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平成26年10月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見 奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成26年10月17日(金) 11:00-11:20
場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム
司会:広報部長 上垣内茂樹

冒頭挨拶

 9月の終わりにカナダのトロントで第65回国際宇宙会議(IAC)が開催され、私も参加しましたので、そのご報告をしたいと思います。
 IACでは、各宇宙機関の長による会議(機関長会議)があり、私からもJAXAのこの1年の活動報告および今後のイベントについてお話をしました。また、日本が新たな宇宙基本計画を策定する予定である事を報告しています。
 IACには、多くの宇宙機関の長が参加されていますので、アメリカ航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)等の宇宙機関の長との個別の会談を行いました。会談では相互での協力案件や課題等について意見交換を行いました。 
 また、国際宇宙ステーション(ISS)参加機関には、ISSの具体的成果を出して、ステークホルダにISSの意義を理解していただく活動を世界的に行ってはどうかとの提案を行い、賛同を得ることができました。
 なお、JAXA樋口副理事長が国際宇宙航行連盟(IAF)の会長として再選され、更に今後2年間、会長を務めることとなりました。

 10月10日にベトナムのグエン・スアン・フック副首相、ベトナム科学技術院(VAST)のチャウ・バン・ミン院長以下、政府閣僚等の方々が筑波宇宙センターをご視察されました。JAXAからは私と樋口副理事長以下がお迎えしました。
 グエン・スアン・フック副首相からは、これまでのJAXAの協力に対する感謝のお言葉がありました。また、JAXA、VAST間での、協力促進を確認する文書について署名を行いました。今後、日本とアジアをはじめとする各国との連携を深めていく重要なステップになると思っています。

 JAXAは、アジア開発銀行との共同で、バングラディシュ、フィリピン、ベトナムの現地機関とともに、しずく(GCOM-W)、GPM/DPRやひまわりのデータからJAXAが作成・提供している衛星全球降水マップ(GSMaP)データを用いた洪水警報システムの導入に取り組んでいましたが、バングラディッシュでの導入がほぼ完了し、8月下旬にパイロット試験として、現地住民を対象とした避難訓練を行いました。避難訓練では、現地機関より洪水予測情報を地域住民の携帯電話にSMSメッセージで送信し、地域政府の意思決定プロセス・避難誘導と住民の避難訓練を行いました。衛星データを用いた洪水予測情報と、携帯メッセージの導入によって、現地住民への情報伝達が、数日早くなったとの報告を受けております。これを受け、11月末には、バングラディシュの首都ダッカで、プロジェクトの最終ワークショップを開催予定です。同じようにこの仕組みでフィリピンでも導入が進んでおりますので、近いうちに現地での実験を計画しております。
 JAXAは、今後この様な活動を通じてアジア諸国の防災への協力を行っていきます。

トピックス

I. 「きぼう」での高品質タンパク質結晶生成実験の募集を開始
II. 「きぼう」超小型衛星放出の有償利用の仕組みを活用したブラジルの衛星が日本に搬入
III. 高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET)フライト品の筑波宇宙センター搬入
IV. 若田宇宙飛行士 ISS長期滞在ミッション報告会(地方:秋季分)

I. 「きぼう」での高品質タンパク質結晶生成実験の募集を開始

 今回、製薬メーカーから有償での利用を前提としたお申し込みがありました。現在、契約条件等の詰めを行っており、詳細が決まり次第WEB等でご案内する予定です。
 これまで有償利用を含め、「きぼう」を様々な産業の方々に広く利用していただくという基本的な方針を推進してきたところですが、今回、タンパク質結晶生成実験としては民間企業が有償で利用する初めてのケースとなります。

II. 「きぼう」超小型衛星放出の有償利用の仕組みを活用したブラジルの衛星が日本に搬入

 今年の4月に試行開始した有償利用の仕組みを通じて、ISSから放出される超小型衛星の1機が今月末に筑波宇宙センターに納入され、早ければ年内にISSに向けて打上げ予定です。
 この衛星は、ブラジルの宇宙機関の超小型衛星で、今年の7月にJAXAと有人宇宙システム(株)間で締結した契約に基づき、JAXAが「きぼう」から放出するものです。
 先のタンパク質結晶生成実験と同じく、「きぼう」有償利用の仕組みを提供することで、民間企業の利用が広がることは大変喜ばしいことです。

III.高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET)フライト品の筑波宇宙センター搬入

 高エネルギー電子、ガンマ線などの観測を行うことにより、宇宙線の起源、暗黒物質の正体解明を行うことを目的とした、高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET)のフライト品が筑波宇宙センターに搬入されました。引き続き、筑波宇宙センターで、フライト品の機能試験を行う予定です。
 「きぼう」船外曝露部については、現在運用中の全天X線監視装置(MAXI)などが成果を挙げていますが、この様に「きぼう」の特徴である船外曝露部を有効に使い色々な意味で価値を上げていく努力を行っています。

IV.若田宇宙飛行士 ISS長期滞在ミッション報告会(地方:秋季分)

 若田宇宙飛行士がミッション報告会と表敬等のために帰国します。ミッション報告会の実施予定は以下の通りです。

日程 主催団体 開催地
10月25日(土) 北海道情報大学 北海道江別市
10月26日(日) 富山県ものづくり魅力体験事業実行委員会 富山県富山市
11月2日(日) 国立大学法人琉球大学 沖縄県西原町

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