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プレスリリース・記者会見等

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H-IIBロケット9号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(HTV9)
打上げ後記者会見 
理事長発言要旨(JAXA理事長 山川宏)

2020年(令和2年)5月21日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 H-IIBロケット9号機により打ち上げられました宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(HTV9)は、通信リンク及び3軸姿勢を確立し、国際宇宙ステーション(ISS)到着に向け、順調に飛行していることをご報告いたします。

 今回は、世界的に新型コロナウイルス感染が拡大し、多くの人々の安全を脅かし、また、経済活動や社会生活にも甚大な影響を及ぼす事態の中、新型コロナウイルス感染拡大防止に最大限努め、関係者が一丸となって万全を期して準備を進めてまいりましたが、何より、地元の皆様のご理解、ご協力なくしては、本日の打上げを迎えることはできませんでした。
 この場をお借りしまして、ご理解、ご協力をいただきました地元の皆様、また、各関係機関の皆様に対し、心よりお礼申し上げます。

 このあと、「こうのとり」9号機は、5月25日にISSに到着し、ロボットアームによる把持が25日21時15分ごろ、そして、ISSへの結合完了が26日明け方の予定です。
 今回の「こうのとり」9号機は、6号機より4回に分けて計画通りに輸送してまいりました新型のISSバッテリー、窒素のタンクやさらに宇宙飛行士の食料・水などISSの運用に欠かせない物資のほか、「きぼう」日本実験棟で行われます実験機器※1や「きぼう」有償利用の機器※2などを搭載しております。
 また、「こうのとり」9号機に設置しましたカメラで撮影した映像をWireless LAN通信を経由してリアルタイムでISSに伝送する技術の軌道上実証※3も行います。
 今回でシリーズ最後となります「こうのとり」は、15か国が協力する国際宇宙ステーション計画において、最大級の物資補給量を誇り、国際宇宙ステーションの運用・維持には欠くことのできない重要な役割を担ってきました。本日の打上げ成功により、「こうのとり」9号機は無事に予定軌道に投入されましたので、引き続き、国際宇宙ステーションまでの輸送運用を確実に成功させ、我が国の責務を果たせるよう、万全を期してまいります。

 また、「こうのとり」の後継機として、現在、新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」の開発を進めております。「HTV-X」は、「こうのとり」の開発や今回の9号機までの打上げ・運用を通じて、蓄積してきました技術や知見を活かして、輸送能力・運用性を向上させた新たな補給船として今後のISSへの補給を引き継ぎます。さらには、国際協力で開発を進める月周回ステーション「Gateway」への補給を担うべく、国際間での調整を進めております。
 そして、「こうのとり」を打ち上げてまいりましたH-IIBロケットも今号機でシリーズ最後となりました。H-ⅡBロケットは2009年の初号機打上げから、本日の9号機まで全ての打上げが成功し、HTVとともにISSへの物資輸送という重要な責務を果たすことができました。
 現在、このH-IIBロケットやH-IIAロケットで培ってきた技術力を結集して、我が国の次期基幹ロケットとして、今年度の試験機初号機の打上げを目指して、「H3ロケット」の開発を進めております。
 今後、「HTV-X」と「H3ロケット」の着実な開発によって、我が国の自在な宇宙輸送を支える基盤が更に強固になっていくものと確信しております。
 引き続き、みなさまのご理解、そしてご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 最後になりますが、昨晩、打上げ準備作業中に今回のH-IIBロケット9号機をブルーにライトアップしましたので、その時の画像とともにご報告をします。これは、このたびの新型コロナウイルス感染の世界的拡大という未曽有の状況の中、感染防止の最前線で必死に戦っていただいております医療に従事する方々及びそのご家族並びにその関係者の皆様への感謝の気持ち、そして地元の方々をはじめ、今回の打上げに対してご理解とご協力をいただいたすべての方々への感謝の気持ちを表現したものでありまして、打上げ実施者であります三菱重工業殿の協力を得て実施したものでございます。一刻も早く新型コロナウイルス感染が終息することを願っております。あらためまして皆様に心から感謝いたします。
 以上、JAXAからのご挨拶とさせていただきます。

以上

ブルーにライトアップされたH-IIBロケット9号機

ブルーにライトアップされたH-IIBロケット9号機 ©JAXA

※1「きぼう」日本実験棟で行われる実験機器
  • 固体燃焼実験装置(Solid Combustion Experiment Module︓SCEM)
    FLAREプロジェクト(Flammability Limits at Reduced Gravity Experiment:自然対流のない宇宙ステーションの環境(微小重力環境)を活かし、固体材料の着火・火炎燃え拡がりなどの燃焼現象に対し重力が果たす役割を、様々な固体材料を用いて科学的に明らかにする)で、固体材料の燃焼実験で使用する装置。
※2「きぼう」有償利用の機器
  • 超小型衛星搭載用地球観測カメラ
    integrated Standard Imager for Microsatellites:iSIM
    iSIMは、スペインの宇宙ベンチャー企業であるSatlantis社が開発している超小型衛星搭載用の地球観測カメラ。軌道上の実証では、ISSの「きぼう」船外実験プラットフォームに設置されている中型曝露実験アダプター(i-SEEP)にiSIMを設置し、高い解像度で地上を撮影する。
  • Space Studio KIBO開設に必要な機材
    株式会社バスキュール、スカパーJSAT株式会社及びJAXAによるJ-SPARCにおける宇宙メディア事業の創出に向けた活動として、「きぼう」船内に番組スタジオ「The Space Frontier Studio KIBO(きぼう宇宙放送局)」を開設し、宇宙と地上でリアルタイムにコミュニケーションが楽しめる、双方向ライブ配信を開始する予定。
  • 宇宙アバター(space avatar)用カメラ・映像伝送装置など(5月18日プレスリリース)
    ANAHDとJAXAにより、2018年9月にJ-SPARCの下で開始した“AVATAR X Program(アバターエックスプログラム)における事業コンセプト共創の一環として、宇宙でのアバター利用を実証するのに必要な機器。「きぼう」に宇宙アバター「space avatar(スペースアバター)」を設置し、世界初の試みとして、一般の方が街中から、「きぼう」に設置される「space avatar」をリアルタイムで直接動かし、「きぼう」船内から宇宙や地球を眺めることが可能になる。
※3 Wireless LANリアルタイム伝送技術軌道上実証
  • 「往路のISS下方からの接近時」、「係留中」、「離脱時」に、近づく或いは遠ざかるISSの様子を撮影しWLAN通信によりアルタイムでISSに伝送する実証ミッション。HTV-Xにおいて検討中のISSに対する自動ドッキングの技術実証に先立ってWLANを使用した映像伝送技術実証を実施する。

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