プレスリリース・記者会見等

このエントリーをはてなブックマークに追加

JAXAと国連宇宙部との連携協力(KiboCUBE)に基づく
第3回選定のモーリシャス衛星の「きぼう」からの放出について

2021年(令和3年)6月25日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 2021年6月22日、JAXAと国連宇宙部の連携協力プログラム「KiboCUBE」の第3回で選定された、モーリシャス学術研究イノベーション会議(Mauritius Research and Innovation Council、以下「MRIC」)の超小型衛星(衛星名:MIR-SAT1(ミーアサットワン))が「きぼう」日本実験棟より放出されました。衛星放出のライブ映像はウェブ上のライブ中継で配信され、モーリシャス国内ではプラヴィン・クマール・ジャグナットモーリシャス共和国首相、川口周一郎駐モーリシャス日本国大使及びその他関係者らが放出の様子を見守りました。
 MIR-SAT1は同国初の人工衛星で、「きぼう」からの放出後、MRICが運用を行います。今回得られる衛星開発の経験、そして画像取得および地上との通信の技術実証で得られる知見が、同国の今後の更なる宇宙活動の発展へとつながることが期待されます。

第3回KiboCUBE MIR-SAT1の放出までの経緯
・2018年6月  第3回KiboCUBEとして選定
・2021年2月  JAXA筑波宇宙センターにてJAXAへ衛星引き渡し
・2021年6月3日  NASAケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)へ打上げ
・2021年6月22日 「きぼう」日本実験棟より、ロボットアームにより放出

「きぼう」より放出されたMIR-SAT1 ©JAXA/NASA

「きぼう」より放出されたMIR-SAT1 ©JAXA/NASA

MIR-SAT1の放出を見守るプラヴィン・クマール・ジャグナットモーリシャス共和国首相(前列左)©Government of Mauritius

MIR-SAT1の放出を見守るプラヴィン・クマール・ジャグナットモーリシャス共和国首相(前列左)
©Government of Mauritius

MIR-SAT1の放出を見守る川口周一郎駐モーリシャス日本国大使(前列左)©Government of Mauritius

MIR-SAT1の放出を見守る川口周一郎駐モーリシャス日本国大使(前列左)
©Government of Mauritius

【関係者のコメント】

•JAXA 佐々木宏 理事、有人宇宙技術部門長
 JAXAがモーリシャス初の衛星MIR-SAT1の「きぼう」からの放出を無事に完了できたことを心よりうれしく思います。また、モーリシャスが宇宙コミュニティの一員となる支援ができたことを名誉に感じています。本件に携わった国連宇宙部そしてMRICの関係者の皆様に改めて敬意を表します。
 MIR-SAT1は画像の取得および地上との通信の技術実証などに取り組まれると伺っています。それら全てが成功を収めるよう祈念しております。
 この放出は、モーリシャスの宇宙活動への第一歩になり、そして、MIR-SATの開発・運用を通じて得られた経験は、モーリシャスの宇宙活動の発展につながるものと思います。近い将来、またJAXAがモーリシャスの皆様と協力できることを心より願っております。改めて、放出の成功誠におめでとうございます。

•国連宇宙部 Ms. Simonetta DiPippo部長
(原文)
"I am delighted to welcome Mauritius to the community of space-faring nations. With eyes from above, the country will gain powerful data and tools to confront challenges such as rising sea levels and managing ocean resources. UNOOSA and JAXA are proud to have made this achievement possible and stand ready to support the utilization of this CubeSat and the overall development of the space sector in Mauritius.”
(仮訳)
 モーリシャスが宇宙空間で衛星を運用する新たな国となることを大変嬉しく思います。衛星からの観測は、モーリシャスが海面上昇、海洋資源の活用といった課題に取り組むにあたって有用なデータを提供する強力な手段となります。国連宇宙部とJAXAはこの偉業の達成の一助になれたことを光栄に思っており、今後ともモーリシャスの宇宙開発・利用を支援していく用意が出来ています。

•モーリシャス Honorable Deepak Balgobin情報技術・通信・イノベーション大臣
“This nanosatellite opens a new historical chapter in technology development in the Republic of Mauritius. We are hopeful that our first satellite in space will serve as a thrust to STEM education and capacity building in Mauritius. We are investing in the economy of the future which will be powered by data and connectivity but also by the creativity of our youth. New avenues are now open to us and the possibility of Space as a new socioeconomic pillar is now more real than ever. This is a momentous achievement and reflects the vision of the Prime Minister, Honorable Pravind Jugnauth, of a knowledge-based economy”
(仮訳)
 MIR-SAT1は、モーリシャスにおける技術開発の歴史の新たな章を開きました。モーリシャス初となる本衛星が、国内のSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育及び能力開発の取り組みを更に推し進めることを期待しています。
 私たちは、データの活用、デジタル技術による繋がり、そして国内の若者の創造性によって支えられることとなるモーリシャスの未来の経済に投資しています。今回の成功により、新しい社会経済の柱として宇宙を活用していくことが、これまで以上に現実的となりました。これは非常に重大な成果であり、知識集約型経済の実現を目指すプラヴィン・クマール・ジャグナットモーリシャス首相のビジョンを反映するものです。

【参考、過去の関連記者発表】

発展途上国等の宇宙関連技術向上への貢献等を目指した「きぼう」からの超小型衛星放出の利用機会提供に係る国連宇宙部とJAXAとの連携協力の開始について(平成27年9月8日)
https://www.jaxa.jp/press/2015/09/20150908_unoosa_j.html

JAXAと国連宇宙部との連携協力(KiboCUBE)に基づく第3回選定の結果、及び協力の継続について(平成30年6月19日)
https://www.jaxa.jp/press/2018/06/20180619_kibocube_j.html

PAGE TOP