2016年8月12日更新
「あじさい」衛星運用30周年
1986年8月13日5時45分(日本時間)、測地実験衛星「あじさい」(EGS)は、種子島宇宙センターからH-1ロケット試験機1号機で高度1,500kmの円軌道に打ち上げられました。「あじさい」は日本初の測地衛星で、国内測地三角網の規整、離島位置の決定(海洋測地網の整備)、日本測地原点の確立が主なミッションです。「あじさい」は直径215cm、685kg,の球状で、表面にはプリズム1,436個、反射鏡318枚が配置されています。世界の衛星レーザ測距(SLR)局がレーザパルスを用いて「あじさい」を観測しています。JAXA増田宇宙通信所に設置されているSLR設備でも「あじさい」を継続して観測しています。30年間の長期にわたる衛星運用と貴重な観測データは世界中の研究者間で高く評価されています。
2011年5月26日 更新 「あじさい」が日本測地学会坪井賞(団体表彰)を受賞!
日本測地原点の確立を図ることを目的として1986年8月13日に打ち上げられた測地実験衛星「あじさい」(EGS)の、25年の長期にわたる運用とその貴重な観測データが高く評価され、宇宙実証チーム橋本英一元プロマネを代表とするJAXA、NICT、海上保安庁、国土地理院、一橋大を一団体として、2011年5月23日に日本測地学会坪井賞(団体表彰)を受賞しました。日本測地学会坪井賞(団体表彰)は、組織的研究が重要となる測地学の特性から、顕著な業績を上げた団体に贈られます。
- 日本近海の海図の近代化, 離島位置の決定に貢献(海上保安庁:当初目的)
- 通信・測位実験と技術開発(NICT、一橋大)
- 衛星の自転に関する研究(国土地理院)
- レーザ測距による精密軌道決定技術獲得(JAXA)
- 36~50次程度の重力場モデルの決定(世界の研究機関:例 JPL、DLR)
- 国際測地座標系(ITRF座標系)構築に寄与
- 「あじさい」の25年にわたる長期運動の解析により、プレートテクトニクス運動の速度場の絶対値が決定。
- 近年、LAGIOS1/2と組み合わせた解析により、地球内の核が振動している事を実証。その結果を新しい地球回転モデル(IERS2010)に反映。
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2011年4月12日 更新 「あじさい」が国際レーザ測距事業(ILRS)から感謝状を授与されました
1986年8月13日、日本測地原点の確立を図ることを目的として打ち上げられた測地実験衛星「あじさい」(EGS)が、約25年の時を経て、2011年3月8日に国際レーザ測距事業(ILRS)から感謝状を授与されました。 「あじさい」は25年の長期わたって観測運用され、海図の編纂(海上保安庁)、通信・測位実験と技術開発(NICT)、衛星の自転に関する研究(国土地理院)、レーザ測距による精密軌道決定技術獲得(JAXA)、36~50次程度の重力場モデルの決定(世界の研究機関)、そして何より長期にわたる地球運動解析に寄与してきました。世界の測地科学を支える国際機関であるILRSから、「あじさい」の長期にわたる観測・研究を通しての科学的・国際的意義、その技術力が高く評価されました。 2011年3月8日に増田宇宙通信所(種子島)で開かれた測地衛星(EGS)第25回運用連絡会で、「あじさい」開発者である橋本英一氏(JAXA宇宙実証研究共同センター)が「あじさい」開発と25年間にわたる科学成果について講演を行い、ILRSからの感謝状を受け取りました。
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