平成26年4月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成26年4月10日(木) 13:30-13:50

場所:JAXA東京事務所 B1 プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 上垣内茂樹

冒頭挨拶

 平成26年度になって初めての定例記者会見ということで、今年度もよろしくお願いします。
 今年度は、第3期中期計画の2年目でもあり、私も理事長就任2年目でもありますので、実行の年にしたいと考えています。また、世界の宇宙関係の技術の競争が激化していく中で、残念ながらJAXAの予算は年々減少しています。そのような状況下で技術開発の力を落とさずに効果的に取り組んでいくのかが実行上の大きな課題であると認識しています。昨年度社内で議論をした新生JAXAの検討においてもこの認識が底辺にあります。
 我々JAXA職員が、新生JAXAが目指すものを実現しなければならないという決意のもと、それを実行できるような新生JAXAの2年目の取り組みについて3点ほどご紹介させていただきます。
まず、樋口副理事長を筑波在勤の筑波宇宙センター長および研究開発本部長に任命しました。
 次に、探査関係業務の加速を目的として、「国際宇宙探査フォーラム(ISEF)」を専任に担当する月・惑星探査プログラムの統括リーダのポストを新たに設置し、これまで有人宇宙ミッション本部の宇宙船技術センター長として、「こうのとり」(HTV)ミッションを統括していた田中哲夫を相模原在勤の執行役として任命しました。
 最後に、宇宙基本計画の重点課題の一つである「産業振興」への取り組みを一層強化するため、従来の産業連携センターを廃止し新事業促進室を定常組織化するとともに、JAXA全体の産業振興に係る方針等を策定・推進する部門として「新事業促進センター」を発足しました。
 特に樋口副理事長を筑波在勤の筑波宇宙センター長および研究開発本部長へ任命したことについて補足をしますと、今後の宇宙開発の動向から、将来的にはより遠い宇宙へ行く事が考えられており、これには新たな技術の創出という事が必要となります。そのために、JAXAの各事業部門が持っているそれぞれの要素技術の横串を通し共有化すると同時に、筑波地区にある他の独立行政法人や大学などの研究機関との連携をより強化することによって宇宙への知恵を発掘することを推進し、JAXAの競争力強化、存在価値の拡大を図ります。内部組織を充実して中期計画の2年目以降をより実りあるものにしたいと考えています。

トピックス

I. 安全保障・防災
II. 宇宙科学等のフロンティア
III. 産業振興
IV. 教育・普及・国際協力など

I. 安全保障・防災

新型基幹ロケット開発及び打上げ輸送サービス事業の実施事業者選定

新型基幹ロケットの開発及び開発したロケットを用いた打上げ輸送サービス事業の実施を担う民間事業者(プライムコントラクタ)の選定について、2月27日より公募型企画競争を実施し、応募資格要件の確認及び提案にあたっての要求事項への適合性を評価した結果、プライムコントラクタとして三菱重工業株式会社を選定しました。
今後は、三菱重工業株式会社を中心とする民間事業者と協力して、新型基幹ロケットの開発に着手致します。

II. 宇宙科学等のフロンティア

若田宇宙飛行士の活動

本日(4月10日)、首相官邸において、安倍内閣総理大臣と、ISS船長(コマンダー)として活動中の若田宇宙飛行士との交信イベントが予定されています。私も陪席いたします。

タンパク質結晶生成実験の第2期シリーズ

タンパク質結晶生成実験の第2期シリーズの1回目を3月28日から開始しています。今回の実験サンプルは、日本時間3月26日に打ち上げられたソユーズ宇宙船(38S)で運ばれ、若田宇宙飛行士が運び込まれたタンパク質を日本の実験施設である「きぼう」内の結晶生成実験装置にセットする作業を担当しました。

III. 産業振興

総務省消防庁によるD-NETに対応した集中管理型消防防災ヘリコプター動態管理システムの運用開始について

JAXAが研究開発を進めている「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」の技術が活用された新しい集中管理型消防防災ヘリコプター動態管理システムの運用を総務省消防庁が開始しました。
全国の消防防災ヘリコプターの活動位置を消防庁でリアルタイムに把握できるだけでなく、D-NET対応動態管理システムを搭載した消防防災ヘリコプターとは、災害の発生エリアや詳細内容などの情報を共有できるようになります。
また、災害救援航空機が共有すべき情報をまとめた"D-NETデータ仕様"に準拠しており、国内で今後普及していくことが予想されている他の動態管理システムとの情報共有も可能となっており、複数の災害対応機関が救援活動に従事する大規模災害において、より安全で効率的な航空機運用の実現に貢献すると期待されます。

IV. 教育・普及・国際協力など

4月14日から始まる科学技術週間に合わせて、JAXAの施設の公開イベントを行います。

筑波宇宙センター特別公開

・日時:4月19日(土) 10:00~16:00 (入場は15:30まで)
・場所:筑波宇宙センター(茨城県つくば市千現2-1-1)

調布航空宇宙センター一般公開

・日時:4月20日(日) 10:00~16:00 (入場は15:30まで)
・場所:第1会場:調布航空宇宙センター(東京都調布市深大寺東町7-44-1)
    第2会場:調布航空宇宙センター飛行場分室(東京都三鷹市大沢6-13-1)

角田宇宙センター一般公開

・日時:4月20日(日) 10:00~15:30 (入場は15:00まで)
・場所:角田宇宙センター(宮城県角田市君萱字小金沢1)

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