事者は、宇宙空間で利用可能であるという基礎に立って、合衆国政府の民事用衛星又は宇宙機をリモートセンシング宇宙システムのプラットフォームとして利用する民間リモートセンシング宇宙システムを運用するための免許を申請することができる。省長官は、この章に基づき、当該システムがこのすべての条件及び下記の事項に適合する場合には、当該システムに免許を交付することができる。
(1) システム運用者が、政府に、随時、固定経費、プラットフォーム経費、データ送信経費、及び打上げ経費に係る合理的かつ比例した分担額を含む、当該利用に関して負担されたすべての関連経費を償還することに同意すること。及び、
(2) 当該利用が、当該民事プラットフォームにつき責任を有する機関により決定される、意図された政府の民事上のミッションを妨げないか又は別段に損なわないこと。
(b) 援助
省長官は、民間部門の当事者が当該利用のための適当な機会を見出すように援助することができる。
(c) 協定
いずれかの合衆国の政府機関は、歳出法により事前に規定される限度で、当該利用について協定を締結することができる。ただし、当該協定が当該機関の任務及び法律上の権限に適合し、かつ、当該リモートセンシング宇宙システムが、運用開始以前に省長官により免許を交付されていることを条件とする。
(d) 適用可能性
本条は第3章に基づき実施される活動には適用されない。
(e) F.C.C.(連邦通信委員会)の権限への効果
この章のいかなる規定も、1934年の通信法(47U.S.C.,151 et seq.)に基づく連邦通信委員会の権限に影響するものではない。

BACK English