平成30年6月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

山川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成30年6月8日(金) 13:30-14:15

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

金井宣茂宇宙飛行士の帰還について

 先週3日に国際宇宙ステーションから金井宇宙飛行士が地球に無事に帰還いたしました。金井飛行士の打上げから帰還まで、168日間に及ぶ活動や「きぼう」で行われた実験については、数多くの報道やメディアに取り上げていただき、国民の皆さまの関心の高さを実感しているところです。
 また、今回の帰還にあたりましては、着陸地点にも多くの報道関係者の方々に取材に行っていただいたと聞いています。ご理解・ご支援いただき、誠にありがとうございました。
 金井飛行士が数々のミッションをこなして、無事に帰還したことを個人的にもJAXAとしてもたいへん嬉しく思っております。彼のミッションテーマでもある「健康長寿のヒントは宇宙にある」の下、アミロイド線維成長実験など数多くの宇宙実験を確実に遂行しました。   「きぼう」における実験のほかにも、第2回国際宇宙探査フォーラム会合の際には滞在中の日米露の宇宙飛行士3人全員で、また日露首脳会談の際にはクレムリンとISSをつないでロシアの宇宙飛行士とともに両国首脳との交信を行いました。その結果ISS計画が国際協力・協調の成功例であることを発信し、また宇宙外交にも重要な役割を果たしたと理解しております。
 また、シュカプレロフ飛行士とともに日本在住のロシア、そして日本の子供たちをつなぐリアルタイム交信イベントも実施したほか、帰還直前には、日本科学未来館と東日本大震災で被災した福島とを結んで、林文部科学大臣および吉野復興大臣、そして福島の子供たちとのISSとの交信を実施するなど、ISSの活動が人材育成にも確実に貢献していることも印象づけた今回のミッションとなりました。

 現在金井飛行士は、米国ヒューストンのジョンソン宇宙センターに滞在しており、帰還後の医学検査や地球上での日常生活に戻るためのリハビリを実施しております。日常生活にはほとんど支障がなく、リハビリで日々回復を実感している様子です。
 これから日本に帰国し、6月15日には、早期リハビリプログラムに基づき、筑波宇宙センターでのリハビリ活動の様子を皆様に公開することを計画しています。また、7月後半には、国際宇宙ステーションでの長期滞在ミッションについて、金井自ら皆様に報告する機会を持たせていただきます。
 詳細が決まりましたら案内いたしますので、ぜひご参加ください。

地球低軌道(LEO)有人拠点等を活用した事業共創機会のお知らせ(Announcement of Opportunity:AO)について

 金井宇宙飛行士の帰還の話題に続いては、国際宇宙ステーションなど地球低軌道(LEO:Low Earth Orbit)有人拠点等を活用した事業共創についての紹介です。
 既にご案内のとおりですが、先般5月29日には、「きぼう」利用初の民営化の取り組みである超小型衛星放出事業の移管先として、SpaceBD株式会社並びに三井物産株式会社を選定いたしました。
 今回、JAXAとしても、「きぼう」利用の民営化をより進め、LEO、地球低軌道を民間事業者等による持続的かつ事業規模の大きい経済活動の場として発展させていきたいと考えています。企画段階から民間事業者等と共創、共に創りあげて事業化を目指す「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:ジェイ・スパーク)」プログラムの一環として、JAXAが利用・運用を行っているISS「きぼう」日本実験棟を中心とした有人拠点等を活用した事業の共創機会を、民間事業者の皆さまなどに対して初めて呼びかけ、幅広く提案をお受けさせていただく運びとなりました。

 13:00にプレスリリースしましたので、詳細については発表文をご覧ください。

 昨今、宇宙旅行に必要となる衣食住についての個人向け事業・サービスなどに関するアイディアなど、民間による宇宙旅行ビジネス等の検討も進んでいるところ、今回のAOでは、これまでJAXAが開発し運用してきた「きぼう」日本実験棟などを利用した事業アイディアに加えて、将来の事業アイディアについても間口を広げお受けし、民間事業者等と共創しながら、企画を立ち上げ、開発・実証していくことを目指しております。
 我々JAXAとしても、今後の産業振興、宇宙利用の拡大を目指し、JAXAが提供可能な宇宙利用機会や人材・施設設備のアセットはもちろんのこと、10年以上続けてきた「きぼう」の利用運用などで培った技術力、経験、多様な国内外ネットワークなどを提案者の皆さまに提供し、皆様と寄り添い伴走しながら、事地球低軌道の民間主体による事業化を共に進めてまいりたいと考えています。
 なお、J-SPARCにつきましては、お陰様で、先月11日の発表後、約1ヶ月間になりますが、おかげさまで、宇宙以外の民間事業者の方々からも多くの問い合わせをいただいております。今回、J-SPARC初の事業共創機会のAOとして、地球低軌道(LEO)有人活動における事業をご案内することといたしましたが、今後も、特定テーマにおけるAOを皆様にご案内できるよう準備を進めているところです。今後のJ-SPARC活動についてもご注目いただければ幸いです。

