2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災された皆さまに、謹んでお見舞いを申し上げます。
JAXAでは、「だいち」や「きずな」などの人工衛星を利用して、被災地の復旧のため支援を行ってきました。また宇宙飛行士から、
被災地へのメッセージが届いています。JAXAの災害対策支援の取り組みと、世界中から届いたメッセージをご紹介させていただきます。
航空機搭載合成開口レーダ「Pi-SAR-L2」による遺留品の捜索
乾いた土であれば地中約1mまで観測できる航空機搭載合成開口レーダ「Pi-SAR-L2」を利用し、
宮城県閖上地区で東日本大震災の行方不明者や遺留品の捜索に取り組んでいます。(機関誌JAXA's 2013年8月発行)
- 行方不明者捜索に生かす航空機搭載レーダ
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「超広角コンプトンカメラ」による放射性物質の可視化へ
JAXAは、次期X線天文衛星ASTRO-Hに搭載予定のガンマ線観測センサの技術を応用し、
ガンマ線を放出する放射性物質の分布を可視化する新しい装置「超広角コンプトンカメラ」を試作しました。
2012年2月11日、福島県飯館村草野地区において、線量測定及び撮像試験による実証試験を実施し、
従来のガンマカメラに比べ格段に広い視野での放射性セシウムの分布の高精度画像化に成功しました。
JAXA理事長による東日本大震災への対応についての報告
地震によるJAXA事業所への影響やJAXAが取り組む東日本大震災への対応について、JAXA理事長が記者会見で報告をしました。
東日本大震災対応報告書 ~地球観測衛星及び通信衛星による対応の記録~
JAXAが国内外の機関と協力して実施した、地球観測衛星及び通信衛星を活用した種々の活動を整理した報告書です。
技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)や超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による通信環境の提供
「きく8号」や「きずな」の通信回線を利用し、岩手県や宮城県の避難所などにインターネットに接続できる環境を提供してきました。
これにより避難所への即時の情報提供や、インターネットを使用した避難所からの情報発信が可能となりました。
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による緊急観測
「だいち」により災害地域の緊急観測を行い、国際協力を得ながら解析情報を政府に提供し情報集約に協力しました。
実験用航空機Queen Air(ビーチクラフト式65型)による放射線量計測
実験用航空機Queen Airにより福島第一原子力発電所周辺上空の放射線量を計測し、収集データを文部科学省に提出しました。
JAXA COSMODE PROJECT製品による災害支援
「JAXA COSMODE PROJECT」製品を使った支援活動が開発企業等で実施され、
日本の宇宙開発から生まれた技術を応用した製品が災害地で活用されました。
各国から、被災地へのメッセージ
被災地に向けて、JAXA宇宙飛行士や国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の宇宙飛行士達からメッセージが届きました。
また、各国の宇宙機関では祈りを込めた折鶴が折られるなど、世界中からメッセージや祈りが送られています。