寄附金の種類
JAXAでは3種類の寄附金を用意しています。寄附者は個人、法人を問いません。
「宇宙の始まり、太陽系の起源、生命惑星地球」世界最先端の宇宙科学に寄附
©JAXA |
宇宙科学研究所では、小惑星探査機「はやぶさ2」をはじめとするたくさんの科学衛星・探査機が活躍しています。2023年には世界最高性能のX線分光観測衛星「XRISM」を打ち上げ、定常運用を開始し、世界的な成果を創出し始めています。 |
---|
©JAXA |
Profile 菅原 春菜 (宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 特任助教、地球外物質研究グループ、MMXプロジェクト併任) |
---|
—研究内容について教えてください。
有機分子がいつ、どこで、どのように進化して地球上での生命誕生に至ったのか、また、地球外に生命は存在するのか?その問いに答えるため、隕石のような地球上で手に入る地球外物質や星間分子雲を模擬した環境で作成した星間氷模擬物質などを分析しています。また、将来的にはこの分析技術を生かし、はやぶさ2 や火星衛星探査計画(MMX) のリターンサンプルの分析を行うため、日々、分析法の開発に取り組んでいます。
—はやぶさ2等が持って帰ってくる星のかけらを分析するのですね!今はどんな試料を使って研究しているのですか?
はやぶさ2が行ったリュウグウという小惑星は、有機物の多いC型小惑星という天体なので、現在はC型小惑星と関連があるとされる隕石を模擬物質として分析しています。あとは太陽系ができる前の星間分子雲、例えばオリオン座大星雲のような環境では鉱物の周りに氷ができて、そこに紫外線や宇宙線が当たり、氷の中で様々な有機物ができることが分かっています。その生成プロセスを明らかにするため、実験室で星間分子雲と同じような環境を作り、有機物がどうやって進化し、地球にたどり着いたのかを研究しています。
—有機物の進化過程から、どんなことが分かりますか?
有機物がないと生命は生まれません。よって、有機物がどこから来たかが分かれば、①地球生命の起源だけでなく②地球外生命の存在が分かるかもしれません。というのも、他の天体にも有機物を含む隕石や彗星は運ばれている可能性があるので、それぞれの地で有機物が化学進化し、生命体にまで進化している可能性があるのです。特に、私は火星衛星フォボスから試料を持ち帰ることを計画しているMMXのリターンサンプルの分析計画の策定に関わっています。火星圏からのサンプルリターンは人類初なので、リターンサンプルの中に何が入っているか分析するのが今からすごく楽しみです。
—MMXというと地球帰還は2029年の予定ですね。意気込みを聞かせてください。
MMXリターンサンプルの分析から未だ決着の着いていない火星衛星の起源や火星圏での水や有機物の輸送プロセスについての重要な知見が得られると考えています。これだけでも本当に素晴らしいのですが、さらにMMXが向かうフォボスという衛星には火星から運ばれてきた試料が存在する可能性が示唆されています。ここからは完全に夢物語ですが、ラッキーが重なれば火星生命の痕跡が見つかるかもしれません!しかも、MMXはNASAなどの探査機よりも早く地球に帰ってくるので、日本が世界で一番に地球外生命を発見できるかも!などと考え、リターンサンプルを手にする日を今から心待ちにしています。もちろん生命の痕跡が入っていようと、いまいと、ワクワクしていることに変わりはありません。
—未知の物質の分析って、すごく難しそうです。
はい、分析法の開発には学生の頃から関わっていますが、時に何百回も失敗が続き、先がまったく見えないこともあります。というのも、隕石の中には地球上の物質とは異なるような多種多様な有機分子が含まれており、有機分子の種類が多ければ多いほど有機分子を分離して分析するのが大変になります。MMXの持って帰ってくるサンプルもおそらくすごく困難になるのではないかと予想していますが、失敗を重ねることで理解が進み、成功に繋がっていくので、サンプルが帰ってくるまでにしっかり準備していきたいです。
—分析方法が見つかったときには、相当やりがいを感じるのでしょうね。
未知の分子や新たな化学反応の発見のためには、日々、世界最先端の分析技術を磨き続けることが重要です。研究者それぞれに個性や得意分野があり、ものによっては世界中で自分にしか分析できない、という職人技のような側面もあります。自分の技が科学の大きな進歩につながるのは、最高に面白いです!
