プレスリリース・記者会見等

このエントリーをはてなブックマークに追加

人工衛星などのデータを活用した事業開発と社会実装に向けたシンポジウム開催のお知らせ
~気象防災・海洋産業を未来のステージへ 世界初の技術をJAXAが初公開~

2022年(令和4年)11月14日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、既存の計測技術で生じていた課題を解決する世界初の革新的な超広帯域マイクロ波計測技術(※1 別紙―1)と、その技術の社会実装によって実現する未来社会に関するシンポジウム「超広帯域マイクロ波計測技術で切り拓く未来社会 ~固定概念を打破し新たな価値を創造~」を、2022年12月14日(水)に日比谷国際ビルコンファレンススクエアにて開催します。

©JAXA/KVウェザーニューズ/アンテナ技研

 マイクロ波計測技術は、地上で気象観測に用いるレーダや衛星搭載のマイクロ波を観測する放射計など、重要な社会基盤として活用され、現在では、データ処理技術の進展により、乳がん検査機器、セキュリティゲート、車載レーダなどでの活用も期待されるようになってきております。
 一方で、これまでJAXAが開発・運用してきた衛星搭載マイクロ波放射計は、通信電波などの人工電波が混入することにより引き起こされる観測データの欠損が大きな課題として認識されておりました。そこでJAXAは、従来の課題を克服するために、超広帯域かつ超高周波数分解能なマイクロ波計測技術の研究開発を開始し、この技術を人工衛星搭載センサや地上のレーダや放射計などに適用することで観測データの利用促進や新事業開発など、新たな価値を創造することを目指しています。

 今回公開する世界初のマイクロ波計測技術は、将来情報通信社会の更なる高度化に伴い人工電波による観測への悪影響が加速することが予想される中、正確かつ高精度な観測データの大幅な充実化とそのデータ取得技術の社会実装により、従来の課題の解決に貢献することが期待されます。本シンポジウムでは、各分野の専門家、事業者をお招きし、社会にイノベーションを起こすことが期待される新たなマイクロ波計測技術と、それにより実現する未来社会について紹介します。会場では、新開発の超広帯域アンテナの実機もご覧いただき、この世界初の技術を搭載した航空機による観測実証実験で得られた人工電波の識別/分離結果や海況推定データも紹介いたします。
 本シンポジウムが、マイクロ波計測技術の活用が期待されている気象防災分野や地中探査分野、海洋産業分野(別紙―1-図参照)のみならず、全く新しい領域の事業者・研究者のみなさまの交流の場となり、観測データを活用した新たな価値創出の機会となることを期待しております。皆様のご参加をお待ちしております。

日時

: 2022年12月14日(水) 13:30-17:00

場所

: 日比谷国際ビルコンファレンススクエア
WEB同時配信(300名予定、先着順)

参加費

: 無料

主催

: 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

共催

: 株式会社ウェザーニューズ、アンテナ技研株式会社

後援

: 文部科学省

申し込み先

https://samrai-jaxa.jp/symposium2022/外部リンク

問い合わせ先

: Z-samraisympo[a]ml.jaxa.jp([a]を@に変更してください。)

シンポジウムプログラム

: 詳細は別紙―2をご参照ください

 本シンポジウムはJST未来社会創造事業大規模プロジェクト型「安全・安心かつスマートな社会の実現につながる革新的マイクロ波計測技術」の一環として開催されます。

別紙―1

超広帯域マイクロ波計測技術と実現する未来社会

©JAXA

図 超広帯域マイクロ計測技術を用いた3つのアプリケーションと期待される社会実装例

JAXAは超広帯域マイクロ波計測技術を用いた3つの計測アプリケーションをJST未来社会創造事業に提案し、採択されました。

  1. ① JAXAの衛星搭載マイクロ波放射計「超広帯域電波デジタル干渉計(Scanning Array for hyper-Multispectral RAdiowave Imaging;SAMRAI)」
  2. ② ウェザーニューズの多周波気象レーダ放射計
  3. ③ アンテナ技研の地中・表面変位探知レーダ

