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人工衛星・探査機による貢献 X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)

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2016年7月7日 更新

「ひとみ」搭載観測機器でペルセウス座銀河団を観測

「ひとみ」搭載観測機器でペルセウス座銀河団を観測

国際研究チームはX線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」打ち上げの約一週間後から開始した観測装置立ち上げ段階で、搭載された軟X線分光検出器(SXS: Soft X-ray Spectrometer)によってペルセウス座銀河団を合計23万秒間観測しました。取得されたデータから、SXSは打ち上げ前に見積もっていた以上の分解能を達成し、これまでの20倍以上の精度で高温ガスの運動を測定できることを軌道上で実証しました。また、今回のSXSによる観測で、銀河団中心部のガスの運動をはじめて測定することに成功しました。
観測の結果、銀河団中心部で、巨大ブラックホールから吹き出すジェットは高温ガスとぶつかり、高温ガスを押しのけているものの、その結果作り出されるはずのガスの乱れた運動は意外に小さい、すなわち高速ジェットが影響を及ぼしているにも関わらず銀河団中心部の高温ガスは意外に静かであるということがわかりました。
本研究成果は、7月7日付英国科学誌「Nature」に掲載されました。

画像:チャンドラX線衛星によるペルセウス座銀河団のX線画像(カラー)と、X線天文衛星ASTRO-H("ひとみ")に搭載された軟X線分光検出器で取得したペルセウス座銀河団のスペクトル(白線)。 ©Hitomi collaboration、JAXA、NASA、ESA、SRON、CSA

プレスリリース

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X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)とは

熱い宇宙の中を観る 新世代のX線天文衛星

宇宙は冷たく静穏に見えますが、X線を用いると、爆発・衝突・突発現象など、激動に満ちた熱い姿が見えてきます。こうしたX線での宇宙観測を飛躍的に進めるべく、日本がNASAや世界各国の協力をえて開発した新世代のX線天文衛星が「ひとみ」です。
「ひとみ」は、ブラックホールの周辺や超新星爆発など、高エネルギーの現象に満ちた極限宇宙の探査・高温プラズマに満たされた銀河団の観測を行い、宇宙の構造やその進化を探ることを目的とするX線天文衛星です。2016年2月17日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット30号機で打ち上げられました。同年3月26日に通信が途絶し、4月28日に運用を断念しました。

X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の特徴

プロジェクト概要

科学目的

X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)は、ブラックホール、超新星残骸、銀河団など、X線やガンマ線を放射する高温・高エネルギーの天体の研究を通じて、宇宙の成り立ちを調べ、熱く激しい宇宙に潜む物理現象を解明することを目的としていました。

観測装置

「ひとみ」(ASTRO-H)には、最先端の技術を駆使して開発された、2種類の望遠鏡と4種類の検出器が搭載されました。X線光子のエネルギーを超高精度で測定する能力(分光能力)、広いエネルギー範囲を同時に観測する能力などで、世界最高の観測性能を持ちました。

国際協力

「ひとみ」(ASTRO-H)は大規模な国際協力で開発されており、JAXA、NASAをはじめとする、国内外の大学・研究機関の250名を超える研究者が開発に参加しています。開発は、研究者、大学院生、メーカーの技術者が一体となって進められました。



ASTRO-H 主要諸元

名称 X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)
打ち上げ日時 2016(平成28)年2月17日 17:45:00
場所 種子島宇宙センター
打上げロケット H-IIAロケット
構造質量 2.7 t
軌道高度 約575km
傾斜角 31度
種類 円軌道
周期 約96分
主要ミッション機器 硬X線望遠鏡(HXT)
軟X線望遠鏡(SXT-S,SXT-I)
硬X線撮像検出器(HXI)
軟X線分光検出器(SXS)
軟X線撮像検出器(SXI)
軟ガンマ線検出器(SGD)
X線天文衛星ASTRO-Hの喪失を超えて(宇宙科学研究所 所長 常田佐久)

(ISASニュース2016年7月号より)

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