—集まりました寄附金はどのように使われるのでしょうか?
太陽系の探査はこれまで物理学的な探査が多かったのですが、今後は化学的/生物学的探査も大きなウエイトを占めるようになると考えています。JAXAでも、MMXが目指す火星圏のほか、木星圏や土星圏、さらにその先を目指していきたいのですが、世界的には技術はまだまだ遅れているほうです。特に火星より先の天体は往復に時間がかかるため、探査機に搭載した科学機器を使って探査天体上でその場分析を行い、いち早くデータを得ることも重要です。寄附金が集まりましたら、MMXなどのリターンサンプルの分析だけでなく、このような探査機に搭載する分析装置の開発にも使いたいです。
—最後に、寄附者の皆様にメッセージをお願いします。
いつもJAXAに温かいご支援やご声援をいただき、心から感謝申し上げます。皆様からのご支援は私たち研究者にとっては大変心強く、大きな励みになっています。これからも皆様の思いを胸に、太陽系、そしてさらにその先を目指して今後も頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします。
(取材日:2020年9月)
- NASAのスペースシャトルのチャレンジャー号について調べていて、この寄付サイトにたどり着きました。困難にも負けずに、前向きに、全人類のために、宇宙開発されることを願って、少額ですが寄付させていただきます。
- 最先端の激務の中、自ら発信をして下さる熱意に感謝しています。最先端の科学技術はどうしても理解に遠く縁遠く感じることもありますが、熱意は私のような素人にもしっかりわかります。応援でお応えできればと思っています。
- はやぶさ2帰還1周年おめでとうございます。はやぶさ2、みおなど、人類に宝をもたらすために遥かな旅に出た子どもたちのために、お小遣いからちょっぴりですがお役立てください。
- 生きている間に、民間人が気軽に宇宙へ旅立てること夢見て。それを達成できるよう、ささやかながら応援します。
- わずかな支援ではありますが宇宙との繋がりを通して、人類が良い方向に向かうよう陰ながら願っております。
- 宇宙に関する研究開発に大変興味があります。子供たちの教育のためにも大変有益なことだと思っています。少しですが応援の気持ちを込めて寄付します。
- 成り立ちを含め、我々の棲む宇宙の様々な事が判明する時代に生まれて心底良かったと思っています。DECIGOやLiteBIRDの実現と成功を願っています。少額ですが、研究を助ける一助になれば幸いです。
- JAXAで宇宙に挑戦しているすべての人々に尊敬と憧れをこめて。
- 応援しています。宇宙からの便り、待っています。
- 「最先端技術」この言葉は、やっぱり日本が一番似合っている言葉だと思います!小さな事しか出来ませんが一緒にプロジェクトに参加しているつもりでこれからの活躍を応援していきたいと思います!
- 小さなころから宇宙が好きでした。このような形で宇宙開発の力になれるのは嬉しいです。私の子供の頃からの『夢』を皆様に託します。頑張ってください!
- 欧米と肩を並べて日本が誇れる事業は宇宙科学研究だと思います。ここを延ばし成果をあげていく事は子供たちが日本は希望ある誇れる国と思える事につながるのではないでしょうか。また、宇宙科学研究が謎を解いていく事でもっと未知の世界を知り、覗いてみたいです。
- "今"だけではなく未来のために,また,夢をつくるためにガンバってください。
- 人類永遠のテーマ、宇宙の謎。私が生きている間に後どれくらい解明されるのだろうか。壮大な夢を与えてくださり感謝しております。
- 宇宙の謎を解き明かすことは生命の真の価値を知れることにつながると考えています。微々たる金額ですがほんの少しでも協力できればと思います。常に活動を応援しています。
- あかつきチームを応援します。
- 水星探査機「みお」には大きな夢を見させてもらっています。広い宇宙の解明の手助けになれれば幸いです。
- 元天文部員です。JUICEのサイトで学生時代のワクワクを思い出し、微力ながら応援いたします。基礎・応用問わず、宇宙研究にお役立ていただけると嬉しいです。
など