2025年(令和7年)5月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

山川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:2025年(令和7年)5月16日(金) 13:30-14:15

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 佐々木 薫

1. 最近のプロジェクト等の取り組み

 今月以降、さまざまなミッションが予定されています。それぞれ実施に向けた準備調整を、関係機関、企業の皆さまと連携し、ご支援をいただきながら着実に進めています。
 本日は、その中から主なものをいくつかご紹介いたします。

 まず、温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)です。
 GOSAT-GWはH-IIAロケット50号機に搭載され、6月24日に打上げを予定しています。GOSAT-GWの機体は、三菱電機株式会社様の鎌倉製作所から種子島宇宙センターに輸送され、現在、打上げに向けた射場整備作業を順調に進めております。今月20日には機体公開を予定しています。

 次はH3ロケットに関してです。
H3ロケットLE-9エンジン・タイプ2の「最適な仕様を選定するための燃焼試験(翼振動計測試験・技術データ取得試験)」を、5月末頃までに全3回を実施予定です。昨日1回目の試験を実施し、現在は取得データの詳細評価を進めているところです。
 引き続き、JAXA、三菱重工業株式会社様をはじめ関係企業の皆さまとともに、H3ロケット開発を一つひとつ着実に進めてまいりたいと思います。

 それ以外のミッションも目白押しです。
 種子島宇宙センターにて射場整備作業を続けている新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)の1号機につきましても、全機結合した状態での機体公開を6月2日に実施予定です。
 また内之浦宇宙空間観測所では、7月8日に「中緯度域電離圏におけるスポラディックE層の形成過程の解明」を目的とした観測ロケットS-310-46号機実験の打上げも予定しています。

 今月の話題では紹介しきれておりませんが、航空分野、基盤技術開発などJAXA全部署がそれぞれ担当している事業と向き合って取り組んでいるところです。第5期中長期計画期間のスタートダッシュを図るべく、政府、関係機関・企業の皆さまと連携し、産学官の結節点としての役割を果たすべくJAXA役職員一同、全力をあげて取り組んでまいります。

2. 宇宙戦略基金第二期の公募開始

 本日夕刻に、宇宙戦略基金第二期公募を開始いたします。
 本公募は、令和6年度補正予算3,000億円を受け、総務省、文部科学省、経済産業省それぞれが設定する全24テーマに関するものであり、そのうち3テーマについて、本日から公募を開始いたします。

 宇宙戦略基金は、スタートアップをはじめとする民間企業や大学等が複数年度にわたって大胆に技術開発に取り組めるよう、支援するものです。
 第二期においては、今年1月の宇宙政策委員会において「技術開発テーマの設定」、「国際連携・海外市場開拓」、「基金のゴール達成に向けて」等に関する提言をJAXAから行っており、その内容も踏まえて審議決定いただいたものと理解しております。
 第二期の特徴としては、政府が設定する技術開発テーマにおいて、採択課題数を第一期の50件程度から140件程度に拡大することを予定しており、宇宙分野への関与・裾野拡大が特に期待できる新たなテーマを設定していることが大きな特徴となります。
 また、JAXAにおける新たな取り組みとして、非宇宙分野の皆さまをはじめ国内の数多くのプレイヤーの方々から優れた提案をご検討いただくべく努めております。例えば、技術開発テーマに対する理解を深め、先見性を高める観点から、24テーマ全ての技術開発テーマについて公募開始時期の目安を公表するとともに、輸送、衛星等、探査、分野共通など、領域別に技術開発テーマに関する説明会の開催、ワークショップを通じてさまざまなコミュニティとの会話を密にする活動など、多様な情報発信も行っております。これらの情報についてもぜひご確認いただき、応募に向けた準備を進めていただければ幸いです。
 本日公募を開始する予定の3テーマの詳細な手続きにつきましては、宇宙戦略基金のウェブサイトをご確認ください。

 JAXAは、本基金を通じて、皆さまの革新的な挑戦を全力でサポートし、産学官の結節点として宇宙活動を加速してまいりたいと考えております。多くの皆さまからのご応募を心よりお待ちしております。

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