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人工衛星による宇宙利用 地球観測衛星「Aqua」/改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)

地球観測衛星「Aqua」とは

地球の水循環の把握に大きく貢献する
地球観測衛星

「Aqua(アクア、ラテン語で水の意)」は、その名前に表現されているように、宇宙から水とエネルギーの循環に関するさまざまな物理量を観測し、大気・海洋・陸域間の相互作用と、それが地球システムの変化に及ぼす影響を総合的に調べることを目的とした米国の地球観測衛星です。「Aqua」が取得する大気の温度や湿度の鉛直分布、雲や降水、放射収支、雪や海氷、海面水温や海洋基礎生産、土壌水分などのデータにより地球環境変動の研究が促進されるとともに、数値天気予報の改善にも役立つと期待されています。
この「Aqua」は、アメリカ・日本・ブラジルの国際協力プロジェクトに基づいて共同開発され、2002(平成14)年5月、カリフォルニア州バンデンバーグ射場からデルタIIロケットによって打ち上げられました。衛星本体と打ち上げはNASAが、各種観測センサーはNASA・日本・ブラジルが担当しましたが、地球の水・エネルギー循環を把握するためのデータ取得を目的とする電波センサが、JAXAが開発した改良型高性能マイクロ波放射計「Advanced Microwave Scanning Radiometer for EOS: AMSR-E(アムサー・イー)」です。

2002年5月4日打上げ

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2013年12月2日 更新

AMSR-E低速回転データを公開

 AMSR-E低速回転データを公開

AMSR-Eは回転摩擦の増大により2011年10月4日(UTC)に観測及び回転を自動的に停止しました。その後NASAとJAXAは状況の解析を始めるとともに、AMSR-Eの観測を再開させる方法を模索してきました。そして2012年12月4日(UTC)に、AMSR-Eは低速(毎分2回転)での回転及び観測を再開しました。JAXAは低速回転データに対するラジオメトリック及び幾何学的な初期補正を完了したため、AMSR-E低速回転データを公開します。このデータは、AMSR-Eを他の放射計と相互校正するユーザや、低速回転による新しい特徴を利用した研究を試みるユーザ等に有用なものです。 このデータはJAXAの標準プロダクトではありません。一般的なユーザ向けには、AMSR2の標準プロダクトが用意されています。
画像:低速回転における観測領域
詳しくは以下をご覧ください。

改良型高性能マイクロ波放射計「AMSR-E」の特徴

「AMSR-E」は夜間でも曇天でも地上を観測できるセンサ

「AMSR-E」のアンテナは、マイクロ波放射計としては過去最大級(直径1.6メートル)の直径で、今までにない高解像度で水に関するデータ収集が可能です。

また「AMSR-E」には、電波(マイクロ波)を用いるため夜間や雲が出ている状況でも地表観測ができるというメリットがあります。光学観測では雲の下の様子がわからないのに対し、「AMSR-E」のマイクロ波観測では、雲を透過して地表や海面を観測できることが実証されています。

これらの観測データは、日本の気象庁や漁業情報サービスセンター等に提供され、気象予報の精度向上やリアルタイムでの漁場情報の提供等、実利用面での活用が期待されています。

構成

主要諸元

国際標識番号 2002-022A
打ち上げ日 2002(平成14)年5月4日
打ち上げロケット デルタIIロケット(アメリカ)
打ち上げ場所 米国・バンデンバーグ射場
形状 展開型太陽電池を有する箱型
質量 約3,100kg
軌道 太陽同期軌道
軌道高度 約705km
軌道傾斜角 慣性誘導方式
軌道周期 約99分
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式(ゼロモーメンタム)
鎖状に並んだインド洋上のサイクロン群

環境観測技術衛星(ADEOS-II/AMSR)「みどりII」画像とAQUA(EOS-PM1/AMSR-E)の合成画像

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