プレスリリース・記者会見等

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金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の運用終了

2025年(令和7年)9月18日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2025年9月18日午前9時より金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の停波作業を実施し、同探査機の運用を終了しました。

© JAXA

金星周回軌道投入の想像図

 「あかつき」は、2010年5月21日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット17号機で打ち上げられ、2015年12月に金星周回軌道投入に成功しました。
 「あかつき」は日本初の地球以外の惑星周回機として、8年間以上にわたり金星大気の観測を継続し、これまで太陽系最大の山岳波の発見や高速大気回転(スーパーローテーション)維持メカニズムの解明、地球の気象学研究で用いられるデータ同化手法の導入など惑星気象学にも関わる科学成果を創出してきました。しかし、2024年4月末の運用において、姿勢維持の精度が高くない制御モードが長く続いたことを発端として通信を確立できなくなりました。通信の回復に向けて復旧運用を行ってまいりましたが、計画的な通信の復旧が見込めず、大幅に設計寿命を超えて後期運用の段階に入っていることから、このたび、運用を終了することといたしました。
 これまでの「あかつき」の開発・運用にご協力・ご支援をいただいた関係各機関及び各位に深く感謝いたします。

以上

参考1:

「あかつき」の主な実績・成果
「あかつき」の主要な実績・成果につきましては、以下の宇宙開発利用部会報告資料、記者説明会資料および「あかつき」チームWEBページなどをご参照ください。

参考2:

「あかつき」概要

打上げ 2010年5月21日 午前6:58(日本時間)
構造 質量 約520kg(打上時)
形状 直方体 1.0m x 1.5m x 1.4m
パドル 1.0m x 1.4m(2翼)
軌道 高度 近金点約1,000km 遠金点約36万km
種類 金星周回楕円軌道
周期 約11日
主要ミッション機器 1μmカメラ(IR1)
2μmカメラ(IR2)
中間赤外カメラ(LIR)
紫外イメージャ(UVI)
雷・大気光カメラ(LAC)
超高安定発振器(USO)

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