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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

(3) 宇宙計画に基づき宇宙基盤施設を保持し、使用する措置に関するタシケント協定
(1992年5月15日)

 この協定の締約国は、
 宇宙空間の探査及び利用における共同活動に関する1991年12月30日の協定、戦略軍に関する1991年12月30日の協定及び戦略軍の地位に関する1992年2月14日の協定を指針とし、
 経済、科学及び国際協力のための宇宙空間の効果的な探査及び利用の目的で共通の宇宙基盤施設を維持し及び開発する必要を認め、
 宇宙基盤施設が独立国家共同体(以下「CIS」という。)の加盟国の努力を結集することにより創設されることを承認し、
 CISの加盟国の立法行為に基づき手続し、
 次のとおり協定した。
第1条 アゼルバイジャン共和国、白ロシア共和国、カザフスタン共和国、ロシア連邦、トルクメニスタン共和国、ウズベクスタン共和国、ウクライナ共和国の領域にある宇宙基盤施設(バイコヌール及びプレセック宇宙センター、技術、打上げ及び着陸複合施設、打上げ機残骸落下区域、宇宙飛行管制センター、宇宙飛行士訓練センター、遠隔測定基地、データ受信及びコンピューター処理センター、兵器廠その他の施設)は、これらの国の財産である。
不動産の場合に、これらの施設を使用する権利、又は動産の場合に、これらを使用し及び所有する権利は、特別協定により、CIS戦略軍(宇宙資源部、以下「DSR」という。)又は他の締約国に譲渡される。
国家間宇宙理事会は、国家間の及び独自の宇宙空間の探査及び利用計画の履行にあたって、宇宙基盤施設の利用を調整する。
第2条 宇宙基盤施設に関する社会経費を含む、宇宙基盤施設を保持し及び運用するための経費は、CIS戦略軍(DSR)の資金及び予算に計上されない資金からの、この協定の締約国による比例分担金により出資される。
前項の目的での出資の水準及び割当に関する提案は、CIS戦略軍(DSR)によって立案され、かつ、この協定の関連締約国の地方自治体による福祉の面に関する承認に従い、国家間宇宙理事会に提出される。
国家間宇宙理事会はこれらの提案を検討し、各国の法律に基づく土地保有権の賃貸料を考慮して出資の水準を決定し、かつ、CISの首脳理事会に宇宙基盤施設の保持・使用案を提出する。
第3条 CIS戦略軍(DSR)は、この協定の第2条に定める出資割当の承認に基づき、技術上の製産施設並びに又当該資金を使用する宇宙基盤施設に関連する福祉施設の保持及び運用について責任を有する。
福祉施設の出資水準の変更は、この協定の関連締約国の地方自治体により合意されるものとする。
第4条 宇宙基盤施設の建物及び施設を使用する宇宙目的でのロケットの打上げの通告は、CIS戦略軍(DSR)及びこの協定の締約国政府の間で合意される基礎に基づいて、CIS戦略軍(DSR)により行われる。
第5条 宇宙基盤施設の施設及び建物の通常の運用手続の違反から生ずる宇宙計画の履行に関する損害の補償は、責任を有する締約国により、被害を被った国に対して行われる。補償金額は、国家間宇宙理事会の支援により、この協定の締約国が設置する特別多数国間委員会により決定される。同委員会は、宇宙活動に関して、宇宙物体により引き起こされる損害についての国際責任に関する条約の規定を指針とする。
第6条 この協定の締約国は、合意される限度で、すべての種類の宇宙活動に関する相互利益を有する必要な情報を通知し及び交換すること、かつ、他の場合には、当該情報を公開しないことを約束する。
第7条 この協定はその署名のときから効力を生ずる。

 1992年5月15日にロシア語を正文として本書一通を作成した。
 正文は白ロシア共和国政府に寄託する。同政府は、この条約の認証謄本をこの協定の署名国に送付するものとする。
(署名省略)

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