平成27年2月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成27年2月12日(木) 11:00-11:25

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 上垣内茂樹

 2月1日にH-IIAロケット27号機の打ち上げが無事に成功しました。引き続き3月26日にH-IIAロケット28号機の打ち上げを予定しています。ここ最近では、2か月弱の間での連続打ち上げとなりますが、これは今まで経験したことのない短期間での打ち上げという事で企業側の皆様、安全管理業務を担うJAXA側ともに現地での様々な工夫を凝らしてこの期間をできるだけ短くしようと努力していることを大変評価しているところです。
 現場サイドでは厳しい状況の中で関係職員が一生懸命働いているという状況が続いています。従ってH-IIAロケット28号機も目的を達する打ち上げになることを願っております。

熱帯降雨観測衛星TRMM(トリム)に関するシンポジウム開催について

 2月19日に、熱帯降雨観測衛星TRMM(トリム)の17年間の成果を総括するシンポジウムの開催を、JAXA、アメリカ航空宇宙局(NASA)および情報通信研究機構(NICT)の共催で計画しております。
 今回のシンポジウムは「水惑星の安心を見守る~熱帯降雨観測(TRMM)衛星 17年間の成果」というテーマで、TRMMの17年の成果について報告を行う予定です。
 また、シンポジウム前日の2月18日には、JAXA東京事務所で記者説明会を開催します。
 私としても長期間観測の結果については楽しみにしておりますし、今後の地球観測衛星の一つの方向性を示してくれるのではないかと期待しております。
 なお、1月16日の第19回宇宙開発利用部会で報告させていただいた通り、TRMMは今年の4月頃に運用を終了する予定です。

「きぼう」からの超小型衛星放出について

 2月5日夜にブラジル宇宙機関が開発した超小型衛星(AESP14)の「きぼう」からの放出に成功しました。これは、有償の枠組みによる「きぼう」からの超小型衛星の放出機会の提供での初めてのケースです。
 今回の超小型衛星の放出は、日本・ブラジル政府間の宇宙分野の協力案件の一つに位置付けられており、その成果を大変期待しているところです。
 しかしながら、今回放出した超小型衛星の電波を今のところ受信できていない、という報告を受けています。ブラジル側でも受信に向けた努力を引き続き行っているので、JAXAとしても経緯を見守っていきたいと思っています。

水星探査計画「BepiColombo(ベピコロンボ)」について

 平成28年度の打上げ予定としている、欧州宇宙機関(ESA)との共同プロジェクトである水星探査計画「BepiColombo(ベピコロンボ)」の状況をご紹介します。
 JAXAが開発を担当している水星磁気圏探査機(MMO)については、現在、日本で実施する最終の試験を行っているところです。この試験が終わるとESAに輸送することになります。ESAへの輸送は4月頃になる予定でいます。
 3月15日(日)に相模原キャンパスにおいて、報道機関の皆様にMMOの機体公開およびプロジェクト説明会を開催する予定です。

小惑星探査機「はやぶさ2」について

 「はやぶさ2」に関してですが、1月28日に國中プロジェクトマネージャ、吉川ミッションマネージャから、「はやぶさ2」の状況について報道機関の皆様にご説明を行いました。説明会でご説明したように、残りの1か月で、定常運用以降に向けた複数機器の連係動作の機能確認の実施およびこれまでに取得した各種データの詳細評価を行う予定です。

宇宙太陽光発電システム(SSPS)の送電実験について

 JAXAは、一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)と共同 で研究開発中の、宇宙太陽光発電システム(SSPS)の送電実験を三菱電機株式会社の試験場をお借りして3月1日に実施予定です。実験の概要ですが、送電部から約1.8KWの高出力マイクロ波を水平方向に約50m離れた受電部に送電し、ビームの方向制御精度の確認及び実験データを取得するものです。現在、研究開発しているシステムは、大きなパラボラアンテナではなく、フェーズド アレイ方式アンテナを用いることにより、複雑で巨大な構造物を作らなくても良い方向性を試すものです。
 なお、実験に先立って、東京事務所で技術的な説明会を開催する予定です。

低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)の再試験実施について

 昨年8月にスウェーデンエスレンジ実験場で予定していた低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)の2回目の試験は、試験可能な気象条件を満たさなかったため、実施することができませんでした。この結果を踏まえ、許容可能な範囲で試験条件を見直すこと、および試験期間を可能な範囲で最大限確保することで昨年の条件に比べて試験実施機会の拡大を図っております。
 これらの対応策により、今年夏の再試験に向け、プロジェクトを進めることを決定しました。本内容は2月5日の文部科学省 航空科学技術委員会でも報告しています。
 再試験の具体的な日程などは、決まりましたらまたご報告いたします。

独立行政法人科学技術振興機構(JST)との協力協定調印式について

 このたび、JAXAと独立行政法人 科学技術振興機構(JST)は、相互協力協定を締結することになりましたのでご紹介します。締結式、JST中村理事長との共同記者会見、および研究者講演を、2月19日11時よりJSTにて行う予定です。
 今回の相互協力協定の方向性をJAXAの立場から申し上げますと、既に独立行政法人 国際協力機構(JICA)とは協定を締結しており、また筑波では、独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)や独立行政法人 産業技術総合研究所(AIST)とも情報交換を始めています。このような流れは日本の宇宙航空分野に日本の他の各分野の強みを取り込もうとするものであり、もっと世の中に開かれたJAXAにしようとする基本的な考え方に基づくものです。具体的な内容については当日にお話をさせていただければと思います。

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