ページの先頭です

プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加

微粒子表面の模様に残る小惑星イトカワ40億年の歴史

平成28年6月22日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の松本徹宇宙航空プロジェクト研究員が率いる研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから回収し、地球に持ち帰った微粒子の表面模様を分析した結果、微粒子表面に40億年以上昔から現在に至るまでの歴史が刻まれていることを発見しました。
 今回分析した微粒子は、数10マイクロメートルの大きさしかなく、さらに、その微粒子表面の模様はナノメートル(1ミリメートルの100万分の1)程度の大きさしかありません。研究チームはX線マイクロトモグラフィー(X線CT)や走査型電子顕微鏡を用いて、微粒子表面の微細構造を詳細に観察しました。その結果、これまでは一種類しかないと考えられていた表面模様のパターンは、少なくとも4種類あることがわかりました。
 その中の一つは、イトカワ母天体に由来するものでした。小惑星イトカワは誕生時から現在の形状だったのではありません。40億年以上前に形成された時には現在の約40倍程度の大きさをもつ天体(イトカワ母天体)で、それが一度破壊され、その破片が集まった天体が小惑星イトカワだと考えられています。今回分析した微粒子のなかには、イトカワ母天体の時、つまり40億年以上前に作られたと考えられる模様が残っていたのです。
 その他にも、太陽風に長時間さらされたために形成したとみられる模様や、粒子同士がこすれて摩耗した模様なども見つかりました。これらの模様は100万年から1000年のタイムスケールで形成します。すなわち、微粒子表面を観察することで、小惑星の歴史をたどることが可能になるのです。
 本研究の手法は貴重な微粒子を傷つけることなく、多くの情報を得られることから今後、地球外物質を分析する際に最初に手がける必須の分析手法となるでしょう。

発表誌

誌名:「Geochimica et Cosmochimica Acta」(2016.8.15付)
論文タイトル:Nanomorphology of Itokawa regolith particles: Application to space-weathering processes affecting the Itokawa asteroid
著者:Toru Matsumoto, Akira Tsuchiyama, Kentaro Uesugi, Tsukasa Nakano, Masayuki Uesugi, Junya Matsuno, Takashi Nagano, Akira Shimada, Akihisa Takeuchi, Yoshio Suzuki, Tomoki Nakamura, Michihiko Nakamura, Arnold Gucsik, Keita Nagaki, Tatsuhiro Sakaiya, Tadashi Kondo
DOI番号:10.1016/j.gca.2016.05.011

PAGE TOP