理事長挨拶・定例会見

理事長定例記者会見


理事長挨拶


 2013年4月1日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の理事長に就任いたしました、奥村直樹です。どうぞよろしくお願いします。

 私はこれまで、企業の技術開発、企業経営に関わり、最近6年間は総合科学技術会議議員として、イノベーションの創出を目指した国の科学技術政策に携わって参りました。これまでの企業と政策立案の経験を活かして、日本の宇宙航空分野の大きな展望が開けるように努力していきたいと思います。この分野は科学技術はもとより、国民生活の改善や産業振興でも無限の可能性を秘めていると考えているからです。

 これまでJAXAは、ロケットの連続打上げ成功や「はやぶさ」の帰還、宇宙ステーションでの有人活動や宇宙科学研究など、国際的にも高く評価される多くの実績を重ね、日本の研究開発力や国力の向上に貢献するとともに、世界の先頭に立っていると言えます。
 しかしながら昨今では、米国、欧州など先進国に加え新興国の台頭が顕著です。また、国内的にもJAXAを取り巻く環境は大きく変化しています。すなわち、宇宙基本法の整備やJAXA法の改正で新しい体制が整えられ、更にはこの1月に宇宙基本計画も改訂されました。
 我々JAXAに対しても、これまでの宇宙科学等のフロンティアに加え、安全保障・防災及び産業振興なども含めた政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的な実施機関という、これまでにない重要な役割を期待されております。
 このような大きな変化の中で、宇宙基本計画に謳われている「宇宙利用の拡大」と「自律性の確保」を目指して、これまでの成果を踏まえつつもJAXA全体として新たな気持ちを持って、国から期待される役割を果たして行きたいと思います。

 私は、JAXAが宇宙・航空分野の基礎研究から、打上げ、利用までの幅広い役割を担っていくに際し、特に次の3点に注力したいと思っています。

  • (1)宇宙基本計画に定められた「政府全体を技術で支える中核的実施機関」としての役割を果たすべく、新たな業務に果敢にチャレンジして行くこと。
  • (2)様々な研究開発に取り組んでいく中で、国際的に高いレベルの成果を出し、成功を積み重ねるとともに、中長期的な国際競争力の維持・向上を実現できるような取組によって国民の期待に応えること。
  • (3)中期目標の達成はもちろんのこと、それに加えて新しいアイディアやコンセプトから価値の高いプロジェクトを生み出すとともに、将来の宇宙開発を見据えた布石を打つような提案を行っていくこと。

 現在までに優れた成果を数多く生み出してきているということに慢心することなく、今後とも世界の研究・技術開発競争を勝ち抜いていくために、常に競争相手である機関、研究者・技術者、代替技術などをベンチマークし、中長期的な国際競争力を維持・向上させ続けることが必要です。それが、我々JAXAに課された責務だと認識しております。
 これらの責務を遂行して社会からの付託に応える組織として、コンプライアンスの遵守はもとより、職員の安全と健康を常に維持していくことも重要と認識しています。

 今後、日本の宇宙航空研究開発の発展のために全力を尽くしていく所存ですので、これからも皆様の強力なご支援、ご協力をお願いいたします。


[2013年4月 更新]


経歴

奥村直樹(おくむら なおき)

任期: 平成25年4月1日〜平成30年3月31日
主要経歴: 昭和48年 3月 東京大学大学院応用物理学・博士課程修了
昭和48年 4月 新日本製鐵株式会社
平成11年 6月 同 取締役
平成15年 4月 同 常務取締役
平成17年 4月 同 代表取締役副社長
平成19年 1月 同 総合科学技術会議議員(〜平成25年1月5日まで)