LE-9実機型エンジン#2燃焼試験状況について

 JAXAは、我が国の自立的な打上げ能力の拡大と打上げサービスの国際競争力の強化のため、2014年からH3プロジェクトを立ち上げ、次世代の基幹ロケットの開発を推進しています。将来H3ロケットの開発と製造及び将来事業展開を行う民間事業者を選定し、同事業者が要求や仕様の決定に関与する等、運用段階での事業展開を見据えた開発を行う、これまでのロケットの開発とは全く異なる方式をとっています。
 H3ロケットは、太陽同期軌道では4トン級以上、静止トランスファ軌道では6.5トン級以上の軌道投入能力を持ち、信頼性と価格の両面で世界トップクラスであることはもちろん、受注から打上げまでの期間短縮によるサービスの迅速化などのサービス面にも力点を置いたロケットを目指しています。
 JAXAは、H3ロケット試験機第1号を、2020年度に種子島宇宙センターから打ち上げることを目指して、2014年度から第一段エンジンであるLE-9エンジンの開発を開始し、昨年度、2017年度からはLE-9エンジン燃焼試験を開始しています。
 このLE-9エンジンのエンジンシステムとしての燃焼試験の前には、高速で回転して大量の燃料を燃焼器に送り込むターボポンプ、エンジンの中で最重要コンポーネントの一つについて、角田宇宙センターで単体試験を行い、ターボポンプが設計の意図通りの機能・性能・強度を有することを確認しました。
 2017年からは、種子島宇宙センターにおいて、機能性能を確認したターボポンプをエンジンに取り付けて、液体エンジン試験場でエンジン燃焼試験を行っているところです。現在は昨年実施した最初の試験シリーズの結果を反映した2基目のLE-9エンジンの試験を実施中であり、直近では5月27日に試験を実施し、LE-9エンジンとして過去最長であり、実際の打上げ時の燃焼時間 とほぼ同等の275秒の燃焼時間を達成しました。
 このLE-9エンジンの燃焼試験を6月24日に種子島宇宙センターにおいて、報道関係の皆様に公開いたします。過去LE-7Aエンジンの開発を行った2007年から約10年ぶりの開発となる貴重な機会ですので、ぜひ種子島宇宙センターに足をお運びください。

水星磁気圏探査機(Mercury Magnetospheric Orbiter:MMO)の愛称公表について

 JAXAとESAが共同で進める大規模な水星探査ミッション「BepiColombo(ベピコロンボ)」 につきまして、JAXAが担当する水星磁気圏探査機MMO、Mercury Magnetospheric Orbiter に広く皆様に親しみを持っていただくために、今年2月から愛称を募集してきたところ、その結果、およそ6500件の応募をいただきました。
 このたび選考委員会にて選考を厳正に行った結果、ひらがなで2文字で「みお」、(ローマ字表記「MIO」)に決定しましたことをお知らせいたします。
 「みお」を選定した理由は次のとおりです。
 河川や海で船が航行する水路や航跡の意味から、これまでの探査機の研究開発の道のりを示すとともに、これからの航海安全を祈る愛称であるということ古くより船が航行するときの目印になる標識を澪標(みおつくし)といい、古く和歌では「身を尽くし」、英語で言うと devote の掛詞になることから、努力と挑戦を続けるプロジェクトメンバーの思いを表していること。
 本件については、本日プレスリリースを発出いたしますので詳細につきましてはそちらをご覧ください。

はやぶさ2の現状について

 「はやぶさ2」については、昨日の記者説明会にて説明差し上げたとおり、順調に運航を続けております。6月3日(日)にはイオンエンジンの往路の運転を完了しました。現在、目的の小惑星リュウグウから約2,000kmのところを航行しているところです。光学航法を用いて、カメラを使ってリュウグウおよび探査機のより正確な軌道を決めているところでありますが、リュウグウ到着は6月27日前後を見込んでおります。
 来週には、光学航法カメラによる撮影画像におけるリュウグウの直径が10ピクセル程度に、10ぐらいのディジットで見えてくると。再来週には100ピクセルを超えることが予測されるため、リュウグウの形が鮮明にわかってくるものと期待しているところです。
 「はやぶさ2」に関しては、来週6月14日以降も、定期的に記者説明会を開催するほか、主要なイベントの際には相模原キャンパスにプレスセンターを開設して皆様に情報発信をしていきたいと考えております。今後とも「はやぶさ2」にご注目いただきたいと思います。宜しくお願いいたします。

人物紹介(新任理事:若田理事)

 4月1日付で、新しく4名の新任理事 を任命し、先月は中村理事、佐野理事を紹介させていただきました。今回は、理事紹介最後となりますが、若田光一理事を紹介いたします。
 有人宇宙技術部門と宇宙探査イノベーションハブを所管する理事です。後ほど、自己紹介をさせて頂きます。

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