「革新的衛星技術実証4号機のテーマ公募」選定結果について
2022年(令和4年)9月30日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙基本計画で示された「産業・科学技術基盤を始めとする宇宙活動を支える総合的な基盤の強化」の一環として、超小型衛星等を用いた新規要素技術の実証及び新規事業につながる技術の実証を実施することを目的に「革新的衛星技術実証プログラム」を進めています。
このたび、「革新的衛星技術実証4号機」に搭載する実証テーマを募集し、キューブサットに対する応募9テーマの中から、別紙のとおり実証テーマ(計3件)を選定いたしましたのでお知らせいたします。(注)
選定は、JAXA内における応募者資格要件の確認及び基礎点審査、及び外部有識者で構成される選定評価委員による加点審査を踏まえて行いました。
- 基礎点審査(技術成立性、インターフェース条件への適合、安全要求への適合、軌道上運用の実現性、実施計画の成立性等の観点)
- 加点審査(意義・価値等の観点)
今後、打上げに向けて、必要な取決めの締結、技術調整、安全審査等の準備を進めます。
(注)
公募は、JAXAが準備する小型実証衛星に搭載して実証を行うもの(部品、コンポーネント及びサブシステム)、応募者が製作する50kg級の超小型衛星及びキューブサットの3つの区分を対象としています。このうち、「部品・コンポーネント及びサブシステム」については現在選定中です。なお、今回「50kg級の超小型衛星」については応募がありませんでした。
関連ウェブサイト
「革新的衛星技術実証プログラム」
https://www.kenkai.jaxa.jp/kakushin/index.html
「革新的衛星技術実証4号機に搭載する実証テーマ」
https://www.kenkai.jaxa.jp/research/innovative/theme04.html
別紙
区分 | 募集 課題 |
テーマ名称 | 提案機関 (代表者名) |
主な選定理由 | キューブサット | ③ | 軌道維持用推進システムを搭載した次世代CubeSatの技術実証 | 香川高等専門学校 (村上 幸一) |
独自開発の超小型ローコストPPT(Pulsed Plasma Thruster)推進システムを有するCubeSatの軌道上実証で、安価でシンプルなPPT推進系は超小型衛星で広い普及が期待できる。また、高専連合により、人材輩出にも貢献できる。 |
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③ | 折り紙構造による超高利得展開リフレクトアレーアンテナ技術の宇宙実証 | 東京工業大学 (坂本 啓) |
折り紙技術により畳める2層展開膜にアンテナ素子を貼付した、軽量・高収納率な展開アレーアンテナの軌道上実証で、小型・超小型衛星に大面積アンテナを搭載可能とする重要な技術であり、新たな小型・超小型衛星利用(市場)につながる可能性がある。 | |
① | 超小型宇宙機用インテリジェント電源ユニットの軌道上実証 | 株式会社大日光・エンジニアリング (柴田 克哉) |
バッテリの劣化具合や故障をいち早く軌道上で検知することが可能なインテリジェント電源ユニットの軌道上実証で、バッテリ状態推定は重要な技術要素であり,モニタリング可能となれば信頼性等で衛星の競争力に貢献できる。 |
募集課題① | 我が国の衛星関連機器・部品の価格競争力、性能、機能などを格段に向上させる技術、またはフレキシブルな衛星開発手法や革新的なミッション/システム技術の実証 |
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募集課題② | 宇宙産業の活性化や新たなイノベーション創出が期待される技術・コンセプトの実証 |
募集課題③ | これまで世界で行われていない新たな宇宙利用ビジネス構想により、国内外の市場を新たに創造する、または、それにより国内の宇宙ビジネス促進や宇宙分野における優秀な人材育成につながる可能性のある技術・コンセプトの実証 |
(参考)革新的衛星技術実証4号機選定評価委員会の構成(順不同 )
日本科学技術ジャーナリスト会議 会長 | 室山 哲也 |
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東京大学大学院 工学系研究科 教授 | 中須賀 真一 |
東京大学大学院 工学系研究科 教授 | 岩崎 晃 |
東京都市大学 工学部 教授 | 三宅 弘晃 |
名古屋大学大学院 工学研究科 教授 | 長野 方星 |
シー・エス・ピー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 | 金山 秀樹 |
一般社団法人 日本航空宇宙工業会 常務理事 | 山岡 建夫 |