油井宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の
帰還について
平成27年12月11日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在を終了した油井宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船は、以下のとおり無事帰還いたしましたのでお知らせします。
着陸日時 | : | 平成27年12月11日(金) 22時12分頃(日本時間) 平成27年12月11日(金) 19時12分頃(カザフスタン時間) |
---|---|---|
着陸場所 | : | カザフスタン共和国 |
搭乗員 | : | オレッグ・コノネンコ(FSA:ロシア連邦宇宙局) チェル・リングリン(NASA:米国航空宇宙局) 油井 亀美也(JAXA:宇宙航空研究開発機構) |
備考1 | : | コノネンコ宇宙飛行士、リングリン宇宙飛行士、油井宇宙飛行士の 第44次/第45次長期滞在クルーは、142日間、ISSに滞在しました。 |
---|---|---|
参考リンク | : | より詳細につきましては、次のインターネットアドレスをご覧ください。 |
理事長談話
油井宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の帰還について
本日、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在を終えた油井宇宙飛行士が、ソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)にてカザフスタン共和国に無事着陸致しましたことを、大変嬉しく思います。
油井宇宙飛行士のISS長期滞在は、「きぼう」のもたらす成果を最大化させるための大変重要なミッションでした。油井宇宙飛行士は、日本が得意とする高品質タンパク質結晶生成実験をはじめ、生命科学、物質・物理科学、宇宙医学等の様々な実験・技術開発テーマに取り組むと共に、小動物飼育装置などの新たな実験環境を構築しました。さらに、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機の捕獲、分離において、ロボットアームを操作するという大役を果たし、「こうのとり」の着実な運用と共に、改めて日本の宇宙技術の高さを世界に示しました。
ISSは、11月2日に有人長期滞在15周年を迎えました。この間、油井宇宙飛行士を含む7名の日本人宇宙飛行士達がISSに滞在し、日本は露、米に続く世界第3位の宇宙滞在実績を誇っています。JAXAは、これまでの宇宙滞在の経験を「きぼう」での宇宙実験手法や機器の開発に活かし、将来に向けた有人宇宙技術の向上をはかると共に、「きぼう」から得られる成果を日本社会の発展につなげるべく、全力を尽くしてまいります。今後ともご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
今回の油井宇宙飛行士の任務完遂に際して、ご支援をいただいた国民の皆様、国内関係機関、並びに米国航空宇宙局(NASA)、ロシア連邦宇宙局(FSA)をはじめとする国外関係機関の皆様に心から厚くお礼を申し上げます。
平成27年12月11日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
理事長 奥村 直樹
大西宇宙飛行士のコメント
油井さん、無事の帰還おめでとうございます。
そして約5か月の国際宇宙ステーション長期滞在、本当にお疲れ様でした。
JAXA宇宙飛行士の先輩方のあとを継いで、私たち2009年選抜組のトップバッターとして満を持して臨まれたフライト、さぞかし充実したものだったのではないかと思います。私も自分の訓練の傍ら、「こうのとり」5号機でのキャプチャーをはじめとする油井さんの活躍ぶりを紹介するニュースを耳にするたび、とても勇気づけられてきました。
油井さんが帰還されたいま、次はいよいよ自分の番です。
小動物飼育装置や静電浮遊炉など、油井さんが地上の管制チームと一体となって新たにその機能を拡張させた「きぼう」。
その実力を世界に示せるよう、今度は私がたすきを受け継いで、「きぼう」の利用を更に推進させていくのだという決意を新たにしています。
多忙の長期滞在中にも、ことあるごとに連絡を下さり、ご自身の経験や教訓を共有して下さいましたね。それらの貴重な知見を自分のものとして、約半年後に迫っている私自身の長期滞在ミッションに向けて残された時間を有意義に使っていきたいと思います。
ヒューストンでお会いできるのを楽しみにしています!
バイコヌール宇宙基地にて
JAXA宇宙飛行士
大西 卓哉
金井宇宙飛行士のコメント
おかえりなさい!
約5か月にわたる国際宇宙ステーションでの長期滞在、本当にお疲れさまでした。
『こうのとり』ミッションでは、筑波宇宙センターのHTV運用管制チーム、ヒューストンで交信役を務めた若田飛行士とともに「チームジャパン」として大活躍でしたね。訓練の成果をいかんなく発揮して、不測の事態があっても慌てず騒がず、落ち着いた対応でロボットアームの操作を行っている姿は、一等星のようにキラキラ輝いて見えました。
今回のミッションで設置された高エネルギー電子・ガンマ線観測装置『CALET』や、小動物飼育装置、静電浮遊炉などは、これからの「きぼう」利用の分野で大きな成果が期待されています。
来年6月頃に長期滞在を開始する大西宇宙飛行士の、そして再来年に予定されている私のミッションでは、これら、「きぼう」日本実験棟に新たに追加された実験装置を、とことんまで使い尽くして、素晴らしい成果を地上に届けるのが一番の任務になると考えています。
ミッションの大成功、本当におめでとうございました。
JAXA宇宙飛行士
金井 宣茂