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JAXAのD-NETコア技術、「航空機運用統合調整システム」に採用される

2021年(令和3年)3月22日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川宏、以下「JAXA」)が開発を進めている「災害・危機管理対応統合運用システム(D-NET)※1」が、株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)、ナビコムアビエーション株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:玉中 宏明)、三菱スペース・ソフトウエア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:蒲地 安則)が販売する「航空機運用統合調整システム※2」のコア技術として採用されました。

 本コア技術は、災害時に活動する航空機の動態情報や地上の災害対策本部に集約される被災状況などの各種情報をリアルタイムで連動させ、空と地上との間で必要な情報を共有、一元化が可能となる情報共有プラットフォーム技術です。
 災害時には、地上の災害対策本部に、防災機関や地方自治体等さまざまな機関の飛行計画が集約されます。これまでは、多機関が関連する飛行計画の調整は手作業で行っていたため、大きな負担となっていました。
 この解消に向けて、JAXAは、情報共有プラットフォーム技術として、飛行計画を電子情報として効率良く送受信するための通信・表示・操作インターフェース等の基準を策定しました。
 これによって、空と地上との間で飛行計画を共有・一元化でき、飛行計画のリアルタイムの確認・修正、飛行計画調整作業の所用時間の短縮、ヒューマンエラー(飛行経路干渉の見落とし等)の低減等、適切な指示命令系統による効率的な航空機運航行が可能になります。

 D-NETコア技術が「航空機運用統合調整システム」に組み込まれることによって、今後、国や地方自治体などの防災機関での利用普及が進み、災害対応航空機動態情報等の情報連携基準化の加速にJAXAとしても貢献してまいります。
 また、JAXAは、D-NET技術をさらに高度化し、危機管理対応への利用拡大、次世代衛星インフラに対応した機能・性能拡張、災害現場での活動が急速に拡大している無人機と有人機とが安全かつ効率的に連携することができる技術の研究開発を進め、安全で安心な社会の実現に必要な課題解決に取り組みます。

別紙

<参考>航空機運用統合調整システム

 航空機運用統合調整システムは、ウェザーニューズ、ナビコムアビエーション、三菱スペース・ソフトウエアの3社がそれぞれ、JAXAの「災害・危機管理対応統合運用システム(D-NET)」の成果を活用し、災害時における航空機の動態管理や地上の対策本部に集約される被災状況などの各情報をリアルタイムで連動させ、各防災機関間で情報共有、連携させるためのシステム。
 本システムは、①FOSTER-CoPilot、②IMS-WEB+、③DiGMaps®※3から構成され、3社が各社の強みに応じて、機能を担当しています。
 ウェザーニューズは、本コア技術の採用により、独自に開発した持ち込み型の航空機位置動静把握端末『FOSTER-CoPilot』を通して、航空機の動態情報や他システムから得られる情報を本システム内で連携できるようにしました。なお、ウェザーニューズは本システム全体の契約窓口を担当します。
 ナビコムアビエーションは、本コア技術のうち、運航計画や航空機動態情報をデータ化し送信する技術を用い、命令指示等の情報を閲覧/共有するためのWebサービス『IMS-WEB+』の製品化とサービス提供を行います。
 三菱スペース・ソフトウエアは、災害情報や災害救援活動ヘリ等の情報を集約して複数拠点で情報共有を行う災害時情報共有アプリケーション『DiGMaps®』に、本コア技術の1つである機関間連携機能等を付与し、製品化を行います。

<関連サイト>

ウェザーニューズ、ナビコムアビエーション、三菱スペース・ソフトウエア「航空機運用統合調整システム」を6月に販売開始 コア技術にはJAXAのD-NETを採用

ウェザーニューズ
https://jp.weathernews.com/news/34973/ 外部リンク

ナビコムアビエーション
http://n-aviation.com/jpn/news/index.html 外部リンク

三菱スペース・ソフトウエア
https://www.mss.co.jp/information/pressrelease.html?date=20210317&no=1 外部リンク

航空機運用統合調整システム

 ※1: 地震や大雨などの大規模災害時に被災地や都道府県庁、ならびに府省庁などにおいて、航空機などによる救援活動をより効率的かつ安全に実施するためのシステム
https://www.aero.jaxa.jp/research/star/dnet3/

 ※2: 災害時の情報収集や救出救助活動等の迅速化を目的に、各防災機関が同現場において運用する航空機情報を統合し、俯瞰的な視覚化を行い、各機関に共有するシステム

 ※3: 災害時情報共有アプリケーション『DiGMaps®』
https://www.mss.co.jp/product/digmaps.html 外部リンク

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