JAXA・ANAHDの「GOBLEUプロジェクト」が福岡市「実証実験フルサポート事業」に採択
~福岡市と協力し、温室効果ガスを測定します~
2021年(令和3年)6月22日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
ANAホールディングス株式会社

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)とANAホールディングス株式会社(代表取締役社長:片野坂真哉、以下「ANAHD」)は、人工衛星と旅客機から都市域の大気成分等の分布を観測(リモート・センシング)する実証実験(GOBLEUプロジェクト)※1が、福岡市と福岡地域戦略推進協議会が実施する「福岡市実証実験フルサポート事業※2」に採択されたことをお知らせします。
GOBLEUプロジェクトにおける自治体連携は、福岡市が全国で初めての連携です。
JAXA及びANAHDは、都市域における温室効果ガスの排出量を、交通・産業などの発生源別に評価することを目指し、昨年10月より、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)※3の観測技術を応用した観測機器を福岡・羽田便の旅客機へと搭載し、温室効果ガスの観測・解析を行っています。(GOBLEUプロジェクト)
本採択により、JAXA及びANAHDは、福岡市から交通量などの実測データの提供を受けます。これにより発生源別排出量の推定が可能となり、都市域における温室効果ガス排出量検出手法の構築が飛躍的に進展することが期待されます。
JAXAとANAHDは、本研究を通じ、宇宙と空から環境問題をはじめとする地球規模の社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
「GOBLEU」は「ゴーブルー」と読む。本取り組みは2020年(令和2年)9月28日にプレスリリース済み。
https://www.jaxa.jp/press/2020/09/20200928-1_j.html https://www.anahd.co.jp/group/pr/202009/20200928.html 外部リンク
福岡市実証実験フルサポート事業:福岡市と福岡地域戦略推進協議会が衛星データや宇宙関連技術の更なる利活用により、多様な社会課題の解決と一層のイノベーション促進を図ることを目的として、実証実験プロジェクトを全国から募集し、福岡市での実証実験をサポートするもの。
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT) https://www.jaxa.jp/projects/sat/gosat/
■ GOBLEUプロジェクトの目的
温室効果ガス排出量削減のための情報として、都市域における温室効果ガスの排出量を、交通・産業などの発生源別に評価・可視化すること。
■ 航空機で測定する目的・効果
2009年に打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)は高度666kmから正確にCO2濃度を測定することができます。しかし、観測点1点が直径10km程度と空間分解能が十分でないため、広域の排出量は推定できても、発生源別の評価は難しいという課題があります。
一方、旅客機は、人工衛星よりはるかに地表に近い高度10km以下を飛行するため、より細かなデータが得られるものと期待できます。
このように人工衛星と旅客機の特徴を組み合わせることで、新たな価値を創出できると期待しています。
