プレスリリース・記者会見等

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小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星Ryugu出発について

2019年(令和元年)11月13日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星Ryugu(リュウグウ)からの出発を確認しましたのでお知らせします。
 JAXAは2019年(令和元年)11月13日の「はやぶさ2」の運用において、「はやぶさ2」の化学推進系スラスタを噴射して軌道制御の運用を行いました(※)。
 「はやぶさ2」から取得したデータから、
 ·「はやぶさ2」の化学推進系スラスタの噴射が予定通り行われ、速度9.2cm/sでリュウグウからの離脱を開始したこと
 ·「はやぶさ2」の状態が正常であること
 を確認しました。これにより、「はやぶさ2」が11月13日10時05分(機上、日本標準時)に小惑星リュウグウを出発したことを確認しました。
 今後は地球帰還に向けてイオンエンジンなどの搭載機器類のチェックを行う予定です。

(※) 11月13日の「はやぶさ2」運用時間:11月13日8時00分~11月13日13時30分(日本標準時)。
化学推進系スラスタの噴射は、11月13日の運用中に予め探査機に送信したコマンドプログラムのタイムシーケンスの中で自動的に行われました。

プロジェクトメンバーからのコメント

—— 貴重なお土産と、時を忘れるほど夢中なひとときをくれたリュウグウをついに出発します。
あなたのおかげで地球人はよい歳をとることができました。
「はやぶさ2」はこれより進路一路地球を目指します。ありがとう乙姫様、また逢う日まで。

(プロジェクトマネージャ 津田雄一)

—— リュウグウが見えてきてからの1年半、感動の連続でした。リュウグウそのものへの感動、超難度なミッションを次々と乗り越えた感動、そして、多くの皆さんからいただいた温かい応援への感動です。すべてに感謝しつつ、最後のミッションに挑みます。

(ミッションマネージャ 吉川 真)

—— この一年半は、困難な運用の連続を、まさに「ONE TEAM」の精神で乗り越えてきました。
いよいよ後半開始と思うと気が引き締まります。引き続き安全確実な運用を続け、小惑星のサンプルを受け取る、というゴールを目指します。

(サブマネージャ 中澤 暁)

—— どんな姿だろうとワクワクしていた我々を、一瞬で苦悩のどん底に叩き落としたリュウグウともこれでお別れだと思うと、ホッとしつつもさみしくもあります。
はやぶさ2の長い旅も終盤。チームみんなでタスキを繋いで完走し、お宝をゲットできるように最後まで気を引き締めていきたいと思います。

(プロジェクトエンジニア 佐伯孝尚)

—— イオンエンジンと共にリュウグウへの往路を完走したのが1年半前。
到着の歓喜もつかの間、そこからは24時間運用を含めたリュウグウ滞在が始まりました。
5年分くらいに感じたリュウグウ滞在もいよいよ終わり、再びイオンエンジンの出番が迫っています。襷をしっかり握って、アンカーまで繋ぎたいと思います。

(イオンエンジンシステム・広報 担当 細田聡史)

<参考>

「はやぶさ2」における化学推進系スラスタの位置

©ISAS/JAXA

「はやぶさ2」における化学推進系スラスタの位置

上記の赤丸に示したとおり、はやぶさ2には化学推進系スラスタが計12基搭載されている。
小惑星リュウグウ出発に際しては-Z軸方向に9.2cm/sの噴射を行った。

はやぶさ2プロジェクトミッションロゴマーク(帰還フェーズ)

©ISAS/JAXA

はやぶさ2プロジェクトミッションロゴマーク(帰還フェーズ)

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