平成28年7月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成28年7月14日(木) 11:00-11:30

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

大西宇宙飛行士の活動

 ご案内のように、大西宇宙飛行士は7月9日に無事に国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、長期滞在を開始いたしました。大変元気に活躍しており、私としても大変嬉しく思っております。また、今回の打上げ、及びハッチオープン等に関して、マスコミの皆様に非常に多く報道していただき、感謝しております。
 大西宇宙飛行士の活動については、彼自身もソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のGoogle+を活用して、既に皆様もお読みになったかと思いますが、今後も彼自身の言葉で宇宙から活動の様子、また活動の意義を発信してくれるのではないかと期待しております。また、来週19日(火)の夜に、軌道上と地上を電話回線でつないで20分間の記者会見を行う予定です。既に皆様からも申し込みがあると聞いております。是非有効な時間として使っていただけたらと思います。
 また、JAXAはこれまでも様々な角度から宇宙飛行士の活動の様子、またはその活動の意義といったものを広く国民の皆様に発信していく考え方をもっており、今回も一般のメディア以外の方からも宇宙飛行士の活動の様子を伝えていただこうと、公募をしております。何件か選ばれており、近いところでは、SNSのLINEさんが7月22日(木)にイベントを開催すると聞いております。もう一つは、Jリーグの川崎フロンターレさんによる交信イベントを8月16日(火)に行うと聞いております。
 LINEさんについては、打上げの時に約39万人、ハッチオープンの時に約48万人がアクセスしたと聞いております。よりたくさんの方に活動の様子が理解されるということで、嬉しく思います。
 川崎フロンターレさんは、クラブ創立20周年を記念し、川崎市やJAXAとの協力で、宇宙教育の推進をはじめとして、人気漫画の「宇宙兄弟」と連携し、プロジェクトを展開しているようです。球団、あるいはフロンターレの主力選手の皆様に、大西宇宙飛行に関する話題を広く報じていただいています。

宇宙の安全を医療の安全に適用

 有人宇宙活動は非常に安全管理が厳しく行われています。向井宇宙飛行士の発案で、JAXAの有人宇宙活動における安全管理手法、あるいは考え方を地上の便益に使えないかと検討してきましたが、今回筑波大学の協力を得て、付属病院内の安全管理にISSの有人宇宙活動の管理手法を適用してみようということになりました。特に今回取り上げる課題は、病院内における患者さんの転倒、あるいは転落という事象が深刻なようで、伺ったところによりますと、年間約400件ぐらいこういったことが発生しているとのことでした。これまでも様々ご尽力されているようですが、その効果が顕著でないということもあり、是非新しい対策をということで、今回、より確実な転倒防止策を提案しました。特に患者さんが高齢化し、転落事故のようなことが起こりますと、大変重篤な影響を及ぼし、結果クオリティ・オブ・ライフ(QOL)が低下し、あるいは入院期間が長くなり、結果医療費もより高くなる。そういった社会的なインパクトもありますので、そういったことに少しでも私どもの経験、知恵がお役に立てば嬉しく思います。7月23日(土)に筑波大学と合同で、茗荷谷にあります筑波大学の東京キャンパスでシンポジウムを開催いたします。ご関心のある方は是非ご参加ください。

H3の開発状況

 既にご報告しておりますとおり、H3は基本設計が終わり、今年度から詳細設計の段階に入っております。これまでの開発状況をご紹介させていただきたいと思っており、7月20日(水)に記者説明会を開催いたします。

GEOTAIL(磁気圏尾部観測衛星)の成果報告

 地球を取り巻く磁気圏の観測を行うため1992年に打ち上げられた磁気圏尾部観測衛星GEOTAILはまだ観測を続けております。日米共同プロジェクトで、運用24年目を迎えております。その後、2015年にNASAが打ち上げた磁気圏編隊観測衛星(MMS)がありますが、これは高い時間分解能を持った衛星で、変化がより正確に捉えられるということで、GEOTAILとの協調観測を行い、地球を取り巻く磁気の様々な変動について貴重な成果が得られております。そういった内容を皆様にご紹介をする場として、7月20日(水)に記者説明会を開催いたします。磁気圏の観測をする衛星には、今年度打上げ予定のジオスペース探査衛星(ERG)があります。3機での協調観測が出来て、より深く、地球を取り巻く磁気圏の変化を観測でき、より深い理解に至ることを期待したいと思っております。

宇宙産業への支援

 皆様もご存知かと思いますが、インターステラテクノロジズ株式会社が日本で小型ロケットの開発をされていますが、今般、同社とコンサルティング業務契約を結ぶことになりました。同社が将来、地球周回の低軌道にロケットを投入したいとお考えのようで、それに関わるエンジン、あるいは試験設備等に関することで、私どもの知見を活用したいということで、私どもとしては積極的に支援をさせていただきたいと考えております。約3か月間という限られた期間であはりますが、是非我々の経験を活かして、ロケット開発に役立てていただきたいと期待しております。

JAXAシンポジウム

 既にご案内しておりますが、毎年一度開催しておりますJAXAシンポジウムについて、本年度は7月28日(木)に、新橋にありますヤクルトホールをお借りして開催いたします。昨年私どもは国立研究開発法人に衣替えしましたが、その際に掲げました「開かれたJAXA」と言う観点から、昨年から今までの取り組みをまず振り返り、将来を展望をしたいと考えております。特に、今回取り上げる個別テーマはイノベーションハブです。これは国立研究開発法人という新しい枠組みが発足したと同時にJSTが立ち上げた事業であり、これは地上におけるイノベーション促進という観点で立ち上げられた政策テーマであり、私どもが採択されました。現在相模原地区を中心にハブを進めております。それを中心テーマとしてパネルディスカッションを行い、多くの方々からご意見をいただきたいと思います。その結果、より実のあるイノベーションハブに出来るのではないかと考えております。ぜひとも皆様方の参加をお待ちしております。

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