1. |
この実施協定に定める協力は、1992年6月17日のアメリカ合衆国及びロシア連邦の間の平和目的のための宇宙空間の探査及び利用における協力に関する協定(以下「1992年6月17日の協定」という。)に従い行われるものとする。 |
2. |
ロシアの経験を有する宇宙飛行士は、現在1993年11月に予定されているSTS-60ミッションでスペース・シャトルに搭乗し、飛行する。当該宇宙飛行士は、オービターの乗員の完全な一員であり、ミッション専門家として、シャトル・システム、飛行活動、及び既存のシャトルの慣例に従い積荷目録に記載された搭載物の手続の訓練を受ける。 |
3. |
RSAは、STS-60スペース・シャトル・ミッションのための候補として二人の宇宙飛行士を指名し、NASAはこれらの候補を承認する。第4条に基づき、二人の宇宙飛行士のうち一人が、ロシア派遣の主たる乗員に任命され、他の一人は予備乗員に任命される。両乗員は、STS-60の乗員が専用ミッションの訓練を開始するまで、ミッション専門宇宙飛行士としての訓練を受ける。この時点から、予備乗員は実施可能な限り多くの訓練を受ける。二人のロシア宇宙飛行士は、テキサス州ヒューストンにあるジョンソン宇宙センターに1992年10月に到着するように予定される。彼らの姓名、経験及び経歴が、訓練開始に先立ち、RSAによりNASAに提供される。 |
4. |
NASAの経験を有する宇宙飛行士は、様々な活動及び実験に完全な乗員の一員として参加する、完全な長期(例えば90日以上)間にわたる乗員としてミール宇宙ステーションで飛行する。この飛行の時期は、1994年又は1995年のシャトル・ドッキング飛行に合致する。アメリカの宇宙飛行士は、ソユーズ輸送システムによりミールまで飛行する。科学、特に生命科学、並びにエンジニアリング及び運用上の目標が特に重視される。長期間の飛行に先立つ、長期の飛行期間中の及び長期間の飛行後のアメリカの宇宙飛行士及びロシアの宇宙飛行士の参加がすべての飛行目標を達成するために重視される。 |
5. |
NASAは、スペース・シャトルとミールのランデブー及びドッキングに関連して生ずる長期間(例えば90日以上)のミールによるミッションのための候補として二人の宇宙飛行士を指命し、RSAはこれらの候補を承認する。第4条に従い、二人の宇宙飛行士のうち一人は、主たる合衆国派遣の乗員に任命され、他の一人は、予備乗員に任命される。両乗員は、ロシアの乗員と共に完全なロシア宇宙飛行士としての訓練を受ける。
二人の宇宙飛行士は、合意された飛行の日付に先立つ12カ月以内に訓練を開始するように予定される。これらの宇宙飛行士は合衆国市民でなければならず、その姓名、経験及び経歴は、訓練開始に先立つ1カ月以内にNASAによりRSAに提供される。 |
6. |
スペース・シャトルは、ミールに搭乗するNASAの宇宙飛行士の飛行に関連してミールとランデブー及びドッキングを行う。NASAは、ミールに搭乗する二人のロシアの宇宙飛行士を交替させるために、二人のロシアの宇宙飛行士をシャトルで輸送する。これらのロシアの宇宙飛行士の訓練は、この実施協定の第5条に従って行われる。ミールに90日以上搭乗したNASAの宇宙飛行士及び二人のロシアの宇宙飛行士に関係する生命科学の実験はシャトルがミールにドッキングすると同時に行われる。90日以上ミールに搭乗したNASAの宇宙飛行士及び二人のロシアの宇宙飛行士は飛行後も継続する生命科学の実験のためにシャトルで帰還する。 |
7. |
共同実施班は、ミール・ランデブーの下準備となる技術的な討議の一部として、1992年6月17日の協定及びこの実施協定に基づき、NPOエネルギア社により開発された両用周辺ドッキング組立て部品の使用を調査する。(NPOエネルギアは、この使用が技術的に実施可能であると思われる場合には、この機器又はその派生機器をシャトルに提供し、修正し又は統合するために、一のアメリカ企業と別個の契約を締結する。) |
8. |
共同実施班はまた、ミールの乗員の交換、実験及び補給装備の輸送、船外活動(EVA)を考慮し、1992年6月17日の協定及びこの実施協定に基づき、各当事者の責任を定める。共同実施班は、装備に損傷を生じさせ又はシャトル―ミール計画の実施期間中要員に傷害を生じさせる災害の場合の調査、協議、及びデータの交換についての手続を含む不測事態への対応計画を共同で作成する。 |
9. |
各当事者は、1992年6月17日の協定に基づき、自国の国内法令に従いかつ利用可能な予算に従い、自己の責任を果たすための経費の支払について責任を有する。受け入れ国は、すべての訓練、国内旅行並びに生活の手配、各当事者の搭乗員並びにその扶養家族の飛行機旅行に係る経費及びその他の関連経費を、適当と考える方法で、自己の飛行要員に与えられる基準で、負担する。 |