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国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟船外における軌道上利用サービス
提供事業者の選定結果(「きぼう」利用民間開放の第2弾)について

平成31年3月8日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏/以下、「JAXA」)は、「きぼう」の船外プラットフォームにおける軌道上利用サービスを提供する事業者について、平成30年12月5日より公募型企画競争を実施し、厳正なる評価の結果、Space BD株式会社を選定致しましたので、お知らせいたします。

 選定された事業者は今後、独自の営業活動を開始し、2020年4月より、部品・コンポーネント実証実験や地球観測ミッション等のために「きぼう」を利用したい国内外のユーザに対して、軌道上利用サービスの提供を行います。

 JAXAでは「きぼう利用戦略」(https://iss.jaxa.jp/kiboexp/strategy/:平成29年8月第2版制定)に基づき、「きぼう」の利用事業について、民間等による事業自立化(民間への開放)を目指しております。今回、超小型衛星放出事業の民間開放に続く第2弾となります。

 2016年、JAXAは船外実験プラットフォームに取り付ける中型曝露実験アダプター(i-SEEP)を開発し、2016年に運用を開始しました。これは、従前より手軽に宇宙実証が可能な船外実験プラットフォーム化(利用機会の高頻度化、定時化)を目指し、ISSにおいて「きぼう」だけが持つ強みであるロボットアーム及びエアロックの両機能を活かしたものです。

 これまでのi-SEEPの利用例としてはJAXAの技術開発ミッションとして実施した民生品ベースのハイビジョンカメラや小型ホイールの軌道上実証、ソニーコンピュータサイエンス研究所による光通信軌道上実証(今後予定)、Space BD及びスペイン宇宙ベンチャーSatlantis社による小型衛星向け双眼鏡の軌道上実証(今後予定)などがあります。

 これまでJAXA単独での有償利用サービスを提供してまいりましたが、今後は軌道上利用サービス提供事業者が、民間ならではのアイデアやサービスにより、国内外に広く独自のサービスを提供することで更なる船外の利用需要を拡大することが期待されます。

 JAXAは事業者とともに船外利用の需要を拡大し、「きぼう」を含む地球低軌道利用の発展につなげてまいります。

■事業者選定にあたり外部委員として参画いただいた3名の方々からのコメント

(1)

竹森祐樹 外部委員(日本政策投資銀行 航空宇宙室長)

きぼう利用戦略に基づく民間開放事業として超小型衛星放出に続くものであるが、船外実験プラットフォームの利用は民間ビジネスとしては「未知」の分野。今回の提案は多くの潜在顧客とのヒヤリングを踏まえたものであり、関係者を色々巻き込みつつ、未知のビジネスを開拓してもらいたい。

(2)

青木英剛 外部委員(グローバル・ブレイン株式会社 宇宙エバンジェリスト)

今回選定されたSpace BD株式会社は、提案の時点で多くの有望案件の巻き込みに成功しており、従来の宇宙開発にはないスピードと実行力を持っていると感じました。民間事業者らしく、リスクも取りつつ、かつ高い実現可能性も感じとられる提案でした。JAXAにおいても今後さらに民間開放事業を拡大し、民間事業者との共創を進めていただきたいと思います。

(3)

中本善博 外部委員((公財)鳥取県産業振興機構 再生担当マネージャ(JAXA客員))

今回選定された事業者様には、日本の技術力の集結であるi-SEEPを中核に、他の宇宙ビジネス参入企業へのサポートを主眼にした事業をご提案頂きました。正に日本人としての和の精神に通じるビジネスモデルであり、民間宇宙ビジネス黎明期にこのような企業に巡り合えたことの幸運を感じました。どうか着実に実績を積んで大きく成長されることを期待します。

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