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小型光学衛星コンステレーションによるソリューション事業の創出に向けた
アクセルスペースとJAXAによる事業コンセプト共創の開始について

2021年(令和3年)2月10日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
株式会社アクセルスペース

 株式会社アクセルスペース(代表取締役:中村友哉、以下「アクセルスペース」)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)(※1)」の枠組みの下、小型光学衛星コンステレーション(※2)によるソリューション事業について、2020年12月に覚書を締結し、共に新たな事業価値を創造する「事業コンセプト共創活動」を開始しました。本取り組みを通して、新規衛星搭載センサの利用開拓や、将来の衛星データの活用及び観測ミッションにおける小型衛星と大型衛星の連携について検討します。

 アクセルスペースは、自社の衛星観測網「AxelGlobe」(※3)を構築する超小型光学衛星「GRUS」に、新たに温度を観測する熱赤外線センサ(※4)を追加し、光学・熱赤外線センサを組み合わせた衛星データの利用検討と、そのためのデータ処理等の技術検討を行います。JAXAは、衛星データ利用及びデータ処理・校正の検討に対する技術的な協力を行い、熱赤外線センサによる温度データを用いた防災などの利用研究の検討を行います。

 また、高頻度観測が特長の小型衛星データと、高分解能観測が特長の大型衛星データを融合させることで、相互連携による新しい価値を創造します。主に防災等の分野への適用可能性検討を通して、将来の官民連携の事前検討を行います。

アクセルスペースイメージ

 アクセルスペースとJAXAは、上記の活動を通して、新たな価値を創出することを目指します。また、様々なデータを組み合わせることで、火山監視、水産資源や工場稼働の把握等を通じ、社会課題を解決する衛星データ利用の拡大を目指します。

<コメント>

株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO
中村 友哉

株式会社アクセルスペース代表取締役CEO中村友哉

アクセルスペースは2008年の設立以来、「Space within Your Reach(宇宙を普通の場所に)」というビジョンの下、合計5機の超小型衛星の開発・運用を通じて実績を積んでまいりました。うち1機はJAXAの革新的衛星技術実証プログラムの小型実証衛星1号機(RAPIS-1)であり、2019年1月に打ち上げ、予定された軌道上実証実験を完遂、2020年6月には成功裡に衛星運用を終了しています。この度、JAXAとの協力関係をさらに深め、弊社が構築中の次世代地球観測プラットフォームAxelGlobeにJAXAの持つ地球観測の知見や技術、データを連携・融合させ、社会課題解決へ向けた共創活動を実施できることを大変嬉しく思います。より多くの人が当たり前のように宇宙を使う社会を築くべく、本共創活動を通じて、新たな衛星データの活用方法や価値の創出、さらには日本の地球観測技術の向上に貢献していきたいと考えています。

JAXA 新事業促進部 部長
伊達木 香子

JAXA新事業促進部部長伊達木香子

JAXAでは、これまで、国内・海外を問わず地球規模の観測を通じて様々なデータを蓄積し、しきさい(GCOM-C)・だいち(ALOS-2)ミッション等で熱赤外センサに係る知見、経験も培ってきました。本共創活動によって、JAXAの知見・経験をアクセルスペース社の「小型衛星群によるソリューション事業」の価値向上に活かすことで研究開発成果の最大化を図り、将来の地球観測ミッション検討に向けた新たな知見の獲得も目指していきたいと思います。

※2:衛星コンステレーション
 複数の人工衛星によって、高度な価値を提供するシステムです。

※3:AxelGlobe(アクセルグローブ)
 アクセルスペースが現在構築中の、超小型光学衛星「GRUS」数十機からなる地球観測網です。これにより、地球上のあらゆる場所を1日1回という高頻度で観測することが可能になります。2018年12月に初号機を打ち上げ、翌年5月末にはデータ提供を開始しました。2021年3月には追加で4機の打ち上げを予定しており、まもなく2〜3日に1度の頻度でのデータ提供が可能になります。

※4:熱赤外線センサによる観測
 太陽の光を浴びて暖められた地表の表面から放出される熱赤外線をとらえて観測する方法です。また、火山活動や火事などの高温域も観測することができます。放射の強さを調べることにより、地面や海の表面温度、火山活動や山火事等の状況を知ることができます。
 熱赤外リモートセンシングは、雲がなければ夜でも地表を観測することができます。

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