プレスリリース・記者会見等

このエントリーをはてなブックマークに追加

衛星によるインフラ変位監視ツールの商用利用事業者公募のお知らせ

2019年(令和元年)8月30日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した『衛星SARデータによるインフラ変位監視ツール』(ANATIS[アナティス])※1について、この度、商用利用事業者を公募することとなりましたので、お知らせいたします。

 近年、我が国のインフラの老朽化に伴い、重大な事故リスクの顕在化や維持管理コストの急激な高まり、点検技術者の減少が社会課題となっています。JAXAは、これらの社会課題の解決に貢献するために、衛星データを使ってインフラの変位をモニタリングできるツールとしてANATISを開発しました。
 ANATISは、陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)※2の観測データからインフラの変位を自動解析することができ、これを用いることで、衛星に関する専門知識がなくても衛星データを使ったインフラのモニタリングが可能となります(図1)。

 JAXAは、ANATISを普及させ、衛星データを使ったインフラ変位モニタリングの社会実装を進めることで、国・自治体等によるインフラの調査・点検の効率化を実現し、社会課題の解決に貢献することを目指しています。この取り組みを進めるには、事業者の皆様の力が必要不可欠と考え、この度、ANATISを社会に広め、役立ててくれる事業者を公募することとしました。
 応募条件を満たす事業者には、ANATISを販売、ソリューションサービスの提供等の商用目的等で有償利用することを許諾いたします。

 また、ANATISは、国土交通省が公共工事等での新技術の利活用促進のために運用している新技術情報提供システム(NETIS[ネティス])※3に登録されており、NETISに登録された要件の範囲内であればNETIS登録技術として営業ができます。

◇応募資格◇

日本国内に所在し国の競争参加資格(全省庁統一資格又は建設工事、測量・建設コンサルタント等業務)を持つ者

◇公募の詳細◇

公募の詳細については、以下URLをご参照ください。
https://www.eorc.jaxa.jp/news/2019/nw190830.html

衛星SARデータによるインフラ変位監視ツール(ANATIS)の概要

図1. 衛星SARデータによるインフラ変位監視ツール(ANATIS)の概要

※1 JAXA 衛星SARデータによるインフラ変位監視ツール(ANATIS; Automated Nationwide Application of Timeseries InSar)
ANATISは、予防保全によりインフラの維持管理を低コストで実現することを目的に、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)事業(2014年度から2018年度)※4の成果を一部活用し、河川堤防、港湾、空港を対象にインフラ変位を高精度に検出する技術として開発したものです。
※2 「だいち2号」(ALOS-2)https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/project/alos-2/
※3 国土交通省 新事業情報提供システム(NETIS; New Technology Information System)
民間企業などにより開発された有用な新技術の活用促進を公共事業において積極的に活用していくことを目的として、国土交通省が運用する情報公開システムであり、「新技術」はNETISに登録されるとその申請情報と評価技術が公開・共有化されます。平成10年度より運用が開始され、平成13年度よりインターネットで一般に公開され、様々な新技術の情報を誰でも容易に入手することが可能となっています。http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Explanation/MainExplanation.asp
※4 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/

【その他参考資料】

https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-minsei/minsei-dai26/gijisidai.html
資料3-1、3-2 衛星を活用したインフラ点検作業の効率化について(宇宙航空研究開発機構)

PAGE TOP