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2020年(令和2年)5月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

山川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:2020年(令和2年)5月15日(金) 13:30-14:15

場所:オンライン会見

司会:広報部長 鈴木 明子

新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言下のJAXA事業について

 現在、国内外を問わず、新型コロナウイルス感染拡大の危機に直面しております。新型コロナウイルス感染によってお亡くなりになられた方々に、お悔やみ申し上げます。そして、PCR検査や治療にあたっておられる医療従事者の皆様、支えておられるご家族の方々に心より感謝の意を表したいと思います。
 昨日、政府より、8つの都道府県を除き、緊急事態宣言の解除が出されました。しかし、まだ完全に収束したわけではなく、海外ではロックダウン解除後に、再度の感染拡大が起きた事例もありますので、引き続き、気を緩めることなく、これまでと同様に、不要不急の外出自粛や都道府県を跨ぐ移動は控えるなど、感染拡大防止に向けた取り組みは必要と理解しております。
 この定例記者会見も、3月と4月は中止とさせていただきましたが、HTV9号機の打上げ時期も近づいてきましたので、この間のJAXAの取組みと現状をお伝えするべく、本日は、こうしてWebによるリモートでの会見を開催させていただくこととしました。初めてのことでもありまして、ご面倒をおかけする点もあろうかと思いますが、ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。

 この1月の定例記者会見で、今年はJAXAにとって、或いは日本の宇宙開発にとっても勝負の年になると述べましたが、現在、世界的に新型コロナウイルス感染が拡大し、多くの人々の安全を脅かし、また、経済活動や社会生活にも甚大な影響を及ぼす事態となっております。
 JAXAでは、私(理事長)を本部長としまして、全理事・理事補佐で構成されました新型コロナウイルス対策本部をこの2月18日に設置し、情報収集や役職員への情報提供、感染防止策の策定、BCP(事業継続計画)策定、関係機関等との連絡・調整等を継続的に行っており、リモート勤務環境の整備、更にイベントの自粛や見学施設の閉鎖等段階的に取り組んでまいりました。政府からの緊急事態宣言発出後は、対策本部で策定した事業継続計画に従い、基本的に全事業所は閉鎖とし、重要事業の継続に必要な最低限の人員のみを出勤可能としております。多くの役職員がテレワークに移行することは初めての試みでありまして、情報セキュリティの維持等苦労するところもございますが、全役職員一丸となってこれに取り組んでおり、現状、政府から求められている出勤者の最低7割削減をJAXA全体として達成することができております。4月1日の入社式は残念ながら中止といたしましたが、新入職員も、種子島や角田などの各事業所と繋いだ講義なども含めて、全てオンラインでの新人研修を受けた後に、現在は、初めての配属先で、他の役職員と同じく、テレワーク勤務を実施しております。その他、理事会議をはじめ、日常的な会議・打ち合わせもほぼ全てをオンラインで実施しており、テレワークによる勤務形態も徐々に定着してきていると感じております。

 JAXAの事業継続計画では、新型コロナウイルスの感染拡大防止による職員及び関係者の安全確保を最優先としつつ、宇宙飛行士を含む国際宇宙ステーション及び「きぼう」日本モジュールの運用、軌道上の人工衛星や探査機を喪失しないための運用、今年度の打上げ(HTV9、H3初号機等)を、「重要業務」と位置づけまして、必要最低限の人員体制でこの「重要業務」を行っております。
 いよいよ5月21日にH-IIBロケットによる「こうのとり」9号機の打上げを行う予定です。繰り返しになりますが、国内だけでなく、国外の感染拡大状況等も注視し、職員及び関係の皆様への感染防止に最大限の努力を払いながら、国際パートナーとともにミッションを成功させるよう準備を進めております。地元の皆様にもご理解と多くのご協力をいただいておりまして、この場を借りて感謝申し上げます。引き続き、国民のみなさまのご理解をどうぞよろしくお願いいたします。
 なお、この新型コロナウイルス感染拡大が収束せず、緊急事態宣言が長期化した場合も想定し、各事業への影響評価と対策の検討も同時に進めております。現時点では、今年度のJAXA事業計画に大きな変更を要する事態までには至ってはおりませんが、引き続き、国内外の状況を注視しつつ、感染拡大防止を最優先として、関係の皆様のご理解とご支援をいただきながら、万全を期して慎重に進めていきたいと考えております。
 なお、通常であれば4月1日付の役員人事についての詳細をお話しするところですが、本日ではなく改めて別の機会にご紹介できればと考えております。

宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(HTV9)の打上げに向けた状況について

 宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機を、5月21日午前2時30分頃に国際宇宙ステーションに向けてJAXA種子島宇宙センターより打ち上げる予定でございます。今回の9号機は「こうのとり」(HTV)としての最終号機となります。
 ご承知のように、これまで「こうのとり」は、15か国が協力する国際宇宙ステーションプロジェクトにおきまして、日本のもっとも大きな国際貢献策の一つとして、日本宇宙実験棟「きぼう」と並んで、物資輸送に欠くことのできない役割を担ってきました。いわば、宇宙ステーションのライフラインを維持するための本質的な取り組みであるといっても過言ではありません。
 シリーズ最後になる「こうのとり」9号機には、ISS運用の根幹を支えるバッテリーの交換用新型リチウムイオンバッテリーが搭載されています。新型バッテリーの輸送は、「こうのとり」6号機より4回に分けて計画通りに輸送してきましたが、今回の輸送が最後になります。旧型バッテリーは既に設計寿命であります6.5年を大きく超え10年以上使用されておりまして、早期の交換が必要であります。また、「こうのとり」9号機は、2020年のISSへの水・食料などの船内物資補給の約30%を担っております。これらの重要ミッションを達成するために、最善を尽くしております。
 現在、種子島では打ち上げに向けた作業を、そして筑波では運用に向けた準備を、新型コロナウイルス感染拡大防止に最大限努めながら実施しております。

 このように、「こうのとり」9号機は、ISSの運用に不可欠なバッテリーや水・食料などの国際宇宙テーションを維持し、宇宙飛行士の安全を守るために必須な物資を確実に輸送することが最重要任務となります。加えまして、将来の宇宙活動や生命医学等に必要となる様々な実験機器も輸送します。
 実験機器の一例をご紹介しますと、「ドッキングモニタ映像のWireless LAN伝送軌道上実証ミッション」の技術実証がございます。これは、「こうのとり」9号機の「往路」「係留中」「離脱時」におきまして、「こうのとり」に設置するカメラから動画を撮影しまして、Wireless LAN通信を経由してリアルタイムでISSに伝送するものでありまして、将来のISSへの自動ドッキング実証を行うために必要なミッションとなります。

 これまで種子島宇宙センターの開設以来、常に地元の方々のご理解・ご協力のもと、そして皆さまの応援のもと、ロケットの打上げを続けさせて頂いてまいりました。
 現在、JAXA及び三菱重工業株式会社殿をはじめとする打上げ関係各社は、種子島への作業関係者の往来を必要最小限にするとともに、島内へのウイルス持ち込み及び感染拡大の防止に向け、徹底した取り組みを実施しております。
 具体的には、

【島内へ持ち込まないための対策】

  • 島外から入島する際には、出張前14日間の検温結果を確認するとともに、風邪の症状(発熱や咳など比較的軽い風邪症状、味やにおいの感じ方がおかしいと感じたときを含む)がある場合には、出張を禁止しております。

【島内で感染を広げないための対策】

  • 島外から入島した者について、入島後14日間、生活の維持に必要な場合を除き、外出の自粛を徹底させるとともに、マスクの常時着用を義務付けております。
  • 島内の在勤者ふくめ、毎日出勤前に検温を実施し、風邪の症状(発熱や咳など比較的軽い風邪症状、 味やにおいの感じ方がおかしいと感じたときを含む)がある場合は自宅待機としています。
  • 密集、密閉、密接の「3密」を避けるため、出張人数の最小化、定期的な換気、会議室の分散等の対策を講じております。

 種子島各自治体から打上げ見学自粛の要請も出ておりまして、JAXAの公開WEBサイトでも一般の方々へ打上げ見学自粛へのご協力を呼びかけております。
 また、報道関係の皆さまにおかれましても、種子島での取材機会のご提供を取り止めとさせていただいておりますので、現地での取材はお控えいただけますようよろしくお願いいたします。
 当日は、「こうのとり」9号機の打上げの様子を、JAXA YouTube公式チャンネルにてライブで中継する予定にしております。インターネット等を通じてぜひ引き続きご支援いただきたく、よろしくお願いいたします。

 最後に、JAXAホームページに開設しました“STAY HOME with JAXA”を紹介いたします。外出自粛要請が続く中、外に出かける機会が少なくなっている子供から大人まで楽しめるようにと、JAXAならではのコンテンツを提供しております。ISSという限られた空間で様々な仕事をする宇宙飛行士からの閉鎖空間での過ごし方に役立つ動画やメッセージや、JAXAの地球観測衛星がとらえた地球の画像などが掲載されておりますので、是非、ご覧いただき、STAY HOMEの一助になればと思います。

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