H-I ロケットは、N-I ロケット及びN-II ロケットの開発の成果を受け、80年代後半におけるわが国の衛星打ち上げ需要に応えることを目的とした3段式ロケットです。第1段及び固体補助ロケットはN-II ロケットと同じものを使用しましたが、第2段エンジン(LE-5)及び推進系、第3段固体ロケットモータ、慣性誘導装置を自主技術により開発して採用しました。
H-I ロケットは1986年から1992年の間に9機の打ち上げ実績をもってミッションを終了しましたが、H-I ロケットの開発を通じて培われた技術は H-II ロケットの開発に活かされています。
全長 | 40.30m |
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外径 | 2.49m(第2段) |
全備重量 | 139.3トン(人工衛星は含まない) |
誘導方式 | 慣性誘導方式 |
号機 | 打ち上げ日 | ベイロード |
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試験機 1号機 (H15F) |
1986/8/13 | H-Iロケット(2段式)の性能確認 測地実験衛星「あじさい」(EGS) 磁気軸受フライホイール実験装置「じんだい」(MABES) アマチュア衛星「ふじ1号」(JAS-1) |
試験機 2号機 (H17F) |
1987/8/27 | H-Iロケット(3段式)試験機の性能確認 技術試験衛星V型「きく5号」(ETS-V) |
3号機 (H18F) |
1988/2/19 | 実験用静止通信衛星3号a「さくら3号a」(CS-3a) |
4号機 (H19F) |
1988/9/16 | 実験用静止通信衛星3号b「さくら3号b」(CS-3b) |
5号機 (H20F) |
1989/9/6 | 静止気象衛星4号「ひまわり4号」(GMS-4) |
6号機 (H21F) |
1990/2/7 | 海洋観測衛星1号b「もも1号b」(MOS-1b) 伸展展開機能実験ペイロード「おりづる」(DEBUT) アマチュア衛星1号-b「ふじ2号(JAS-1b)」 |
7号機 (H22F) |
1990/8/28 | 放送衛星3号a「ゆり3号a」(BS3a) |
8号機 (H23F) |
1991/8/25 | 放送衛星3号b「ゆり3号b」(BS3b) |
9号機 (H24F) |
1992/2/11 | 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1) |