これらの計測アプリケーションの特性を活かした単独利用(上図)に加えて、シナジーにより気象防災分野へのソリューションを提供することが期待されています。例えば、最適な鉄道計画運休・道路交通規制の区間及び期間の提供が可能になります。

別紙―2

超広帯域マイクロ波計測技術で切り拓く未来社会
~固定概念を打破し新たな価値を創造~

日時

: 2022年12月14日(水) 13:30-17:00

場所

: 日比谷国際ビルコンファレンススクエア
WEB同時配信(300名予定、先着順)

参加費

: 無料

主催

: 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

共催

: 株式会社ウェザーニューズ、アンテナ技研株式会社

後援

: 文部科学省

申し込み先

https://samrai-jaxa.jp/symposium2022/外部リンク

問い合わせ先

: Z-samraisympo[a]ml.jaxa.jp([a]を@に変更してください。)

シンポジウム構成

●第一部 プロジェクト概要

・未来社会創造事業大規模プロジェクトについて
科学技術イノベーションに関する情報を収集・分析し、現在の技術体系を変え、将来の基盤技術となるよう文部科学省が特定した技術テーマの研究開発を推進する未来社会創造事業大規模プロジェクトについて、運営統括よりご紹介します。
・気象災害対策への貢献
線状降水帯や頻発化・強大化する台風等、近年気象災害が激甚化する中、この技術へ寄せられる様々な科学的見地からの期待について気象計測分野の専門家をお招きしてご講演頂きます。
・超広帯域マイクロ波計測技術で実現される10年後の世界
JAXAが開発を進める2つの基盤技術、超広帯域アンテナおよび超高速デジタル信号処理技術の概要について説明するとともに、この技術を適用した超広帯域マイクロ波計測技術が寄与する社会とその未来像についてご紹介します。

●第二部 超広帯域マイクロ波計測技術を利用したレーダと放射計が切り拓く未来社会 

・超広帯域アンテナ・超高速デジタル技術が切り拓く未来社会
重要な社会基盤として活用される超広帯域マイクロ波計測技術を支えるJAXAの超広帯域アンテナおよび超高速デジタル信号処理装置等の製造メーカから、これらの社会実装の可能性についてご紹介します。
・多周波気象レーダ放射計が切り拓く未来社会
これまで単一周波数帯であった気象レーダを多周波に拡張し、さらに放射計機能を付加することで、これまでにない早さで豪雨の収束情報の提供が可能となります。この多周波気象レーダ放射計について、開発/利用事業者からご紹介します。
・地中・表面変位探知レーダが切り拓く未来社会
公共電波を送信源として活用し、掘り起こさずに地中の埋設物の探知と、斜面や法面の状況把握を可能にする地中・表面変位探知レーダについて開発/利用事業者からご紹介します。
・地球規模で見るマイクロ波が切り拓く未来社会
JAXAでは広帯域、高周波数分解能、高空間分解能を全て兼ね備えた衛星搭載マイクロ波放射計「SAMRAI」のデータを活用した、洋上建設管理や洋上風力発電適地選定についての事業を開発/利用事業者からご紹介します。
・ビジネス交流会(シンポジウム終了後)
登壇者や他分野事業者との情報交換、意見交換、ネットワーキングの場として、奮ってご参加ください。
・会場展示ブース(開催期間内常設)
開発中の超広帯域アンテナなどを初公開いたします。

新型コロナウイルス感染対策としてのお願い
〇以下の方は御来場を御遠慮いただきます。

  • ・保健所等から隔離や待機が求められている方
  • ・帰国/入国時の検疫において自宅等待機が必要とされている方
  • ・体調に異常(例:発熱、咳、味覚・嗅覚に異常等)がある方

〇当日のお願い事項

  • ・事前の体温測定のうえ、発熱していないことを確認いただいた上でご来場いただくようお願いします。
  • ・37.5度以上発熱がある場合、ご来場をお控えください。
  • ・到着時の手指消毒等に御協力ください。
  • ・来場時は適切なマスク着用・咳エチケット遵守にご協力ください(写真撮影時等、マスクを外す際には会話をお控えください)。なお、スタッフについてもマスクを着用して対応させていただいています。

以上

PAGE TOP