寄附金の種類 「宇宙機にレーザ反射器(Mt.FUJI)をとりつけて追跡しやすくしよう」に寄附

寄附金の種類

JAXAでは3種類の寄附金を用意しています。寄附者は個人、法人を問いません。

「宇宙機にレーザ反射器(Mt.FUJI)をとりつけて追跡しやすくしよう」に寄附

「宇宙機にレーザ反射器(Mt.FUJI)をとりつけて追跡しやすくしよう」に寄附

©JAXA

人類は宇宙開発65年の間に約2.5万個(サイズ10cm以上)のゴミを宇宙空間に発生させました。宇宙ゴミは高速で飛行しているため、かすりでもしたら人工衛星を失ってしまいます。宇宙ゴミが、いつ、どこを飛ぶか把握する事(軌道把握)は年々重要になってきました。軌道を計算するには、まずは、地上から位置を計測できることが必須です。JAXAでは、位置を計測するためにレーザ反射器(Mt.FUJI)を開発しました。このMt.FUJIをロケット上段や人工衛星に搭載しておけば、宇宙ゴミになった後も正確な軌道把握が可能です。このMt.FUJIを通して宇宙ゴミ問題(宇宙版SDGs)に取り組んでまいります。
なお、10万円以上のご寄附でMt.FUJIにお名前(*)を刻印し、刻印後の写真をWebにて提供いたします(10万単位とします。20万円は10万円の2倍の刻印面積です)。Mt.FUJIが宇宙へ行った際には、どの衛星/ロケット上段に搭載されているのか必要な情報開示を行います。
「あなたの名前入りMt. FUJIを宇宙に行かせませんか」

(*)個人からの寄附の場合、原則として寄附いただいた方のお名前とします。複数行で刻印する場合は、刻印できる文字数の範囲で家族のお名前やお好きな言葉の追加も可能です。
法人からの寄附の場合は、原則として法人名とロゴとします。複数行で刻印する場合は、刻印できる文字数の範囲内で代表者名、商標名、商品名、サービス名も可能です。
日本語または英語表記が選べますが、フォントは刻印機が対応できる種別だけとなります。複雑なロゴや漢字がうまく印字されない可能性もありますことご容赦ください。
多額寄附の場合、二か所目からはご希望される文字の刻印も可能です。ただし公序良俗又は法令等に反する場合、政治又は宗教活動を目的とする場合、他者への誹謗・中傷・強要にあたる場合、本寄附制度の趣旨に反する場合等は刻印できません(刻印内容についてJAXAは寄附された方と事前調整を行います)。刻印不要の場合はメッセージ欄に刻印不要とご記入ください。

JAXA軌道力学チームでは、レーザ測距用反射器、Mt.FUJIを開発しました。
このMt.FUJIを宇宙ゴミになるであろう衛星やロケット上段に搭載しておくことで、地上のレーザ測距局より位置を計測することができ、正確な軌道を把握する事ができます。
宇宙ゴミの正確な軌道が把握できる事は、運用している衛星から見れば、いざとなれば最小限の軌道制御で衝突を回避できる事を意味します。

地上と同様に宇宙もゴミ問題が深刻化しています。その中でも、宇宙空間での衝突事故だけは絶対に発生させてはいけません。Mt.FUJIは衝突させないための、一助になると信じています。Mt.FUJIを量産化することで宇宙版SDGsにも有効と見込んでいますが、JAXA軌道力学チームだけでは量産化の資金確保が難しい現状です。 Mt.FUJIを衛星、ロケット上段に搭載し、宇宙ゴミ問題に一矢報いる事に賛同いただける方の寄附をお願いいたします。

低軌道のデブリ静止画

低軌道のデブリ静止画

概要

©JAXA

Mt.FUJIの写真を見てください。金属フレームの中に低軌道用レーザ反射に特化したプリズムが埋め込まれた構造です。この金属フレーム部分に感謝を込めて、寄附された方のお名前(法人の方は法人名とロゴ等)を刻印いたします。10万円単位とし、20万円は10万円の2倍の面積に刻印いたします。Mt.FUJIに刻印後は、その写真をWebページで公開予定です(寄附された方(個人または法人)が特定されないようにぼかします)。宇宙機搭載が決まれば、いつ宇宙に旅立つかもわかるようにいたします。
一人でも多くの方の寄附をお待ちしています。

刻印のイメージ図です。
20万円寄附された方の刻印

10万円寄附された方の刻印

岩田茂美プロフィール写真

©JAXA

Profile

秋山 祐貴
(追跡ネットワーク技術センター 軌道力学チーム)


佐賀県出身。2018年入社、2018年より現職。

—どのような開発を行っているのですか?

