1. ADEOS交換公文
(アメリカ側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本大臣は、日本国政府の「宇宙開発基本計画」の一部として日本国宇宙開発事業団(以下「NASDA」という。)によって遂行される地球観測プラットフォーム技術衛星(以下「ADEOS」という。)計画におけるアメリカ合衆国航空宇宙局(以下「NASA」という。)とNASDAとの間の協力に関し、アメリカ合衆国政府の代表者と日本国政府の代表者との間で最近行われた交渉に言及する光栄を有します。
宇宙空間の平和的探査及び利用の分野において両政府が相互に有益な関係を継続すること、並びに1988年6月20日に署名された科学及び技術の研究と発展における協力に関するアメリカ合衆国政府と日本国政府との間の協定を勘案することを考慮し、加えて、本大臣は、更に、次の取極をアメリカ合衆国政府に代わって提案する光栄を有します。
1. |
上記のNASA及びNASDAの協力は、NASAが提供する若干の機器を搭載してのADEOSの飛行及びNASAとNASDAとの間のデータ交換を規定するNASAとNASDAの間で合意された実施取極(了解覚書)の条件に従って行われる。 |
2. |
アメリカ合衆国政府及び日本国政府は、ADEOS計画に含まれる各自の財産(知的財産を除く。)に対する損傷又は滅失並びにその要員の傷害又は死亡に関して、当該損害、損傷又は滅失及び傷害又は死亡が悪意の行為によってではなく、当該協力活動によって生じる場合にのみ、他方の政府に対するいかなる賠償請求をも(代位請求を除いて)それぞれ放棄するものとする。本項は、平和目的での共同宇宙活動についての賠償責任の幅広い相互放棄を両政府の満足のいくように定める別個の協定が両政府間で効力を生ずる場合には、当該別個の協定により廃棄される。 |
3. |
日本国政府は、1975年1月14日にニューヨークで署名のため開放された宇宙物体登録条約に従ってADEOSを登録するものとする。 |
4. |
アメリカ合衆国政府と日本国政府は、1で言及された実施取極(了解覚書)(以下「MOU」という。)の規定に従った協力に関する技術データ及び物品の輸送を容易にするものとする。 |
5. |
この取極及びMOUは、それぞれの国の関係法令に従うものとする。協力に関する行為は、利用可能な予算に従って行われるものとする。 |
6. |
アメリカ合衆国政府及び日本国政府は、この取極から若しくはこの取極に関連して生じ得るいかなる事態に関してもMOUで定められた協議の仕組みが事態の解決に達しない場合は、相互に受け入れることができる解決策を見出すために互いに協議する。 |
7. |
この取極は、外交経路を通じた通告書により、その受領の日から6カ月後に一方の政府によって廃棄されるまで、5年間効力を有する。この取極は、両政府の文書による相互の合意によって延長及び修正することができる。 |
本大臣は、更に、前記の取極が日本国政府にとって受諾し得るものであるときは、この書簡及び閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとし、その合意が閣下の返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることを提案する栄光を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
1994年10月25日にワシントンにて
国務大臣 ウォーレン・M・クリストファー
アメリカ合衆国駐在 日本国大使 栗山忠和閣下
(日本側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本使は、本日付の閣下の次の書簡を受領したことを確認する栄光を有します。
(アメリカ側書簡)
本使は、更に、前記のことが日本国政府にとって受諾し得るものであることを日本国政府に代わって確認すると共に、閣下の書簡及びこの返簡がこの返簡の日付の日に効力を生ずる両政府間の合意を構成することに同意する栄光を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
1994年10月25日にワシントンにて
アメリカ合衆国駐在 日本国特命全権大使 栗山忠和
アメリカ合衆国国務大臣 ウォーレン・M・クリストファー閣下
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