一般社団法人日本自動車工業会との
「AI時代のソフト品質保証の考え方」に関する連携について
平成30年3月9日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、この度、一般社団法人日本自動車工業会(以下、JAMA)と「AI時代のソフト品質保証の考え方」に関する連携を開始しました。
JAXAはこれまでの宇宙機開発において、IV&V(※1)などのソフトウェアの品質保証にかかる知見や安全性評価解析技術(※2)などの知見を蓄積してきました。
これらの知見を活かし、JAMAと連携して、平成31年3月までの間、AIによる自律化システムの安全のためのソフトウェア品質確保の考え方(手法・守るべき要件)をまとめる活動に協力します。
自動運転車にAI(人工知能)を搭載して完全自動化を行う場合、AI自らが様々な環境下で判断を行うため動作予測が難しく、安全のためのソフトウェア品質保証が課題となっています。
本連携では、自動運転車のようなAI技術を用いたソフトウェア(またはシステム)に対する品質保証のフレームワークについて、JAXAが保持しているコンピュータと人の調和に着目した安全評価解析技術を活かして協力します。また、装置の安全な動作を保証する点においても、JAXAのIV&Vで構築した立証方法が利用できると考えております。
自動車業界との連携を通じて、宇宙機における安全なAI搭載システム、また自動車以外の産業でも加速するAIシステムの安全検証の指針作成にも役立つ知見の獲得を目指しています。
※1 | IV&V:システムのリスク低減を目的として、開発者と異なる視点からリスクを抽出し対処する活動。 |
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※2 | 安全性評価解析技術:制御が環境と相互作用することで起きうる事故モデルを使った解析手法(STAMP/STPAなど) |