プレスリリース・記者会見等

このエントリーをはてなブックマークに追加

JAXA若田光一宇宙飛行士及び古川聡宇宙飛行士の
国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について

2020年(令和2年)11月20日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士及び古川聡宇宙飛行士がISS長期滞在搭乗員に決定されましたのでお知らせいたします。

 滞在時期 : 2022年頃(若田宇宙飛行士)、2023年頃(古川宇宙飛行士)
 主な任務 : ISS長期滞在クルーとして、「きぼう」を含むISSの各施設の維持・保全、科学実験等を実施する予定
参考資料
参考リンク

参考資料

若田宇宙飛行士の略歴

若田光一宇宙飛行士
若田 光一(わかた こういち)

宇宙航空研究開発機構 宇宙飛行士
57歳(2020年11月20日現在)

1963年 埼玉県大宮市(現:さいたま市)生まれ
1987年 九州大学工学部航空工学科卒業
1989年 同大学大学院工学研究科応用力学専攻修士課程修了
1989年4月 日本航空(株)入社
1992年4月 宇宙飛行士候補者に選定
1993年8月 米国航空宇宙局(NASA)の搭乗運用技術者に認定
1996年1月 スペースシャトル「エンデバー号」に搭乗
2000年10月 スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗
2004年 九州大学大学院工学部航空宇宙工学専攻博士課程修了。博士(工学)取得。
2009年3月~2009年7月 スペースシャトル「ディスカバリー号」、「エンデバー号」に搭乗し、日本人として初めてISS長期滞在ミッションを実施。
2010年4月~2012年8月 JAXA宇宙飛行士グループ長
2013年11月~2014年8月 ソユーズ宇宙船に搭乗し、ISS長期滞在ミッションを実施。長期滞在後半において日本人初となるISS船長(コマンダー)を担当。総宇宙滞在時間は347日08時間33分となり、日本人最長。
2016年4月~2018年3月 JAXA ISSプログラムマネージャ、有人宇宙技術センター長及び宇宙飛行士(兼務)(宇宙飛行士がISSプログラムマネージャを担当するのは世界初)
2018年4月~2020年3月 JAXA理事及び宇宙飛行士(兼務)
2020年4月~現在 JAXA特別参与及び宇宙飛行士(兼務)

古川宇宙飛行士の略歴

古川聡宇宙飛行士
古川 聡(ふるかわ さとし)

宇宙航空研究開発機構 宇宙飛行士
56歳(2020年11月20日現在)

1964年 神奈川県横浜市生まれる。
1989年 東京大学医学部医学科卒業。2000年同大学博士(医学)取得。
1989年~1999年 東京大学医学部付属病院第1外科学教室、茨城県立中央病院等勤務。
消化器外科の臨床及び研究に従事。
1999年2月 ISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として、星出彰彦、山崎直子とともに選定される。
2001年1月 宇宙飛行士として認定される。
2011年6月~11月 ISS第28次/29次長期滞在クルーとして宇宙に167日間滞在
2014年4月~現在 JAXA宇宙医学生物学研究グループ長
2015年度~2019年度 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究「宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解」(略称:宇宙に生きる)領域代表
JAXA宇宙飛行士の長期滞在実績と予定

理事長談話
若田光一宇宙飛行士及び古川聡宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について

 この度、ISSの多数者間搭乗員運用会合の承認を得て、若田光一宇宙飛行士及び古川聡宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在が決定し、皆様にご報告できることについて、非常に喜ばしく思っております。

 若田宇宙飛行士は4回の宇宙飛行の経験があり、2014年には日本人初となるISS船長(コマンダー)を務めました。古川宇宙飛行士は2011年に宇宙飛行を行い、165日間のISS長期滞在において、「きぼう」での実験等を担当しました。
 両宇宙飛行士が有する、宇宙飛行士としての経験や各々のバックグラウンドを活かした専門知識等は、国際的にも高く評価されています。

 本年7月、文部科学省とNASAにおいて、日米月探査協力に関する共同宣言が署名されました。今後、日米間での月探査協力が推進され、また、月周回有人拠点Gateway及び月面での日本人宇宙飛行士の活動機会を可能とするための取決めが策定されていくものと承知しております。このような状況も踏まえて、JAXAは、来年の秋頃を目途に、日本人宇宙飛行士の新規募集を開始します。

 JAXAは、引き続き、日本人宇宙飛行士のISSへの長期滞在を通じて有人宇宙活動の実績を重ね、宇宙探査等の国際協力においても、我が国が様々な役割においてリーダーシップを発揮できるよう新たな技術や知見の蓄積を行なっていく所存です。
 更に、その活動は次代を担う若者の科学への好奇心を高め、社会に役立つ成果の創出や、将来の月探査を通じて人類のフロンティアを拡大することにも繋がるものと考えております。

 この度の決定にあたり、内外の関係者の皆様方から賜りましたご尽力に対し、心から感謝いたします。

2020年(令和2年)11月20日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
理事長 山川 宏

搭乗決定にあたっての抱負

 貴重な飛行機会に任命いただいたことに感謝しています。
国際宇宙ステーション(ISS)は、有人滞在開始から20年を迎えました。昨年はアルテミス計画への日本としての参画が決定し、また今年度は、2024年以降のISSを含む地球低軌道の取組みに関する方向付けを行う重要な年だと考えています。
 有人宇宙活動の現場でこれまで様々な仕事を経験させていただきましたが、その経験を通して学んだことを確実に活かし、「きぼう」日本実験棟の利用の三つの柱(科学利用、民間・有償利用、探査のための技術実証)での成果の創出を通して、日本のプレゼンスをさらに高め、その成果を月面探査へシームレスに繋げていけるように努力したいと思います。
 世界各国の宇宙飛行士のチームの中で、和の心を大切にし、リーダーシップを発揮して、ISSの利用成果を最大化することに貢献できるよう、訓練と準備を進めていきたいと思います。

2020年(令和2年)11月20日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
宇宙飛行士 若田 光一

搭乗決定にあたっての抱負

 2011年の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションのあと、現役宇宙飛行士として維持向上訓練を続けながら、2014年からJAXA宇宙医学生物学研究グループ長として、宇宙医学研究を推進してまいりました。
 宇宙滞在においては、無重力による骨格筋萎縮、骨量減少、閉鎖環境による体内リズムの不調、放射線被曝等、様々なリスクがあります。これらは、今後、人類が月、さらに火星を目指すときに解決すべき課題であり、現在、ISSの宇宙飛行士を対象にした研究が進められています。
 今回の搭乗決定は大変嬉しく光栄であると同時に、身が引き締まる思いです。今後は、研究の被験者という異なった立場から宇宙医学、引いては人類の活動領域の拡大に貢献していきたいと考えています。また、宇宙医学に限らず、様々な科学実験のオペレータとして地上生活や宇宙探査活動に役立つような作業に携わるとともに、様々な背景を持った国際クルーの一員として、医師の背景を活かして貢献していきたいと思っています。

2020年(令和2年)11月20日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
宇宙飛行士 古川 聡

PAGE TOP