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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

(3) 経済・技術協力に関するアメリカ―ロシア共同委員会による宇宙基地協力に関する共同声明
(1994年6月23日署名)

 アメリカ合衆国政府及びロシア連邦政府は、1992年6月17日のアメリカ合衆国及びロシア連邦の間の平和目的のための宇宙空間の探査及び利用における協力に関する協定及び1993年12月15日から16日にかけてモスクワにおいて会合した経済、技術協力に関するアメリカ―ロシア共同委員会で達した了解に基づき、深い満足をもって、有人宇宙飛行における協力を拡大するための共同作業において現在まで行われた多大なる進歩に留意する。
 合衆国政府及びロシア連邦政府は、宇宙空間における協力を強化する相互の希望を促進するために、1993年12月の共同委員会会合以来共同で達成した以下の里程標に留意する。
 1994年1月から4月にかけての期間。ロシアのドッキング・モジュールのモデルが合衆国における試験のために受領され、合衆国のソーラー・アレイの構成部分が共同開発計画の一部としてロシアに輸送され、合衆国の科学装備が、プログレスで打上げられ、ロシアのミール宇宙ステーションのスペクトル実験室に統合されるためにロシアに輸送された。
 1994年2月。合衆国のスペースシャトルに搭乗する最初のロシア人宇宙飛行士の飛行が行われた。飛行の準備は、第2番目のロシア人宇宙飛行士をシャトルで飛行させるための飛行の準備が進行中である。
 1994年3月。二人の合衆国の宇宙飛行士が1995年初頭のミール宇宙ステーションでのミッションのためにロシアの「星の街」で訓練を開始した。
 1994年3月。すべての宇宙基地の参加主体及びロシアの参加を含む主要な計画の里程標たる宇宙基地システムの設計の再検討が成功裡に完了した。
 1994年4月。1988年の宇宙基地政府間協定を改正する議定書に関する公式の政府レベルでの交渉がロシアの参加により開始された。
 1994年6月。1995年5月のシャトル―ミール・ドッキング・ミッションの準備のために、共同乗員訓練がテキサス、ヒューストンのジョンソン宇宙センターで、完了した。
 1994年6月23日。NASA及びRSA(ロシア宇宙庁)の間の暫定協定が調印された。当該協定は、1988年の宇宙基地政府間協定の議定書の締結まで国際宇宙基地活動へのRSAの参加を措置する。
 1994年6月23日。シャトル―ミールの活動及び早期の国際宇宙基地組立て段階の期間中提供される4億ドルの物品及び業務についての最終的な契約協定が、NASA及びRSAの間で調印された。資金は、合衆国―ロシア有人宇宙飛行計画の枠内での共同科学研究を行うために提供される。
 合衆国政府及びロシア政府は、統合宇宙基地を開発し、かつ、国際宇宙基地にロシアを完全な参加主体として含めるための過程を迅速にするための確固たる誓約を表明する。この点に関して、両政府は、自国の関係機関に政府間協定の議定書及び宇宙基地協力に関するNASA及びRSAの間の了解覚書を締結するように引き続き努力するよう指示した。両政府はまた、NASA及びRSAが当該計画を実施するための作業を強化するよう指示した。NASA及びRSAは、1994年9月までに、テキサス州ヒューストン及びモスクワに各々の連絡事務所を設置するための取極を完了する。
 両宇宙機関は、2月にミール宇宙基地の周囲を飛行するシャトル・ミッション、3月に合同の乗員が搭乗するロシアのソユーズ宇宙船のミール宇宙基地に向けての打上げ、及び5月から6月のスペース・シャトルとミール宇宙基地との最初のドッキングを含む、1995年初頭の共同ミッションの準備を完了する決意を再確認した。NASA及びRSAは、1994年8月31日までに最高レベルの技術文書の完成、1994年9月の増加設計再検討の完了、及び1995年3月の批判的な設計の再検討を含む1997年11月の宇宙基地の最初の要素の打上げ達成に必要なすべての里程標に適合する決意を再確認した。
 二国間協力を実施するにあたって、両国政府は、産業対産業協力を奨励する。例えば、合衆国企業及びロシア企業は、ロシアが開発した将来のミールへのシャトル・ミッションの際のドッキング・メカニズムを利用するためにシャトル・オービターに加える変更に関する作業を協力して行う。更に、国際宇宙基地上で誘導、航行及び再ブーストに使用されるFGBエネルギー・ブロックは、合衆国企業及びロシア企業の間の契約取極により調達される。
 科学的な利用の分野では、合衆国政府及びロシア政府は、若干の重要な里程標が1993年12月の共同委員会の会合以来達成されたことに満足をもって留意する。
 宇宙生理学、生命支援システム及び微小重力科学に関する合衆国及びロシア共同作業部会は1994年3月にモスクワで会合し、国際宇宙基地に関する研究を含む、有人及び自動宇宙飛行を含む軌道上での研究における協力を将来的に向上させるための各当事国の科学界の間の戦略的立案及び調整の分野を含める作業を拡大することに合意した。
 1992年の有人宇宙飛行協定に基づき設立された共同ミッション科学作業部会は1994年4月にモスクワで会合し、国際宇宙基地計画の第一段階として、次のシャトル―ミール・ミッションのための生命科学及び微小重力科学並びに応用の分野において立案された共同研究の全体的な計画の定義に関して継続して作業を行った。
 合衆国政府及びロシア政府は、合衆国及びロシアの間の有人宇宙協力を拡大し、かつ、国際宇宙基地へのロシアの完全な参加のための基礎を置くためにこれまでに行われた作業に満足する。合衆国政府及びロシア政府はこの歴史的な作業を引き続き行うことを誓約する。
(署名省略)

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