JAXAとA-POC ABLE ISSEY MIYAKE、衛星で観測した南極画像を織りで表現したジーンズの特別展を開催
-異分野の協業成果第一弾-
2026年(令和8年)9月14日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川 宏、以下「JAXA」)と株式会社イッセイミヤケ(本社:東京都渋谷区、代表取締役兼社長兼CEO:海東 大樹、以下「イッセイミヤケ」)が展開するブランドA-POC ABLE ISSEY MIYAKE(以下、「A-POC ABLE」)は、衛星観測を活用した広報・各種情報の発信活動等における連携・協力協定 を2026年2月に結び、継続的な協業を進めていきます。
本協業では、「科学技術×デザイン」という異なる領域の境界を越えた連携を通じて、これまで地球環境や気候変動問題などを身近なものとして感じる機会が少なかった層に対して、地球観測事業の認知度拡大および理解増進を目指します。
その背景として、JAXAは、地球観測衛星を通じて地球の環境変化や災害、資源に関するデータを観測し、研究開発によって社会課題の解決に取り組んでおり、活動に対するいっそうの理解増進を図っています。一方、イッセイミヤケは独創的なデザインやプリーツ加工をはじめとする素材開発力を生かし、1973年から継続的にパリコレクションに参加するなど、長年にわたりファッション分野における創造活動を行ってきました。特に「A-POC ABLE」は、イッセイミヤケのブランドの中でも異分野・異業種との協業を通じて新たなデザインの可能性を探求してきたブランドであることから、双方の強みを活かし、相乗効果を引き出したいとの想いが重なり、協定の方向性がまとまりました。(協定における主な役割分担は別紙参照)
その最初の企画として、2026年10月21日から東京・六本木「21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3」にて特別展「『一枚の布の可能性』TYPE-XVII JAXA project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」を開催します。同展示ではJAXAの気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)の南極画像をA-POC ABLEのジャカード織り技術によって表現したジーンズを発表・展示します。同ジーンズは製品化され、11月1日からA-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO、ISSEY MIYAKE GINZA / 442にてイッセイミヤケから発売されます。次いで11月28日には、JAXAの衛星地球観測の最前線であり、研究開発の成果を社会へ還元する現場でもある JAXA筑波宇宙センターの特別公開にて、両者が連携した企画・展示を行います。これらの企画を通じ、このジーンズを身に纏う人または見る人が、遠い宇宙からの視点を衣服という身近な視点を通して日常に結びつける体験を通じて、観測データの持つ価値や地球環境への理解を深めるきっかけを提供します。
特別展「『一枚の布の可能性』TYPE-XVII JAXA project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE 」詳細
- 期間
- 2026年10月21日(水)~2026年11月19日(木)
- 会場
- 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
- 主催
- 株式会社イッセイミヤケ
- 協力
- JAXA
- 展示内容
- 本展では、JAXAの科学的知見、そしてA-POC ABLEの高度な織り技術によって生み出される独自のテキスタイルが交差する、未来の服づくりの実験場を提示します。 気候変動観測衛星「しきさい」が捉えた地球観測データを起点に、極地的環境や制約条件における衣服のあり方を探求します。
JAXA 筑波宇宙センター特別公開での特別展示
- 会期
- 2026年11月28日(土) 10:00~15:30
- 会場
- JAXA筑波宇宙センター茨城県つくば市千現2-1-1
- 主催
- JAXA
- 協力
- 株式会社イッセイミヤケ
- ※ 展示内容など詳細は、近日公開予定のJAXAの「特別公開特設サイト」をご覧ください。
関係者のコメント
JAXA第一宇宙技術部門 事業推進部長 森 有司
地球観測衛星は、気候変動や自然災害、森林・海洋環境の変化などを継続的に捉え、そのデータの解析や配布などを通じて地球規模の課題解決に貢献しています。防災や農林水産業、インフラ管理など、私たちの暮らしや社会を支えるさまざまな分野で活用されています。一方で、その価値や役割は私たちの日常生活との結び付きが見えにくく、多くの方々にとって必ずしも身近な存在とは言えません。
また、地球観測衛星の成果は長期的かつ間接的な形で社会にもたらされることが多く、その重要性を技術そのものではなく「どのような価値を生み出しているのか」という視点で伝えていくことが益々重要になっています。本協定を通じて、イッセイミヤケ様とともに、これまでJAXAだけでは十分に接点を持つことができなかった方々にも宇宙利用や地球観測がもたらす価値をお届けしたいと考えています。
衣服という身近な切り口を通じて、一人でも多くの方が地球環境に関心を持ち、地球観測衛星の役割や宇宙開発にも目を向ける契機となることを期待しています。 そして、地球観測衛星が私たちの暮らしや未来を支える重要な基盤であることへの理解が広がることを願っています。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE デザイナー 宮前 義之
私たちはこれまで、イッセイミヤケの「一枚の布」という服づくりの根源的な思想をもとに、素材や技術と向き合いながら、衣服と身体、そしてそれを取り巻く環境との新しい関係を追求してきました。今回、JAXA様との協業を通して、宇宙から地球を見つめる視点や、観測によって蓄積された膨大なデータ、そこから映し出される地球環境の美しい姿に触れることで、私たち自身のものづくりをあらためて捉え直す機会を得ています。
「TYPE-XVII JAXA project」は、科学とデザインという異なる領域の思考を交差させ、対話と実験を重ねながら、まだ見たことのない衣服の可能性を探る試みです。地球をひとつの環境として俯瞰し、そこに生きる人間の暮らしや身体へと視点を戻す。その往復のなかから、衣服に何ができるのかを考えていきたいと思います。
すぐに答えを導き出すのではなく、異なる専門性や世代との共創から生まれる問いや発見を大切にしながら、「一枚の布」の可能性を未来へとひらいていく。このプロジェクトが、デザインの力を通じて、人と環境との関係をあらためて見つめ、これからのものづくりの可能性をともに考えていくきっかけになることを期待しています。
以上
【別紙】
協業にかかる主な役割
JAXA
- ① 地球観測衛星データ及びプロダクトの提供
- ② 地球観測事業及びプロジェクト業務に関する理解促進のための情報提供
A-POC ABLE
- ① イッセイミヤケが有する設備や技術の提供
- ② 衣服、バッグ、アクセサリー等のプロダクトの製作、販売
- ③ 服飾分野における環境課題や取組についての情報の提供
共同
- ① 衣服、バッグ、アクセサリー等の服飾品の企画
- ② プロダクトの企画・製作・展示
- ③ 環境問題の啓蒙および双方の事業理解促進に関する若年層へのワークショップの開催
- ④ 上記活動の周知のためのメディア展開