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プレスリリース・記者会見等

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月周回有人拠点(Gateway)の開発に向けた多数者間調整会合(MCB)共同声明

2019年(令和元年)9月10日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

2019年8月6日、国際宇宙ステーション(ISS)多数者間調整会合(Multilateral Coordination Board: MCB)が開催され、JAXAは文部科学省のもと、ISSに参加する宇宙機関として参加いたしました。ISS MCB会合は、ISS計画の上級国際調整会合であり、ISSの運用や利用等に関する重要な事項について定期的に議論するものです。

今回の会合では、米国、カナダ、欧州、ロシア、日本の代表が、ISSの運用状況および新たな利用機会の増加が地球低軌道活動の発展に貢献していることを確認するとともに、月周回の有人拠点であるGatewayについて、各極の技術的検討状況を確認し、今後の協力の意思について共同声明としてとりまとめました。

国際宇宙ステーション・多数者間調整会合(MCB)共同声明
(仮訳)

2019年8月6日、国際宇宙ステーション多数者間調整会合(International Space Station Multilateral Coordination Board: ISS MCB)が開催されました。同MCBメンバー(*)は、アポロ11号ミッションで人類が初めて月面に到達してから50周年を迎えたことを想起し、ISSで進行中の重要業務を称えるとともに、月の周辺及び月面、そして火星に向けた将来の有人探査の機会について討議しました。

ISSを通じて得られる新たな科学的知見と技術革新は、地上における持続的な発展や、太陽系における人類の活動領域の拡大に向けた更なる準備に対応します。100カ国を超える諸国が研究や教育のためにISSを利用してきました。また、MCBメンバーは、ISSが、低軌道における研究、事業及びサービスの拡大を促進し、ISSにおける新たな商業活動の機会を提供し、低軌道の持続的な利用に貢献していることを確認しました。

低軌道以遠の探査活動に関し、MCBメンバーは、月を周回する有人拠点であるGatewayに関して協力する意思の継続を再確認しました。各パートナーは、火星探査へとつながる月面探査の協力機会の調整を継続していきます。Gatewayおよび月面での活動は、火星に向けた実証の場を提供します。

より一層開かれたアーキテクチャによって実現される有人探査の中で、MCBは、Gatewayが次の重要なステップであることを確認しました。Gatewayは有人および無人による月面へのアクセスを支援し、火星に向けた有人ミッションでの挑戦に大いに役立つ経験の場になります。Gateway特有の位置・環境は、深宇宙における重要な科学的発見のためのプラットフォームを提供し、月面探査を可能ならしめるものです。またその特別な軌道は、地球と月面の両方において、通信中継のために非常に良い視界を提供します。これらは、高度な技術の発展を促し、新興宇宙経済を拡大し、地上の市民に宇宙探査による社会的な恩恵を継続的にもたらします。Gatewayの協力関係は、他の国際及び商業組織の有人宇宙探査への参加や研究、技術開発を可能とし、月の周辺及び月面における人類の持続的な活動を支える基盤となります。

このパートナーシップでは、月面有人着陸を含め、持続的な探査を可能とするためのGatewayの開発に向けた努力をしています。NASAは、利用モジュールの計画を更新し、Habitation and Logistics Outpost (HALO)と呼び改めました。HALO、及び電力・推進エレメント(PPE)、スペース・ローンチ・システム(SLS)、オライオン宇宙船(欧州宇宙機関(ESA)提供の欧州サービスモジュールを含む。)は、2024年に予定されている月面有人探査ミッション「アルテミス計画」に貢献し、Gatewayパートナーシップのための互換性と技術的な能力を確実なものとします。MCBメンバーは、パートナーシップを通じて能力が追加されたGatewayが、持続可能な探査活動の基盤施設となり、月や火星探査の目的に寄与するという考えを共有しました。

MCBメンバーは、各参加機関が、共通のコンセプトをもとに、Gatewayのための具体的なエレメント、モジュール及び能力の提供と、関連するベネフィットのための各国ステークホルダーからの承認と資金手続きに関する進捗を確認しました。特に、NASAは、Gatewayの最初の構成要素となるPPEのコントラクタ選定を実施しました。また、日本の文部科学省は、居住に関する機能及び補給による貢献に向けた調整を継続しています。カナダ宇宙機関(CSA)は、2019年2月に同国がGateway計画への参画及び外部ロボットインターフェースやEnd-to-endの外部ロボティクス運用を含む高度ロボットによる貢献を表明したことをを受けて、Canadarm3に関心を有する企業を求める正式手続きを開始しました。ESAは、国際居住モジュール(I-HAB)、強化された月通信、燃料補給能力、サイエンス用エアロック、さらにオライオン・サービスモジュールの提供について、2019年11月末に加盟国閣僚による承認を求めます。ロシア国営宇宙企業ROSCOSMOSは、多目的クルーエアロックの提供を予期しています。

このパートナーシップは、短期及び長期の目標達成に向けてGatewayの構築がタイムリーに継続されるよう、調整し、Gatewayでの初期利用に向けた準備を行い、火星探査につながる月面探査に関連する更なる協力機会を検討します。

最後に、アポロ11号による月面着陸の熱意と精神を想起し、MCBメンバーは、有人探査の次なるステップが次世代を鼓舞し、月、火星、そしてその先へと続く宇宙探査の持続的な道筋の提供への共通的な願いを確認しました。

(*)NASA、CSA、ESA、Roscosmos、文部科学省の代表


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