 追跡ネットワーク技術センターでは、人工衛星やロケット等の宇宙機※1が宇宙ゴミ※2となったあとも正確に位置を把握できるようにするため、Mt.FUJIという衛星レーザ測距(SLR; Satellite Laser Ranging)※3用の反射器を作りました。これからHTV-X※4に取り付けて技術実証を行う予定です。具体的には、地上のSLR局からレーザを照射し、Mt.FUJIに当たって跳ね返ってきたものを地上で計測することができれば技術実証はクリアです。
 また、HTV-Xでの技術実証では、HTV-Xの姿勢や回転運動の推定を行い、SLRを用いた推定がどれだけ正確であるかを世界で初めて定量的に評価したいと思っています。今までSLRは、人工衛星と地上との距離を計測し、そのデータから人工衛星の軌道を決定するために主に用いられてきました。しかし近年、SLRの技術の進歩に伴い、物体の軌道※5だけでなく、物体がどのような姿勢で動いているのかを計測する研究が行われています。特に、本プロジェクトではSLRを使用した宇宙ゴミの姿勢推定にフォーカスしています。運用している衛星は地球に対して基本的に同じ姿勢で飛んでいますが、宇宙ゴミは姿勢制御をしていないため、ぐるぐると回りながら特殊な飛び方をしていると言われています。宇宙ゴミの位置を正確に把握することができれば、宇宙ゴミとの衝突が起こる可能性を低くすることができ、また姿勢や回転運動がわかれば宇宙ゴミ自体を積極的に除去する技術(ADR; Active Debris Removal)にも役立ちます。そこで、HTV-Xに特殊な姿勢で飛行をしてもらい、宇宙ゴミの運動を模擬した特殊な飛行をしている物体をSLRで観測し、観測データから対象物体の姿勢や回転運動を推定したものがどれくらい正確であるかを世界で初めて定量的に評価しようとしています。

※1 ロケットなどで打ち上げられ、大気圏外で使用される飛行体の総称。人工衛星、惑星探査機、宇宙ステーションなど。
※2 地球周回軌道に存在する、役目を終えた人工衛星やロケットなどのこと。宇宙開発の進展に伴って宇宙ゴミは年々増加の一途をたどっており、将来的には人類の宇宙活動の妨げになる恐れがある。
※3 SLRとはレーザを使用して対象物体との距離を計測する技術。
※4 宇宙ステーションへの新型の物資補給船。(2022年現在開発中)
※5 宇宙機の飛行している道筋のこと。具体的にはある時刻での位置と速度のことを指す。

—深刻化している宇宙ゴミ問題に有効な研究開発なのですね。将来的にMt.FUJIがどのように展開されることを望んでいますか?

 はい、将来宇宙ゴミになる可能性のある宇宙機やロケットにMt.FUJIを取り付けておくことで、いずれ宇宙ゴミになった後もどこを飛行しているのかを把握しやすくなり(追跡性の向上)、宇宙ゴミと宇宙機の衝突事故を防ぐことにつながります。Mt.FUJIの技術が実証され、ゆくゆくはすべての宇宙機がMt.FUJIのような反射器を搭載してくれるようになることを願っています。

—Mt.FUJIの開発で楽しかったことや嬉しかった瞬間などがあれば教えてください。

 どのようなものを作ろうかと概念設計をするところから始まり、実際にモノができた時は感動しました。あとは、環境試験※6をクリアした時も嬉しかったです。理論上耐えられると分かっていても、試験で実際に振動や衝撃を与えたりする瞬間は不安になるので、この試験を無事にパスした時は安堵しました。

※6 実際に打ち上げる物体が打上げ時に発生する大音響、振動、衝撃や宇宙空間での超真空、高温、極低温などの環境にさらされても正常に機能・性能を発揮できるように地上であらかじめ試験を行う。

—これからHTV-Xでの技術実証という楽しみも待っていますね。では、一方で苦労したことはありましたか?

 モノづくりとミッション遂行の知見がなかったことです。
 私は入社1年目からMt.FUJIの開発に携わっていますが、元々軌道設計や制御理論などをメインに研究していたので、理論構築やプログラミングばかりやっており、モノづくりの経験がほとんどありませんでした。そして追跡ネットワーク技術センターも宇宙機搭載モノを開発する部署ではなかったので、個人的にも部署的にもノウハウがない状態だったんです。そこで、研究開発部門や宇宙科学研究所に助言をもらいに行くなど他部署にも協力してもらいながら、手探りではありましたが何とか開発を軌道に乗せることができました。
 そして、HTV-Xへの搭載が決まってからも部署に知見がないため大変でした。搭載するために何をどのように進めていけばいいのか、環境試験を実施するにはどうしたらよいのか、わからないことだらけでした。HTV-Xプロジェクトや環境試験技術試験ユニットの皆様に助けていただきながら、なんとか搭載までの道のりを一歩一歩進んでいます。大変な道のりではありましたが、部署を超えて連携を取り、何か一つのことをやり遂げる機会は振り返ってみると楽しい経験でもあったと感じています。

—寄附金はどのように使用されますか?

 Mt.FUJIを量産化する資金に充てさせていただきたいと考えています。いずれは宇宙機やロケットの標準装備としてMt.FUJIのような反射器が取り付けられるようになり、搭載する側がMt.FUJIを購入する形になればいいなと思っています。その前段階としてHTV-Xでの技術実証後にはMt.FUJIを量産化して多くのJAXAの衛星に取り付けてもらえるように働きかけ、その効果を示していきたいと考えています。この量産化に寄附金を使用させていただく所存です。

—最後に、寄附者の皆様にメッセージをお願いいたします。

 Mt.FUJIへご賛同・ご寄附いただきありがとうございます。宇宙開発が進み、もはや宇宙は人類が普通に利用する領域となりました。地球上で自然環境を守ることが重視されているように、宇宙も限られた資源という考えに立ち、宇宙環境を守る働きが大切です。Mt.FUJIによって将来の宇宙ゴミの追跡性を確保することで、宇宙ゴミと宇宙機の衝突を防ぎ新たな宇宙ゴミを発生させないようにすることができるため、宇宙環境の保全につながります。皆様のご寄附によって、宇宙環境を守ることができ、宇宙を利用した我々の豊かな生活が持続されます。Mt.FUJIの技術実証、量産化と引き続き頑張ってまいりますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

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