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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

(2) ミンスク協定(1991年12月30日調印、発効)

 この協定の締約国は、
 共同体加盟国の発展のための宇宙科学及び技術の卓越した重要性に留意し、
 共同体加盟国の経済及び科学の利益ための効果的な宇宙研究及び開発の作業並びに防衛能力及び集団安全保障のための作業を結合させる必要を認識し、
 ソビエト社会主義共和国連邦により早い時期に締結された宇宙研究及び開発の分野における国際協定及び義務の厳格な遵守の必要を確認し、
 宇宙研究及び開発における共同活動に関する協定の採択がこの協定に署名する国の利益に役立つことを考慮して、
 以下のとおり協定した。
第1条 宇宙研究及び開発における共同活動は国家間計画に基づきこの協定の締約国により実施される。
第2条 国家間宇宙研究・開発計画の実施は国家間宇宙理事会が調整するものとする。この協定の締約国の任命された代表が当該理事会の憲章を起草する。理事会の憲章は政府首脳の決定により承認される。
この協定の参加国は宇宙研究及び開発についての独自の計画を実施することができる。
第3条 軍事並びに民事と軍事両方の目的を有する宇宙施設の区域での国家間宇宙研究・開発計画の実施は共同戦略軍により確保される。
第4条 国家間宇宙研究・開発計画は、この協定の締約国による均衡の取れた出資により資金を提供され、かつ、既存の宇宙複合施設及び宇宙基盤施設並びに新たに設置される宇宙施設を基礎として実施される。これらの施設は、バイコヌール及びプレセックの宇宙基地、技術的な打上げ及び着陸複合施設、ロケットの段の分離片が地上に落下する区域、宇宙飛行管制センター、宇宙飛行士訓練センター、調整・計算機複合施設、データ受信及び解析センター、兵器廠その他の施設を含む。
この協定の締約国の独自の計画を実施するこれらの基盤施設の利用は、関係締約国間の別個の協定により定められる。
第5条 経済的、科学的及び軍事目的での既存のシステムの運用経費及び新たな宇宙システムの設立経費、単一の試験基地の維持費、並びに商業ベースで実施される宇宙プロジェクト及び宇宙装備の打上げから得られる利益は、この協定の締約国間で比例配分される。
この協定の締約国は、特別協定に定める条件及び手続に従い、宇宙研究及び開発活動における自国の活動について責任を有する。
第6条 この協定の締約国は、既存の国際法規範に従い、宇宙研究及び開発における活動を展開し、かつ、宇宙研究及び開発に関する国際法上の問題を解決することを目的とした自国の活動を調整することを約束する。
第7条 この協定の締約国は、宇宙研究・開発、及び施設、領域、物資及びエネルギー資源の提供、並びに宇宙装備の利用に関連する損害の補償についての国家間計画の比例出資の割当手続を定め、かつ、一又はすべての締約国によるこの協定の終了手続に関係する、相互に合意された諸決定を行うことを約束する。
第8条 この協定の締約国は、必要な物的及び技術的資源と共に国家間宇宙研究・開発計画の実施に関連する要員及び施設を提供し、法令に基づく支払いを行い、税金を支払い、また社会福祉の問題を処理することを約束する。
この協定の締約国はまた、1992年に開始する国家予算を作成する際に、国家間計画の実施のために必要な資金を充当するための措置を講ずることを約束する。
第9条 この協定の締約国は、宇宙基盤施設における便宜並びに専門職員を提供するためにより高度な教育的、科学的研究施設及び科学アカデミーにおける有能な専門家の育成を目標とすることを約束する。
第10条 この協定の締約国は、自国の領域にある宇宙基盤施設において宇宙センター及び施設の通常の機能の停止(障害)を伴う決定を行い又はそのような活動を行ってはならない。
これらの諸国は、採択される国家計画の枠内で、ロケット技術の企画、製造、試験及び開発のための既存の科学上、技術上及び産業上の潜在力を保持し及び開発することを約束する。
第11条 この協定は署名と同時に効力を生ずる。

 1992年12月30日にミンスク市でこの協定の参加国の国語で本書一通を作成した。
 本書は白ロシア共和国が保管し、この協定の参加国に認証謄本を送付する。
(署名省略)

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