

JAXAは2008年4月から、5ヵ年の第2期中期計画期間に入りました。引き続き、安全で豊かな社会の実現により一層貢献していくとともに、未知未踏のフロンティアへの挑戦を続け、英知を深める活動に取り組んでいます。
第2期中期計画では主に以下の取り組みを掲げています。
- (1)衛星を利用した温暖化・気候変動などの地球環境の観測、災害発生時の被災地域の監視・通信、位置情報の精度と利便性を高める測位
- (2)宇宙科学研究における世界的な研究成果の創出
- (3)宇宙探査を通じた人類の知的要求の充足と活動領域の拡大
- (4)日本初の軌道上実験施設「きぼう」の利用と物資補給による国際宇宙ステーション計画の着実な推進
- (5)宇宙輸送系の維持・発展による必要な時に独自に宇宙にアクセスできる能力の確保
- (6)航空科学技術の研究開発を通じた社会からの要請を踏まえた課題の解決
- (7)宇宙航空技術基盤の強化
- (8)教育活動及び人材の交流、産業界・関係機関・大学との連携・協力、国際協力の推進
これまでの特筆すべき成果には、小惑星探査機「はやぶさ」のミッション成功があります。約7年の深宇宙航行ののち、2010年6月に地球に帰還。小惑星の微粒子を地球に持ち帰ることに、世界で初めて成功しました。また、2008年から3回に分けて打ち上げられた国際宇宙ステーション(ISS)の日本の実験棟「きぼう」が、 2009年7月に完成し、日本人宇宙飛行士のISSへの長期滞在も始まりました。「きぼう」は世界に誇る宇宙の実験場として、今後ますますの利用拡大を目指します。
陸域観測技術衛星「だいち」や温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」などによる地球環境の観測や災害監視を進めてきました。2011年3月に起きた東日本大震災の際には、「だいち」、超高速インターネット衛星「きずな」、技術試験衛星?型「きく8号」により、災害対策支援に貢献しました。今後、「地球環境変動観測ミッション(GCOM)」により、宇宙から地球の環境変動を長期にわたりグローバルに観測していくことも計画しています。
こういった活動のすべてに関わるのが輸送システムです。H-IIBロケットは2009年に宇宙ステーション補給機「こうのとり」初号機の打ち上げに成功して以来、着実に実績を積み上げてきています。「こうのとり」は、スペースシャトル退役後のISSへの唯一の輸送手段として、世界から期待が寄せられています。さらに、後継機の次期基幹ロケット開発についての構想検討も始まっています。
2008年5月に成立した宇宙基本法を受けて、2009年6月に宇宙基本計画が策定されました。日本は総合的な戦略のもと、宇宙開発利用を推進することとなります。JAXAとしても同法の理念に則り、宇宙の平和的利用により、国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展、国際協力などの推進、環境への配慮などについて貢献してまいる所存です。
われわれJAXAは「空へ挑み、宇宙を拓く」というコーポレートメッセージのもと、人類の平和と幸福のために役立てるよう、宇宙・航空が持つ大きな可能性を追求し、さまざまな研究開発に挑んでいきます。これからも皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
[2011年5月 更新]
[
国民の期待に応える宇宙開発を目指して (2012年1月更新)]
経歴
立川敬二(たちかわ・けいじ)
1962年、東京大学工学部電気工学科を卒業し、日本電電公社(現在のNTT)に入社。1978年に、米マサチューセッツ工科大学経営学部修士コースを終了する。NTTアメリカ社長などを歴任し、1998年にNTT移動通信網(現NTTドコモ)代表取締役社長に就任。2004年6月に同社相談役となる。同年11月15日、JAXA理事長に就任。また、2001〜2004年11月まで宇宙開発委員会の非常勤委員を務める。工学博士。岐阜県大垣市出身。
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